新刊読書日記 2007年上半期

 


6月30日(土) C

「昭和すぐれもの図鑑」 小泉和子 1500円

河出書房新社。1933年生まれ京都女子大

住居学教授。生家を昭和のくらし博物館とし

て公開。そこにある懐かしいモノたちの紹介

これらについては、当方も全て記憶にあり。


6月29日(金) C

「夕張 破綻と再生」自治体研究社1429円

どちらかといえば革新系4人の学者によるだ

けに むしろ国や道の責任を追求。今後の地

方格差の中 どこでも起こりうる問題と指摘。


6月28日(木) B

「タイムスリップ 飯田線」笠原 香・塚本雅啓

大正出版 3800円。稀種電車の宝庫と呼ば

れた飯田線。その理由や さらに沿線風景の

多様さを、今にして理解。少し マニア度が高

いが昭和30年代を懐かしく思い浮かべた。


6月27日(水) C

「三河の広告」 春夏秋冬叢書 3000円

豊橋在住の佐溝力さんの引札を中心とする

コレクションを横糸に、豊橋の近代産業を探

る地元出版社の試み。一度 訪れてみたい。


6月26日(火) C

「データブック 現代日本人の宗教」

石井研士 2400円 新曜社。初版から10年

増補改訂版。アカデミックな資料としての

調査結果を志向。読物としてはパッとせず。


6月25日(月) C

「そんな食べ方では もったいない!」

山本益博 青春文庫 780円。食べるという作

法を通して、一流料理人から如何にして学ん

できたか、自伝的な極意公開。やあ大変な

とだよ。この出版社にしては珍しく読ませる。


6月24日(日) C

「中国という大難」 富坂 聰1500円 新潮社

文藝春秋連載加筆。圧倒的な現地取材量で

単なる嫌中派と違い 説得力。特に冒頭

の問題は知人から聞いてはいたが衝撃的。


6月23日(土) C

『「現代」という環境』 旬報社 1500円

一橋大社会学部と読売新聞立川支局の共催

での連続市民講座記録。設定した10のキー

ワードそれぞれについて担当教授が講義。し

かし内容は一般的過ぎて、少々物足らない。


6月22日(金) C

「Gマーク大全」 美術出版社 3800円

(財)日本産業デザイン振興会・グッドデザイ

ン賞50周年記念。戦後デザインの全てを語

る重量感。制度の創設が欧米からの物真似

批判からとは、パクリ天国中国を笑えない。


6月21日(木) D

「フェアトレード@Life」 藤原千尋 春秋社

1700円。ちょこボラ〈ささやかないいこと〉評

論家が 今度はフェアトレードのお勧め。根っ

からナイーブなお人らしい。お好きにどうぞ。


6月20日(水) C

「地図出版の四百年」 ナカニシヤ出版

2800円。京大総合博物館2007年春季企

画展の記念出版であり 京大地理学研究室

100のコレクションの開陳。なお、初代主

教授は湯川四兄弟の父親の小川琢治。


6月19日(火) D

「東京夢譚」 鬼海弘雄 草思社 3800円

そもそも写真家の文章は独特の癖があって

苦手。この東京風景モノクロ写真集でも、真

中1/3の同世代の感傷的な文章に閉口。


6月18日(月) C

「チーズ事典」 日本文芸社 1300円

7つのタイプ別世界のナチュラルチーズカタ

ログ227種のほか、買い方・切り方・保存法

ワイン・パンとの相性 また定番料理レシピ。


6月17日(日) D

「レクサス0点ランエボ100点」1300円

ロコモーション・パブリッシング。間違えっぱ

なしのクルマ選び2007と題した、テリー伊

藤とクルマ評論家・清水草一の口から出任

せ対談 切腹覚悟の炎・無責任採点だとさ。


6月16日(土) C

「着物 コモノ」 竹蔵龍 メディアファクトリー

1400円。着物好きのための お洒落読本

帯留・簪・袋物・履物 のコーディネイト。

奔放、想像力あふれる、和のオシャレ。


6月15日(金) C

「火のある暮らしのはじめ方」 農文協

1429円。七輪、囲炉裏、ペレット・薪ストー

ブ、ピザ窯など。日本の森を育てる 薪炭利

用キャンペーン実行委員会・編 ムック本。


6月14日(木) C

「ポスト・デモクラシー」 C・クラウチ 青灯社

1800円。グローバル経済が 民主主義を大

く後退させる、と実証分析する英経済社会

者。それにたいし我々にできることは常に

きな声で発言を しつづけることだ と説く。


6月13日(水) C

「中国茶でごきげん!」 林 圭子 1600円

オフィスエム。夫の転勤で上海滞在、出会っ

た中国茶に開眼。帰国してからは教室を開く

までに。種類別・産地別 詳しい解説ムック。


6月12日(火) C

「積算資料ポケット版 インテリア+」

(財)経済調査会 3600円。住宅・店舗の内

装プランと見積り の副題。カタログ的な使い

方はできようが、実用性には ちょい疑問符。


6月11日(月) C

「夕べもここにいた!」 なぎら健壱

毎日新聞社1400円。サンデー毎日連載加

筆、東京居酒屋案内本。店舗での本人と定

番品写真。だんだんと、いいオヤジキャラ。


6月10日(日) C

「冷たい銃声」 R・B・パーカー早川書房

1900円。翻訳・菊池光の遺作、相変わらず

洒落た会話と複雑なプロットで読ませるスペ

ンサー・シリーズ。十分楽しめたが こで菊

池節ともお別れ、と思えば少し感傷的気分。


6月9日(土) C

「火災に向き合う建築学」辻本 誠・大宮喜文

オーム1200円。東京理科大・坊っちゃん選

書と銘打ち、学内で担当する 中高生向け理

科学普及シリーズ。だから内容レベルも低。


6月8日(金) C

『ここまでわかった「黄砂」の正体』三上正男

