段丘「雪の記憶」

タイトルは冨島健夫の珠玉の戦後青春小説から拝借しました

 

令和6年2月 カミ雪の朝

前日の午前より降り始めた雪は その語 雨となって消えたが

夜になると ふたたび積雪 約10cmほど積もった

昨年は結局一度も雪掻きはなし 道路上には雪はないので 雪掻き出動せず

東京は大変だったらしいが 飯田は大したことなし

箕瀬に通ずる小道も とくに支障はなかった

(2024・2・11)

 

平成31年2月1日 雪の朝・氷りの花

2月23日付の地元紙「南信州」のコラムで 龍江在住の 林 朋 さんは俳句を詠みつつ

「雪氷花」 と名付けられていた 辞書にもない 樹氷でもないし霧氷ともいえないし

苦し紛れの上の表題だったが なるほど言い得て妙 と賛同したい

(2019・2・24)

南岸低気圧が通過するも 冬型の南下の影響の方が大きく 5cmほどの積雪で済んだ

深夜から朝にかけての放射冷却で 広葉樹の枝に積もった雪が凍って まるで花が咲いたように見える

とくに午前の強い日差しに 融ける間の珍しい風景

水の手から見上げる木々は なかなか感動的

(2019・2・5)

*

南北に長い長野県 南部の飯田地方の気候は むしろ甲府あたりの予報があてはまるようだ

積雪も2種類あって 12月から1月にかけては 北部の冬型が南に下りてくる感じで

雪もサラっとした粉雪風だが 地面の温度も高く12月中に積もることは多くはない

一方1月下旬から2月 まれに3月4月に降る雪は いわゆるカミ雪といって

太平洋沿岸の南岸低気圧の通過によるもので 湿気の多いベタついた雪となる

(写真は3月下旬 羽田福岡便の飛行機から撮影した雪景色 上部が飯田市街 右下が川路) 提供・松島仙太郎氏

平成21年の12月下旬の積雪は珍しく5cmほど

お得意の森林組合駐車場から鼎方面の雪景色

松川を挟んで無彩の風景がひろがる

山はまだ雪模様

今度は愛宕神社から

段丘を下って

動物園方向を見上げる

さらに松川の水の手橋を渡って 城址を見上げる

松川堤防沿いに歩きながら

飯田大橋

四季の広場も雪化粧

さらに翌日 朝日を浴びた風越山

*

積雪量は昔にくらべれば 明らかに減っている 半世紀前は常に道路に雪が残っていた記憶

だから数年前60cmほどの積雪には驚いた もっともすぐ溶けてはしまったが

1月半ば夕方から雪模様

鼎橋から愛宕坂方向

夜半 大久保町に降る雪

飯田拘置所裏から鼎方面

さらに下段に降りて城址を見上げる散歩コース

ガスタンクから羽場坂バイパス方面

 

ところ変わって短大の雪景色 右は看護学科棟

本部前

*

2月初旬の愛宕神社境内

石段を下って

旧酒蔵を見て

王竜寺川に沿って松川方面

夜になっても降りやまず

塀の上の積雪は10cmほど

翌朝は気温も上昇

市街地の道路の雪はすっかり溶けた

こちらは鼎段丘の中段から市街地段丘を望む風景

北斜面のためか 雪の溶けるのは遅い

*

平成26年大雪始末

1週前の30cm近い積雪が ようやく片付いたと思った2月14日 またも予報通り雪降りの朝

5cmほどの積雪で いちおう雪は掻いてはみたが

その後 南岸低気圧は行く手を高気圧に阻まれ北上 しかも速度は遅く 1昼夜にわたる雪降りとなった

120年の観測史上最高となる81cmの積雪

朝まだ降り続いてはいたが 雪かき開始 ともかく歩ける部分をつくった

箕瀬に抜ける小道も 何がなんだか わからない状態 丸く積もったのは市役所公用車の屋根

通勤時間には 周辺各地で大混乱が続き 臨時休業や休館が続出

あちこちで積雪被害 市中アーケードの老朽化した部分では 竪樋兼用の鉄骨支柱が折れて この有様

同じく伝馬町1丁目の東側アーケード ここは屋根の波型鉄板が折れたための応急措置

水の手町の野菜ビニールハウス わかりにくいが 左部分は完全に崩壊し すでに撤去が終わった状態

ただ新しいものにはまるで被害のないハウスも多く 老朽化あるいは材料・構造の進歩が影響したのか

一概にビニールハウスの倒壊という言葉では表せないと感じた

甲府は1m積もったというが もうこんな大雪はたまらん というのが しばらくの挨拶代わり

写真は大雪から3週間 雪捨て場となった中央公園広場の状況

(2014・3・8)

 

紅葉雪景色

平成28年11月24日 思いもかけぬ14cmの積雪 いつも遅い紅葉の愛宕神社境内

清秀桜も真っ白 紅葉と雪景色 考えてみれば こんな風景は滅多に見られない貴重なもの

(2016・12・15)

 

その後 冨島先生はワンパターンの官能小説に邁進したため 読むことはなくなってしまったが

「雪の記憶」は思春期の始まりにブチあたったためか 今でも鮮烈な印象

*

2010・1・29

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