オール読書日記 2004年下半期

 

 

 


12月31日(金) C

「エコツーリズムってなに?」 小林寛子 1900円

河出書房新社。オーストラリアに移住した、元アナ

ウンサーが世界のエコツアーの現状報告だ。その

自からくる、ある種の派手さに 遠慮したい気もし

た。2004年もくれていきます。皆さんよいお年を。


12月30日(木) C

「背信」 ロバート・B・パーカー早川書房1900円

スペンサー・シリーズ第31作目。いつもの登場人

物の絶妙な会話の楽しみ。つまりは 菊池 光の職

人芸の訳。物語は詰め込みすぎでわかりにくし。


12月29日(水) C

「レアモノ大図鑑2巻」 TASCHEN 1250円

しばらくぶりの2巻目。前よりはわかりやすいが

変わらず独り善がりのモノ集め。これらのアイコン

リーズの意図が、今ひとつはっきりしないのだ。


12月28日(火) C

「物流大戦争」 鈴木邦成 かんき出版 1600円

売上高 24兆円の超巨大企業が誕生。郵政民営

で始まる、物流革命。さらに世界企業の物流戦

略はどうなる?地図をみるごとく薄く広い内容だ。


12月27日(月) C

「日本美術図解事典」 東京美術 8000円

絵画・書・彫刻・陶磁・漆工・建築。日本美術の名

を図解。監修は5人の大先生。まあわかりやす

い企画といえるが、中学生向けの様な気がする。


12月26日(日) C

「新 正体不明」 赤瀬川原平 東京書籍 2000円

路上観察学会の成果を集めた写真集・正体不明

から10年、その後世界へ飛び出し今また日本

戻る。いよいよ形而上学的伸展がみられる傾向。


12月25日(土) B

「希望格差社会」 山田昌弘 筑摩書房 1900円

12月19日のちくま新書は薄かったが、今度は渾

身の作。「負け組」の絶望感が日本を引き裂く、の

副題通り、すでに来ている 「その他大勢」 の希望

ない社会。今のところ答は見つかりそうにない。


12月24日(金) C

「こだわる大人の i Pod」日経BP社 933円

今話題のデジタル・オーディオの火付役。ウォー

クマン以来といわれる「i Pod」の使い方あれこれ。

クルマあるいは自宅でのBGMとしてのグッズ他。


12月23日(木) C

「〈装飾〉の美術文明史」 鶴岡真弓 NHK出版

2200円。「デザイン」のヒントがあるかと思ったが

ゴチック以降に終始し期待はずれ。それに専門の

ケルト装飾と日本の装飾を関連させるのは無理。


12月22日(水) C

「洋服の話」 服部 晋 小学館 1800円

広尾の高級注文洋服店の店主による、紳士服談

義。職人でもあり、仕立てにおける技術的な話も。

しかし田舎暮らしにとっては永遠に縁のないこと。


12月21日(火) C

400年の旅しませんか「かぶきロード」 1700円

河竹登志夫 演劇出版社。河竹黙阿弥の孫の、解

説す歌舞伎の歴史。さすが 「一日で読める歌舞

伎の400年」の腰巻き通りの、要領の良さである。


12月20日(月) C

「性愛と資本主義」 大澤真幸 青土社 1900円

1996年初刊。「自者」と「他者」から愛と資本を論

ずる哲学書。最後の再刊での加筆 「サッカーと

本主義」についてはいくらか。あとは皆目雲の中。


12月19日(日) C

「パラサイト社会のゆくえ」 山田昌弘 ちくま新書

680円。パラサイトシングルの名付け親によるそ

の後の展望。いちおう各種データからの実証だが

内容はやや薄い。もっと、深刻な事態のはずだ。


12月18日(土) C

人を生かし地域を活かす 暮らしを変えた道50選

共同通信社 ダイヤモンド社 1600円。道ができて

人々の生活が便利かつ安全に、さらに経済の活性

化と地域交流。こりゃ国土交通省の提灯記事だ。


12月17日(金) C

「落合博満の超野球学A」 2000円

ベースボール・マガジン社。パート2は打者として

相手との実戦的対戦論が主。読み進むうち、技術

論というより対人間学でのアドバイスが巧い感じ。

だとすれば、コーチ・監督には 適任ということだ。


12月16日(木) C

「落合博満の超野球学@」 2000円

ベースボール・マガジン社。「週間ベースボール」

連載本らしいが、「超」と名付けるほどのものか

疑問。バッティング理論内輪話のような感じだ。


12月15日(水) C

日本の名景 「塔」 森田敏隆 光村推古書院

1600円スイコブックス。今回は日本建築の華、木

造塔建築だ。日本各地の三重の塔、五重の塔、多

宝塔が季節の風景の中で、美しく偉容をほこる姿。


12月14日(火) C

「レンヌ =ル=シャトーの謎」 柏書房 4500円

M・ベイジェント R・リー H・リンカン。南仏の財宝