五月書房 1700円。いわゆるミクロダストの

研究の現在を素人向けに解説。苦労話がつ

づくが、地味な研究ご苦労さんというところ。


6月7日(木) C

「改正建築士法Q&A」 建築士法研究会

三和書籍 1400円。姉歯元建築士による犯

罪を受けての建築士法大改正。現時点での

その内容の解説。いずれにしても 厳しくなる

方向、全く迷惑なことをしてくれたものだワ。


6月6日(水) C

「訣別の海」 R・B・パーカー 早川書房

1900円。警察署長ストーンシリーズ最新作

名物訳者・菊池光亡きあとを山本博。そこそ

こだと思うけど、世間の評判は今ひとつだ。


6月5日(火) C

「プロフェッショナルな修理」 足立紀尚

中央公論新社 1600円。「モノ・マガジン」連

載加筆。京都の着物の悉皆から始まり ピア

ノ、自動車など、リビルトの世界の職人芸。


6月4日(月) C

「人やまちが元気になる ファシリテーター入

門講座」ちょん せいこ 解放出版社1500円

究極の会議、ワークショップにおける進行役

ファシリテーターになるための、17日で学ぶ

スキルとマインド。実際に、短大で試したい。


6月3日(日) C

「おもちゃが大好き!」 主婦の友社1200円

主婦の友生活シリーズのムック本。目的別お

もちゃカタログ、世界のおもちゃメーカー17社

また全国ショップガイド など、多彩な切り口。


6月2日(土) C

『「最後の社会主義国」日本の苦悩』

L・ショッパ毎日新聞社1900円。終身雇用

制と専業主婦が支えた 高度成長時代のつ

けが空洞化と少子化。少年時代すごした

本のこれからを、米の政治学者は悲観視。


6月1日(金) C

「キッチン・ルール 台所の法則」 838円

小林カツ代 朝日出版社。料理の心得・台所

の法則・食卓の法則・料理の法則・ごはんの

法則・野菜の法則・片づけの法則 イラスト。


5月31日(木) B

「農!黄金のスモールビジネス」 杉山経昌

築地書館 1800円。宮崎で観光ぶどう園を

経営の、外資系脱サラ男。大口と雑言に辟

も 言っていることは正しい。つまり農協

関わらない、直販での小規模農業の勧め。


5月30日(水) C

「東京のこっちがわ」 なぎら健壱 岳陽舎

1900円。東京人なぎらの下町写真集。小

誌既出の作品は宜しいが、キャプション

なくてもいいから、写真を大きくすべきだ。


5月29日(火) C

「M2:ナショナリズムの作法」 2000円

(株)インフォバーン。宮台真司と宮崎哲弥

の雑誌「サイゾー」での対談の単行本化、

連載7年5冊目 最終版だという。ニュース

の裏側を知る、という意味は ありそうだ。


5月28日(月) C

「イラストでわかる建築模型のつくり方」

大脇賢次 彰国社 2400円。模型材料から

テクニック実際の作り方から写真撮影まで

今まで自己流でやってきたが、ほぼ同様。


5月27日(日) C

「iPod は何をかえたのか?」 S・レヴィ

ソフトバンク・クリエイティブ 1800円。iPod

誕生までの裏話に加えて、神様スティーブ・

ジョブズの人となり。描くは、ニューズウィー

ク誌シニア編集者にしてテクニカル記者。


5月26日(土) B

「酒の日本文化」 神崎宣武 590円

角川ソフィア文庫。1992年刊の同名の角川

選書の文庫化。さすが神崎先生、過不足無く

かつバランスに優れた、日本酒の文化史だ。


5月25日(金) D

「格差社会スパイラル」 山田昌弘・伊藤 守

大和書房 1500円。コミュニケーション力を

提唱のコンサルタントと、格差社会研究の

生の共著。というと 聞こえがいいが、前者の

い分に花を添えるだけ、といういい加減さ。


5月24日(木) C

「新 日本の桜」 山と渓谷社 4200円

1993年刊「日本の桜」の全面改訂版。その

性質ゆえ、生まれた膨大な変異種と栽培種

を写真で説明する、まさに桜大全とも言うべ

きもの。しかし素人とっては いささか退屈。


5月23日(水) C

「水と世界遺産」 秋道智彌・編 1800円

小学館。2006年11月の国際シンポジウム

から12の各論。だが視点 未だ定まらず、し

たがって方向も、あっちこっち 向いた状態。


5月22日(火) D

「ほんものの名酒・名品」稲垣眞美1650円

三一書房。1926年生まれの酒類評論

所の、全国酒蔵案内2007-08年版。もう少

し別の書き方があってもいいんじゃないの。


5月21日(月) C

「僕たちの好きな団地」 洋泉社ムック

1260円。ダム・マニアの次は工場マニアそ

して団地マニア。全国の団地 37の見どこ

紹介。意外にも団塊世代ではなく、育った

代あるいは純粋に造形を楽しむ若者達だ。


5月20日(日) C

「フィレンツェ・ルネサンス55の至宝」

森田義之1400円新潮社とんぼの本シリー

ズ。かなり個人的に選んだフィレンツェ芸術

建築・彫刻・絵画からの55点の細部鑑賞。


5月19日(土) C

「日本人の住まい」 宮本常一 農文協

2667円。百の知恵双書013 住まいについ

ての民俗学的 フィールドワークから。生きる

場としての住まいの変遷の想像には 納得。


5月18日(金) C

「団塊格差」 三浦 展 文春新書 760円

よく言われているビートルズ志向が、当時は

実は少数派だった、など格差意識を横糸に

団塊世代の虚像を打ち砕く全国調査分析。


5月17日(木) C

「日本の美景 下」 山と渓谷社 1524円

全国100の風景をを50づつ、下巻は近畿か

ら九州・沖縄まで。今回も プロによる大型カ

ラで風景写真を、素直に楽しみました。


5月16日(水) C

