幻の国鉄中津川線/線路敷

 昭和39年4月運輸大臣から工事線の指定を受け 飯田駅から中央西線中津川駅まで

 延長37kmの単線として同42年から一部着工された 二ツ山トンネルは同44年6月に竣工

 ほぼ同時期から中央自動車道の計画が進み 同50年には現在の恵那山トンネルを含む

駒ヶ根・中津川間が開通し 同55年地方開発線の見直しにより建設工事は中止された

 以下に見る中村・山本間はもっとも早く着工されたもので 今もその線路敷が存在している

なお未成線探訪という鉄道趣味があり ネットでもそんな報告を散見する

飯田から中津川への計画線路についても様々な推測がなされているが

現在の羽場大瀬木線の北方区間に連続する という見方は多いようだ

問題は北方台地への登りで 飯田駅から現在の飯田線路を使うとすると

羽場坂から曲がらず もう少し先まで行ってから松川を渡るとも考えられる

北方への上りも やはり建設中の羽場大瀬木線の切石部分かもしれない

 

飯田市中村 長清寺境内

参道を横断する線路敷 正面が二ツ山で真っ直ぐ向かっていく

長清寺から県道までの間は更地状態

県道を横断して 現在おひさま公園という名の遊園地 このあたりが中村駅予定地か

定期的に草刈はされているようだが 周囲からは4mほどの土盛りにて二つ山を目指す

このあたりは まだ自転車通行は可能

トンネルに向かう線路敷を中央道側から撮影

いよいよ雑草繁茂の中 トンネルに向かう

猛暑日にもかかわらず 冷気が流れるトンネル入り口

こちらは飯田市山本のトンネル出口 実際は竹薮の中で薄暗い

トンネル出口から山本方向

コンクリート舗装部分はいいんだが 土の部分は雑草繁茂

ちょうどこれが眼の高さ 背丈以上の雑草を掻き分け進む

ここでバリケードがあり 橋梁未完成で線路敷は途切れる

一旦下に降りて橋梁未成部分の状況 階段を登ってみると

良く管理された線路敷が真っ直ぐ伸びている 左のカマボコ屋根が山本小学校の体育館

どうも通学路として使われているという話だ

左奥がトンネル出口

やや左にカーブして市道にぶつかり 線路敷はここまで

しばらく柵で囲った線路敷があったと記憶しているが 現在は山本地区を通過していた国道のバイパス

この歩道部分が昔の線路敷のような気がする 伊豆木方面に向かう市道の下をくぐる

市道から線路敷を俯瞰してみると なにやら線路敷上に人の群れ

夏休みの暑い午後 近くの山本小学校のプールに向かう小学生の一団のようだ

元に戻って三遠南信道と中央道山本インターのアプローチ道路

 

以上のように中津川線の痕跡は この部分しか確認できないが

昭和48年からの阿智村昼神の神坂トンネル・ボーリング調査中に

温水脈が発見され 同村昼神温泉卿として今日に至っている

 

2012・8・8

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