「アナログ・ブレイン」 M・モーガン 新潮社

3600円。英の脳科学者による、視覚の構造

アプローチ。脳が如何に知覚するのか、

の探求ではあるが、素人にはいささか難解。


5月15日(火) C

「聞き書き-飯田町の暮らし 3」

飯田歴史研究所。大正昭和期・飯田町の社

会史、と題しての古老からの聞き取り冊子も

パート3。今回も5人の、なかなか貴重な話。


5月14日(月) C

「餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かる

か?」林 總 ダイヤモンド社1500円。「竿だけ

屋…」より多少詳しい会計学を物語仕立てで。

ストーリーはなかなか面白く、一気に読める。


5月13日(日) C

「働かない」 T・ルッツ 青土社 3200円

「怠けもの」と呼ばれた人たち、が副題の489

頁。最後まで著者の意図が不明のまま終了。

強いていえば 「怠け者こそが文化を創ってき

のだ」 と言うためだけの、研究論文である。


5月12日(土) C

「工場萌え」石井 哲・写真 東京書籍1900円

ダムの次は工場・プラント。大山顕の文でプラ

ントの基礎知識から、その美しさ 鑑賞ポイント

鑑賞時間まで、全国の主要工地帯の案内。


5月11日(金) C

「フリペの楽しみ」 柳沢小実 ピエ・ブックス

1600円。店におかれる、フリーペーパーを全

国から集めたもの。その多くが 若い女性の手

になる可愛いもの。これもスローな楽しみか。


5月10日(木) C

「ダム」 萩原雅紀 メディアファクトリー

1600円。訪れたダムは、全国で250ヶ所と

いう、ダムマニア。ここでは35のダムの見ど

ころ、美しさを懇切丁寧に教えてくれるのだ。


5月9日(水) C

「タウトが撮ったニッポン」 酒井道夫・沢 良子

武蔵野美術大学出版局1800円。今や伝説と

なった 、独の建築家ブルーノ・タウトの日本滞

在の3年間。その折りの写真・日記を再構成。


5月8日(火) C

「神との対話」 N・D・ウォルシュ 695円

サンマーク文庫。読み始めて即 内容を理解

拙論「感動幸運論」の感動=愛自分を含め

全てを愛し、あるがままに生きる。そこで神と

同一化するのだ。02年文庫化以来 20刷。


5月7日(月) D

「京都炭屋おもてなしはお茶の心で」

草思社 1600円。京都のお茶事旅館の主

人と女将からの聞き書きはベテラン笠井一

子だが、どうもこのスタイルに馴染めない。


5月6日(日) C

「畑村式「わかる」技術』 畑村洋太郎

講談社現代新書700円。失敗学で有名な

先生の考える「わかる」ということ。05年秋

以来の第8刷だが それほどの感銘なし。


5月5日(土) D

「小さなお店の売れる改装術」 河野英俊

ぱる出版1500円。商業コンサルタントの

用書ながら 抽象的なことばかり、まったくナ

ンセンスな内容に怒りを通り越して脱力感。


5月4日(金) C

「たまには時事ネタ」 斎藤美奈子1300円

中央公論新社。婦人公論連載5年間、その

まま掲載は 大した自信のリベラル意見。し

かし最後には、もう結構という感じで終了。


5月3日(木) C

「ヒトはいかにヒトになったのか」 正高信男

岩波書店1800円。言葉の発明による自我

と社会の獲得。さらに、知性と文化を得た人

類が何処に向うのか。しかし、そこから生物

の多様性に言及は飛躍し過ぎの様に思う。


5月2日(水) C

「京都町家の坪庭」 水野克比古 3800円

光村推古書院。町家といえば京都、その奥に

必ず存在する、庭を集めた写真集。料亭と一

般民家の2部仕立て。結構なもんですなあ。


5月1日(火) C

「だまされる視覚 錯視の楽しみ方」

北原明佳 化学同人1400円。錯視を利用し

グラフィックを錯視デザインと称し、自身の

作品とともに説明する、知覚心理学の先生。



4月30日(月) C

「日本の川を歩く」 大塚高雄 家の光協会

2500円。水産大出の写真家による、北海道

から屋久島、西表島まで、25河川を 源流

ら河口まで。視点はあくまでも川の生態。


4月29日(日) C

「照明のことがわかる本」 中島龍興

日本実業出版社 1800円。照明に関しては

適当な本が少ない。光の単位が難しいせい

もあって、理解が進まない。この本も同様。


4月28日(土) C

「マンションで犬や猫と上手に暮らす」

金巻とも子 新日本出版社 1400円。いずれ

にしても、ソフト・ハードともに生半可なことで

は済まされない、というお話が延々とつづく。


4月27日(金) C

「全国おもしろユニーク博物館・記念館」

新人物往来社2600円。これで8冊目という

ユニーク 博・記シリーズ。今回も女性11人

が執筆、それぞれの個性が出て良い企画。


4月26日(木) A

『「愛」という言葉を口にできなかった二人のた

めに』 沢木耕太郎 幻冬舎1500円。暮らしの

手帖連載の映画鑑賞記。まるで今それを観て

いる如く、泣かされた。「生きていく」 ということ

への深い感情を自分に置き換え 過去を想う。


4月25日(水) C

「温もりの学舎」 中島清治 国書刊行会

8500円。元教師が27年かけて撮影した全

国の木造校舎。やはり 下見板張りの2階建

正面中心に破風飾りのものが、より美しい。


4月24日(火) C

ものと人間の文化史「看板」 岩井宏實

法政大学出版局2700円。136番目息の長

いシリーズ。看板そのものというよりも、それ

が出来るにいたった 社会活動の方に力点。


4月23日(月) C

「日本の美景 上」 山と渓谷社 1524円

全国100の風景をを50づつ、上巻は北海道

ら北陸・岐阜まで。さすがに、プロによる大

型カメラで風景写真は、見ごたえがある。


4月22日(日) C

「男子のための人生のルール」 玉袋筋太郎

理論社 1200円。中学生の男子に申し伝え

たいこと、自身も年頃の息子をもつタケシ門

下の芸人。意欲はわかるが 今ひとつの感。


4月21日(土) C

「明治の洋館」 NHK出版 950円

教育TV番組「美の壺」写真集全10巻。外人

設計の本格洋風、擬洋風、さらに 工部学

以降の洋館までそれぞれの手業の美しさ。


4月20日(金) C

「バブル再来」H・S・デントJ ダイヤモンド社

2000円。景気循環現象論、人口世代モ

ルと新技術サイクル で説明。2010年ま

は成長、その後暴落予測。投資は勝手だが

可笑しいのはそれによる人生設計の提案。


4月19日(木) C

「ここだけは行ってみたい」 ピエ・ブックス

1800円。伝説が残る風景の副題で55の風

景を紹介。その半分が 世界遺産登録。逆に

そうでない銘景を、今回は見られるメリット。


4月18日(水) C

「図説 快楽植物大全」 東洋書林 6800円

先住民族における幻覚植物の文化史ではあ

るが、今回も訳文の悪さは、まさに この出版

社の伝統か、と理解できるほど救いがたい。


4月17日(火) C

「地図にかかわる仕事」ほるぷ出版2200円

知りたい!なりたい!職業ガイド・シリーズ。

国土地理院での航空写真撮影・地形図作成

地図出版社で編集と面白そう。中学生向け。


4月16日(月) A

「永遠の別れ」 E・K・ロス D・ケスラー

日本教文社1714円。愛する人の死から、生

きる勇気を見出すまで。訳の上手さも手伝っ

て、「愛」と「死」と「生」を描く言葉は 感動的。


4月15日(日) C

「表具」 NHK出版 950円

教育TV番組「美の壺」写真全10巻、

は表具の美の鑑賞。しかし 家から床

消える傾向。掛け軸の将来には由々しき事。


4月14日(土) C

「社会安全システム」 中野 潔・編著

東京電機大出版局3400円。社会・まち・人

安全とその技術。前1/3の安全論は有用

だが、後2/3の 監視カメラ・ I T についての

詳細な報告は 興味の対象から大きく逸脱。


4月13日(金) C

「ドイツ病に学べ」 熊谷 徹 1100円

新潮選書。独在住フリージャーナリスト。少

子化・失業・年金問題は何処も同じ、先進国

病というべきもの。処方箋は経済成長のみ。


4月12日(木) C

「図解ホスピタリティの教科書」 あき出版

1000円。伝説のホテルマン林田正光の監

修ムック本。基本マナーで好感・気くばりで

満足!・心くばりで感動!!の3段階説。


4月11日(水) C

「新聞の時代錯誤」 大塚将司 1700円

東洋経済新報社。日経新聞社懲戒解雇、和

解復帰したという特殊な身分で、自社を初め

業界の 身勝手さを強烈に糾弾。新聞の書評

は無視だろうが今後には注目しておきたい。


4月10日(火) C

「森林文化都市」をめざして 無明舎出版

2000円。市民大学・鶴岡致道大学十年の

歩み、として高名な先生方の講演録。内容

も特筆すべきことなく、そもそも市民大学と

銘打っての講演形式自体に疑問を感ず。


4月9日(月) D

「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」

山本由香2200円インターシフト。ストックホ

ルム在住のスウェーデン・デザイン礼賛。歴

史的要素あるいは、和との相互作用など 視

点はいろいろあると思うが、そこまで至らず。


4月8日(日) B

「リスクのモノサシ」 中谷内一也 970円

NHKブックス。現実の安全と将来の安心、

それらを数値化し リスクといかに上手に

き合うか提案は若手の社会心理学者


4月7日(土) C

「新版 信州雪形ウォッチング」 近田信敬

信濃毎日新聞社1600円。そろそろ雪形の

季節と思っていたら 新刊コーナーに。新版

だが 内容はほぼ同じ。白馬でペンション経

営の写真家 北・中央アルプス雪形ガイド。


4月6日(金) B

「歴史を未来につなぐ まちづくり・みちづくり

新谷洋二・編著3500円学芸出版社。いわ

ゆる 「歴みち事業(歴史的地区環境整備街

路事業)」の実践報告。昔には、考えられな

ような道路行政の柔軟な対応には驚き。


4月5日(木) C

「文化としての生と死」 立川昭二 1800円

日本評論社。医療と死についての著作を続

ける1927年生まれの北里大名誉教授。

老病死から、かけ離れた現代文化を憂う。


4月4日(水) C

「美しい都市・醜い都市」 五十嵐太郎

中公ラクレ新書760円。東北大助教授の現

代景観論。前半日本橋景観論争、切れ味は

良いが建設的とは言えぬ。既出文寄せ集

のためか、後半のアジア都市編は退屈だ。


4月3日(火) C

「棚。は生きている」 青田惠一 1900円

青田コーポレーション出版部。書店コンサル

トによる いわゆる書店本。今後本屋として

う生きていくかについて小誌掲載加筆もの。


4月2日(月) C

「考古学から見た日本人」 大塚初重730円

青春新書。1926年生まれ明大名誉教授の

重鎮が語る、縄文以来の日本人。青春出版

だけに軽い読物。大胆な推論なくて退屈。


4月1日(日) C

「食の鳥獣戯画」 田中千博 高文堂出版社

2381円。江戸の年号にしたがって、食とくに

肉食の実態を 文献から探る研究家。庶民の

間のジビエ料理についても、けっこう詳しく。



3月31日〔土〕 C

「D51木曽路を走る」 二村博文 3000円

信濃毎日新聞社。昭和45年前後、中央西線

木曽福島機関区でSLに乗務の 元機関士の

写真集。木曽福島駅を中心とした風景もだが

むしろ 機関区内での整備風景が貴重の感。


3月30日(金) C

『「食」の地域ブランド戦略』 新評論 2600円

関満博・遠山浩編。ブランド化に成功した、全

10ヶ所の具体例。隣の駒ヶ根市の ソース

かつ丼にも1章。やはり鍵は、核となる人物。


3月29日(木) C

「捨て子」たちの民俗学 大塚英志 角川選書

1800円。小泉八雲と柳田國男、民俗学両巨

頭がそれぞれ抱いたファミリーロマンスを、

求する神戸芸工大教授にして、マンガ原作者

私的かつ素人には難解な民俗学起源異説。


3月28日(水) D

「団塊の楽園」 弘文堂 1900円

大阪商大と博報堂の研究グループによる団

塊文化論。大企業を退職の都会在住者とい

ステレオタイプから抜け出せず、違和感。


3月27日(火) C

「ミリタリー・パッチ図鑑」 石原 肇 2381円

イカロス出版。軍用機の乗組員が 身につけ

所属肩章のコレクション。自衛隊と米軍の

もの凡そ1500点。門外漢には 少々辛い。


3月26日(月) C

「人はなぜ太るのか」 岡田正彦 岩波新書

700円。予防医学の立場からの、肥満の科

学。あまり新味なし。ただアルコールのカロ

リーは蓄積されない、という説は意外の感。


3月25日(日) C

「仰天列車」 藤崎一輝 秀和システム

1500円。鉄道珍車・奇車列伝と題したマニ

ア向け企画。たしかに 博識そのものではあ

るが 素人には図解がないと理解しがたい。


3月24日(土) C

「密教印のすべて」 藤巻一保 PHP

1200円。なんのための本だか良くわからな

い。仏教研究家による印の解説、実際のイラ

スト付。仏像ファンには 必要ということかな。


3月23日(金) C

「日本美術の歴史」 辻 惟雄 2800円

東京大学出版会。東大・多摩美大教授。まさ

に教科書であって、室町からのデザイン ある

いはクールジャパンの系譜は、読み取れぬ。


3月22日(木) B

「民家再生の実践」 降旗廣信 彰国社

3200円。重量感溢れる民家再生術の全て

だがインテリアは、画一的で、かつ重苦しい

感じ。その原因は、吹抜け空間に 外光を入

ない、というところにあるような気がする。


3月21日(水) C

「きらめくジャンクフード」 野中 柊 文藝春秋

1238円。最初から最後まで、好きな間食類

のお話。食い物について、執着はないので

想もないが、これだけ食えば絶対に太るよ。


3月20日(火) D

「パーツでキッチン」 株エクスナレッジ

1600円。住宅をつくることは夢をみること。

その中心は厨房 さらにその主役たるシステ

ムキッチン周辺の、最新情報。しかし次から

次へロクでもない新機構を考えつくものだ。


3月19日(月) C

「街道・古道を歩く 西日本編」 山と渓谷社

1500円。歩く旅シリーズ、伊勢・熊野をはじ

め奈良周辺、京都・琵琶湖さらに武蔵・晋作

竜馬など、有名人にちなんだ道の案内帳。


3月18日(日) C

「時代考証おもしろ事典」 山田順子 1300円

実業の日本社。TV時代劇に欠かせない時代

考証の専門家が教える、時代劇のウソ・ホント

の数々。飲み屋ネタに軽い気分で読み進む。


3月17日(土) C

「江戸千代紙」 青幻舎 1200円

ビジュアル文庫シリーズは千代紙老舗いせ辰

の四代目による解説付き。その古臭い 口語

の辛口な評価は まことに小気味の良い感じ。


3月16日(金) B

「ワーキング・プア」 D・K・シプラー 岩波書店

2800円。397頁にわたって米下層社会の現

実を延々と描く。親子孫の代まで、抜け出せな

い貧困には 単なる援助だけでなく、生活スキ

ルまで面倒を見る、社会的な仕組みが必要。


3月15日(木) C

「進化しすぎた脳」 池谷裕二 ブルーバックス

1000円。2002年 脳科学者の慶応高校NY

校での講義。さらに加えて帰国後東大薬学研

究室での学生とのディスカッション。最先端の

研究内容をわかりやすく解説してくれるのだ。


3月14日(水) C

「ワイルドライフ2」 日経BP出版1400円

日経ナショナルジオグラフィック社のN.G.傑作

動物写真集パートU。前作の、嵐の中の孤高

のライオンのイメージが強すぎて、物足りぬ。


3月13日(火) B

「路地からのまちづくり」 西村幸夫・編著

学芸出版社 3000円。建築基準法上認めら

れない4m未満の道路を、排斥するのではな

く、なんとか生かそう、あるいはもっと積極的

に街づくりにつなげる、先進地の試み紹介。


3月12日(月) C

「伊勢神宮ひとり歩き」 ポプラ社 1500円

A5判横綴のムック本的内容。20年に一度、

6年後の第62回式年遷宮に向って、こういう

企画の本が、世を賑わして行きそうな気配。


3月11日(日) C

「あだ名の人生」 池内 紀 みすず書房

2600円。ドイツ文学者による 軽めな古今面

白人物列伝。古くは初めて知る名 新しくは

知っている人物も多てく、結構なヒマツブシ。


3月10日(土) D

「和な文房具」 柳沢小実 ピエ・ブックス

1600円。文房具といっても、ほとんどが紙を

使っての製品ばかり。いわゆる四宝の類は一

切登場しない。意識的に、避けている模様だ


3月9日(金) C

「日本人の大地像」 海野一隆 大修館書店

2800円。信長以来、大地の球体つまり地球

認識についての学術書。キリスト教と仏教

のせめぎあいの歴史は 難解ながらも、当

の知識人の動向を想像する面白さはある。


3月8日(木) C

「ドラゴン・リリーさんの家の調査」 山本理顕

インデックス・コミュニケーションズ1800円。

建築家による家の絵本シリーズ。この試みが

意図するように 子供達に伝わるのかどうか。


3月7日(水) C

「水問題の重要性に気づいていない日本人」

橋本淳司PHP研究所1300円。水問題を追

及するジャーナリスト。ごもっともだが目線が

低いというか、書名同様 格調も今ひとつだ。


3月6日(火) B

「『退化』の進化学」 犬塚則久 820円

講談社ブルーバックス。上陸から4億年、ヒト

歴史は進化ではあるが一方で器官の退化

の歴史でもある。それらを見事に説明する解

剖学の権威。書名もそのものズバリで◎だ。


3月5日(月) C

「世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを

正す」G・E・スティグリッツ徳間書店1800円

アメリカ と多国籍企業に引き起こされた世界

地域間格差。それを解消すべく政治的グロー

バリズム、具体的には世界貨幣の提唱など。


3月4日(日) C

「POP王の本 グッドセラー100&ポップ

裏話」新風舎 1200円。書店でのPOPの

実際を、ただ延々と100冊分。読むとは言

えず ただ見るだけ。制作はPOP王自身。


3月3日(土) C

「光の景観まちづくり」 学芸出版社

2500円 。「大阪・光のまちづくり企画検討

委員会」が主体の編集。世界の実例から、

大阪での試み、最後にそもそも光の景観と

は。つまり話が逆なのだ 構成に問題あり。


3月2日(金) C

「地域ブランド戦略のデザイン」14000円

ピエ・ブックス。全国各地の特産品や 商店

飲食店・自治体あるいはキャンペーンでの

成功デザイン実例集。美しいものばかり。


3月1日(木) C

デザインとヴィジュアル・コミュニケーション

ブルーノ・ムナーリ みすず書房3600円。

年前 91歳で死去、伊のデザイナーのハー

ードでの講義録。造形の教科書の古典。



2月28日(水) C

「醜い日本の私」 中島義道 新潮選書

1000円。電通大の哲学の先生 これでもか

日本人の感性のなさを糾弾。というか大衆

の中での個人の感受性の埋没を怒るのだ。


2月27日(火) C

「宮沢賢治はなぜ石が好きになったのか」

堀 秀道 どうぶつ社2200円。何でも鑑定団

お馴染みの鉱物屋さん 書きためたエッセー

を収録、したがって前後の関係まるでなし。


2月26日(月) B

「自然の暮らしがわかる本」 山と渓谷社

新田穂高・城の内まつ子1600円。筑波移

自然派ライター。軽いフットワークで、全

材。内容はほぼ全方位、さながら自然生活

大全の雰囲気。ネットワークの中心を予感。


2月25日(日) D

「5年後の大市場」 小宮一慶 ビジネス社

1400円。内容はとりたててどうということない

し、発行は2005年で もう丸2年。それがなぜ

刊コーナーにあるのか、図書館には苦言。


2月24日(土) B

「死にたくないが、生きたくもない。」 720円

小浜逸郎 幻冬社新書。60を迎えた団塊世代

哲学者の「老い」について。誰もが思ってい

ながらも 口に出せないい本音ばかり。同感。


2月23日(金) D

「よみがえった老舗料亭」 神奈川新聞社

1500円。横浜駅西口近くの料亭 「田中家」を

主人公に、ハマの近代史を綴ったもの。といっ

ても、内容は まさに自家出版の如く、お粗末。


2月22日(木) D

「勝手に広告」 マガジンハウス 3200円

中村至男・佐藤雅彦 2人のデザイナーが25

社の企業イメージを コピー無しで考える

趣向だ。だが 、それがどうしたというのだ。


2月21日(水) C

リフォーム「自分らしい家づくり」123のヒント

中島早苗1400円日本実業出版社。住宅誌

自称リビングジャーナリスト「モダンリビング」

元編集の 300軒以上の取材から、ウンチク

を語るのだ。が あまり参考にならなかった。


2月20日(火) D

「百年の食」 渡部忠世 小学館 1800円

1924年生まれ、京大名誉教授の遺言だそう

だ。定年後に百姓生活をはじめるべきと 悔や

む。そのためか53頁にもおよび農業家・松井

浄蓮の著作の引用、これは ルール違反だ。


2月19日(月) C

「世界のあやとり紀行」 INAX BOOKLET

1500円。民族文化伝承としての、あやとりの

数々は INAXギャラリーの企画展から。五大

陸に北極圏から南太平洋、アマゾンの奥地。


2月18日(日) C

「自転車依存症」 白鳥和也 平凡社1600円

1章 まるまる我が飯田のことが載っていたの

で継読中の4冊を放っておいて専念。自転車

から、さらにクルマ・カメラ・鉄道とエンスージ

ヤストの道は果てしなく、また亡者のようだ。


2月17日(土) B

「日本鍛冶紀行」 かくまつとむ 1905円

ワールドフォトプレス。10年以上かけて 全国

141の野鍛冶を訪ね歩いた記録。ムック本な

がら、溢れる重量感。写真は大橋広が担当。


2月16日(金) C

「造園がわかる本」 彰国社 3000円

造園から、さらに外部空間そのものの有り方

にまで、枠を拡げた意欲作 である。それだけ

に未だ発展途上という感じが否めなかった。


2月15日(木) C

「瓦屋根」 NHK出版 950円

教育テレビ番組「美の壺」を、そのまま写真

全10巻。今回 は瓦屋根の美しさの鑑

たしかに歴史を刻んだ本瓦葺きは美しい。


2月14日(水) B

「遣唐使全航海」 上田 雄 草思社 2300円

1931年生の元高校教諭、研究書ではなく読

物としての、3回の遣隋使、15回の遣唐使の

記録。人物の描写も細かく、当時の雰囲気が

想像可能。通説ほど危険ではなかった模様。


2月13日(火) C

「ル・コルビジェの手」 A・ヴォジャンスキー

中央公論美術出版1800円。建築の巨人の

高弟による 師匠礼賛。世界中で翻訳とかで

白井秀和訳。コル好き建築学生の聖書か。


2月12日(月) C

「気候大異変」 NHK出版 1300円

同名のTV番組から、スーパーコンピューター

による地球シュミレーターのしめす恐るべき未

来。温暖化による 気象災害の激化・乾燥から

食料危機・熱帯病の地球化。さてどうする。


2月11日(日) C

「ナゴヤ全書」 中日新聞社 1429円

中日新聞連載、「大いなる田舎」が昨今の好

景気で自信をもっての、お国自慢の数々。そ

こらが、また後ろ指を指されるところなのだ。


2月10日(土) C

「世にも奇妙な職業案内 増感号」 1900円

N・リカ・シフ ブルース・インターアクションズ

16cm 4方の写真集。全米から取材した50

の職業は、好評だったらしい前書の続きだ。


2月9日(金) C

「日本神話と風土記の時空」 永藤 靖

三弥井書店2800円。明大教授による風土

記探求。ディテールへの想像力はいいが、

スケール感は少なし、つまりは面白くない。


2月8日(木) D

「若者はなぜ3年で辞めるのか?」 城 繁幸

光文社新書700円。年功序列の周囲をグル

グル廻っているだけ、何も展望なし。前作が

売れたから次を、でも書くネタ不足じゃ困る。

こんな本が、すでに9刷目とは、驚くばかり。


2月7日(水) C

「李朝家具」 NHK出版 950円

教育テレビ番組「美の壺」を、そのまま写真

集に。モダン・インテリアの味付け、としての

李朝もの。明るいインテリアには不向きだ。


2月6日(火) C

「リゾート・ホテル・インテリア」河出書房新社

6800円。「21世紀のホテル・デザイン」第4

巻。リゾートといっても伝統的リゾートのクラ

シック・スタイルの 美しいインテリアが主。

だ誰のための出版なのか意図不明である。


2月5日(月) C

「文房具で包む」 井上由季子 1300円

アノニマ・スタジオ。京都在住のデザイナー

身の周りの文房具を利用して、気の利いた

包装編。ちょっと気恥ずかしい感じもする。


2月4日(日) B

「信州の近代遺産」 しなのき書房 9000円

A4判厚さ3cmハードカバーでずしりと重い

産業・河川・発電・観光・別荘・軍事・公共施

設・生活宗教・教育の遺産179ヶ所 紹介。


2月3日(土) C

「在日の地図」 山野車輪 海王社 1000円

マンガ「嫌韓流」の続編風、全国のコリアン

タウン探訪記。強制連行ではなく 職を求め

ての出稼ぎ、を豊富なデータで示す。しかし

やはり、熱くなり過ぎる部分が あちこちに。


2月2日(金) B

「絵かき遊び考」 加古里子 小峰書店

価格不明。東大出の技術者として絵本作家

50年に亘って収集した、伝承遊びについて

の4部作の一つ。全598頁もの 全国地、

また時代を経た、絵かき唄の 詳細な報告。


2月1日(木) C

「純正律は世界を救う」 玉木宏樹1500円

文化創作出版。ピアノに代表される 平均律

にたいし、純粋な倍音で構成する純正律の

伝道師は芸大出、怪しげなバイオリニスト。



1月31日(水) B

「写真集 水路の造形美」 渡部一二

東海大学出版会 3800円。多摩美教授に

よる 水路空間の研究。全国107の水路景

観、とその造形の考察。農業用水・生活用

水を求め、水路を開いた先人の重い歴史。


1月30日(火) C

「幸福なしごと」 山田優子 自然食通信社

2095円。2001年刊、朝日新聞の多摩版

ウン誌 「アサヒタウンズ」連載もの。150

の仕事紹介 というかハッピーな生き方。


1月29日(月) B

「人気テレビ番組の文法」 純丘曜彰

フィルムアート社 2000円。元プロデュー

サーによる、テレビ制作のための教科書。

界用語がポンポン飛び出し、飽きること

なく、いかにもテレビ的な制作現場紹介。


1月28日(日) C

「日本警察 裏のウラと深い闇」 北芝 健

だいわ文庫 705円。TVにも時々登場の元

刑事。現役の頃から警察マンガの原作書き

のアルバイト。さすがにツボを心得て上手。


1月27日(土) C

「中山道を歩く 改訂版」 山と渓谷社

1500円。歩く旅シリーズは69宿534km。

詳細な地図でその気になれる。ただ内容に

対しての写真が、必ずしも適当でなく残念。


1月26日(金) B

「花見と桜」 白幡洋三郎 PHP新書660円

京大農学部から、国際日本文化センター教

授。花見の必要条件として群桜・飲食・群集

をあげ日本独特の、貴賎上下を超えた共同

の幸福の場として 歴史的・社会学的考察。


1月25日(木) D

「風林火山の古道をゆく」 集英社 1600円

古道はあまり関係なく、むしろ武田晴信から

信玄をへて、勝頼までの三代記に 終始した

ムック本。ましてや、風林火山も コジツケ。


1月24日(水) D

「沸騰するフランス」 及川健二 花伝社

1700円。1980年生まれ早大院生。仏留学

での 政治見聞集。既出の対談、インタビュー

が多く、週刊誌のようなダラダラとした記述。


1月23日(火) C

「どうせ生きるなら」 大橋巨泉 686円

角川oneテーマ21。御歳72、セミ・リアタイヤ

宣言から16年。その間の生きざまを語る薀蓄

オヤジ。お好きにやって下さいまし とし言い

うがない。全く、幸せな御仁というべきかな。


1月22日(月) B

「ヤマトタケるに秘められた古代史」 崎元正教

けやき出版 2300円。日本武尊と武内宿禰は

同一人?日立を早期退職の研究家 神社伝承

から神武即位を三世紀とし、天照大神ヒミコ説

など、度肝をぬく内容。古代史空白部に一石。


1月21日(日) C

「マズい日本語レストラン」 樋口裕一1200円

オレンジページ。雑誌オレンジページ連載

カツく言葉への対処法。あまり現実感なし むし

各章末の「おいしいにほんご」がタメになる。


1月20日(土) C

「袱紗・風呂敷」 東京美術 2600円

京都の「宮井ふろしき」の前面協力だけあって

雅な風呂敷・袱紗の美しさ。また包み方はもち

ろん、意匠の仕様、文化風俗にも抜かりなく。


1月19日(金) C

「店舗デザインハンドブック2007」 2800円

建築資料研究社。前 1/3が話題の商業施設

インテリアの紹介。後半は 新製品・新素材の

カタログ集。特筆すべきものはございません。


1月18日(木) B

「人口が変える世界」 日本経済新聞社

1500円。韓国・中国・ロシアを含め、先進国

の少子化とイスラム圏での人口増。より良い

暮らしを求めての移民圧力の驚くべき実態。


1月17日(水) C

「風俗嬢、その後。」 酒井あゆみ 1400円

河出書房新社。自身の経験から、風俗嬢を

描き続けるが、今回は足を洗うのか、戻るの

か、8人の微妙な心の動きにインタビュー。


1月16日(火) C

「スローカメラの休日」 田村彰英 エイ文庫

680円。団塊世代の写真家が、還暦を向え

ちょっぴり感傷的 かつ純粋に写真を撮るこ

とを楽しむ。心情理解、が機材に凝りすぎ。


1月15日(月) C

「すぐわかる 茶の湯の名品茶碗」 矢部良明

東京美術 2000円。唐物・桃山・江戸それぞ

れの時代の名品解説。さらに、近代4人の数

奇者の創作と好み。なんとも縁のない世界。


1月14日(日) C

「M・C・エッシャー」 TASHEN 1500円

お馴染み不条理絵・変幻パターン絵の画集。

しかしながら、やはりA5判じゃ小さすぎるよう

だ。現物を見るのが、一番なのだろうと思う。


1月13日(土) C

「里川の可能性」 新曜社 2200円

ミツカン水の文化センターの企画。従来の利

水・治水・守水の考え方をさらに発展させよう

とする試み。斯界の13人の研究者が参加。


1月12日(金) C

「アマゾンのロングテールは、二度笑う」

鈴木貴博 講談社1600円。年の頃40と思し

コンサルタント(女性じゃあるまいし 経歴に

生年くらい入れろよ )の経営戦略論。目線が

多様で面白く、一気かつ、気楽に読める本。


1月11日(木) C

「2007年版 望遠鏡・双眼鏡カタログ」

地人書館 1905円。天文関係専門出版社。

これは非常に金のかかる趣味。市内天文

ドーム住宅の内科医も自慢の愛機で登場。


1月10日(水) B

「失われた書を求めて」 石川九楊 岩波書店

1100円。1945年生まれの書家の随想。後

半の一部に、必ずしも賛成できない部分もあ

ものの、総じて格調の高い文章はさすが。


1月9日(火) D

「どうにも素敵な文具術」 中島孝志1300円

アーク出版。文具の話かと思ったら「仕事が

はかどりすぎて困る!」という副題通り、半分

は著書150冊を越えたという自慢話。不純。


1月8日(月) C

「旅で出会ったローカルごはん」 上村一真

生活情報センター1500円。総アート紙、TV

お馴染みの全国の名物が、北から南まで

キレイな写真で納まっている。それはいいけ

ど、すべて 段を明記すべきではないか。


1月7日(日) D

「増補改訂版 失われた文明の謎」 学研

1300円。けっこうな人気があるのか、「ムー

シリーズ」だけあって それらしい雰囲気

伝説や謎・幻の世界遺跡を集めたムック本。


1月6日(土) B

「1冊で1000冊」 宮崎哲弥1400円新潮社

週刊文春に五年半、毎週の話題に関しての

数冊の本を例証する試み。当方の読書は

みの本だけ、だから 全方位へのアプローチ

は、さすが濫読王の名に恥じぬものと思う。


1月5日(金) B

「名機を訪ねて」 那和秀峻 日本カメラ社

3800円。2003年刊 「日本カメラ」連載加筆

昭和のカメラ黄金時代の名機27台への開発

技術者と常用プロ写真家の思い入れ。デジカ

メに押され、消え行く銀塩カメラへの鎮魂歌。


1月4日(木) C

『「和の仕事」で働く』 籏智優子 ぺりかん社

1200円。「なるにはブックス」 職業ガイド シ

リーズ。難しい字にはルビを振った中学生向

け。取り上げた10の仕事の選択基準不明。


1月3日(水) C

Google Earthで地球を旅するガイドブック

郡司裕之 1580円 技術評論社。衛星写真

から 3Dの地球像を楽しむフリーソフトの解

説。マニア向け、素人は上から眺めるだけ。


1月2日(火) D

「建築探偵桜井京介 館を行く」篠田真由美

建築探偵シリーズという読物があるそうな。

その主人公と著者が古い館を訪ねる、という

小雑誌の趣向。藤森照信先生の引用そのま

まの、まるで存在する意義のない本である。


平成19年1月1日(月) B

「だまされる脳」 講談社ブルーバックス

940円。日本バーチャルリアリティ学会VR

心理学研究委員会。言ってみれば、究極の

VRとは脳内の知覚そのもの、というお話。

読書日記も8年目に突入、本年もよろしく。


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