伝説からテンプル騎士団、フリーメーソンへと続く

カルトの潮流。ついには聖杯伝説イエスの子

に至る 西欧版トンデモ本。毎日20頁の518頁。


12月13日(月) C

「花田編集長!質問です。」 花田紀凱 1200円

ユーリード出版。雑誌「編集会議」でのQ&Aコー

ナーから。出版界に生きる、あるいは目指す若者

名物編集長が答える。丁寧な回答で好感す。


12月12日(日) A

「熊野古道巡礼」 吉田智彦 東方出版 2000円

格調の高い まえがきを読んでワクワク。そして期

待通りの内容。世界を放浪し紀州に住みついた昭

和44年 東京生まれ。南紀州新聞の連載だったと

いうが、自然体での感覚にこちらもゾクゾクした。


12月11日(土) C

「50代からの選択」大前研一 集英社 1400円

例によって半分は自慢話だが、年金も退職金も

待できる50代は、早く成仏し趣味に生きろ、と説く。

こっちはその両方ともないがとっくに成仏している。


12月10日(金) B

「まちに森をつくって住む」甲斐徹郎・チームネット

農文協2667円OM出版の「百の知恵双書008」

クーラーなしで都心の夏をすごす。当然、緑に

ることになる。周辺の緑と連続性を保つ街づくりと

住居づくりの具体例だ。環境派のクサさも多少。


12月9日(木) C

「あなたの値段」 当世給料事情 毎日新聞社

1200円。当世給料事情。このデフレ、リストラ

嵐の中での、各業界の給料実態の報告連載。

だただ無感情に読んだ。人の懐に興味はない。


12月8日(水) C

「イルミネーション入門ブック」 学研 1300円

この季節になると 時々見かける電飾ハウス。これ

からやってみたい人のための入門編。一度やると

病みつきになるらしい。まあ、がんばってください。


12月7日(火) C

「タモリのTOKYO坂道美学入門」 講談社

1600円。会員数、2名の日本坂道学会副会長の

都心坂道案内。あわせて編集部によるお立ち

スポットの紹介。地図の方位がまちまち、は困る。


12月6日(月) C

「会社図鑑!地の巻」ダイヤモンド社 1700円

オバタカズユキ・石原壮一郎。延々と業界の内輪

話は続く。それにしても、このお二人さんボキャ

ラリー豊富で飽きさせず。毎年出せるのは強い。


12月5日(日) C

「仕事の逆境指数」 P・G・ストルツ バジリコ(株)

1800円。IQ、EQでもなくAQ。突然の逆境に、い

冷静に対処することができるか。感情のコント

ロールと、前向きな姿勢を実現するための方法論

わかるけど無駄話が多すぎるのだ。2/3は不要。


12月4日(土) C

「会社図鑑!天の巻」ダイヤモンド社 1700円

オバタカズユキ・石原壮一郎。「大学図鑑」につづ

もう何年出しているのか。今回真面目に読んだ。

まあつまりは 大企業ならどこでもいいということ。


12月3日(金) C

「世界の木工文化図鑑」 ブライアン・センテンス

東洋書林15000円。「世界のかご文化図鑑」と同

著者。だが「かご」に較べ今ひとつピンと来ない。

肝心の図版説明だが、今回も同様に要領が悪い。


12月2日(木) B

「食材料理百科事典」講談社 3200円

野菜・果物・魚・肉から調味料まで、世界の全ての

食材を カラー写真で見せる事典。これはわかりや

すい、全416ページだ。大変、勉強になりました。


12月1日(水) B

「装幀列伝」 臼田捷治 平凡社新書 820円

雑誌「デザイン」元編集長による人物中心の日本

装幀デザイン史。「デザインの現場」掲載もの、新

書にはもったいない。図版を多用した 秘蔵本で。



11月30日(火) C

「『リフォーム』が危ない!」西野 一・安田啓一

1500円エクスナレッジ。住宅が危ないシリーズ、

今回はリフォームとはいいながら塗装塗替えが主

で塗装屋が解説する。多少は勉強になりました。


11月29日(月) D

「東海 美術館・博物館ベストガイド」アミューズ著

メイツ出版 1500円。愛知・岐阜・三重・静岡 4県

ミュージアム案内。公立から、私設収集品

の様なものまで。あえて行きたい所は少ない。


11月28日(日) C

「小笠原ハンドブック」 南方新社 1500円

ダニエル・ロング 稲葉 慎 編著で123頁。海洋セ

ンターの学者・NPO総動員の歴史・文化・生物の

概要。ロング氏の「小笠原ことば」解説が楽しい。


11月27日(土) C

「巨額を稼ぎ出すハローキティの生態」1800円

K・ベルソン+B・ブレムナー 東洋経済新報社。世

界中で売れまくる、サンリオのキャラクターの現況

面図。カワイイを合い言葉にした資本主義の最

先端としての、現状認識。日本人には書けない。


11月26日(金) D

「感動力」 平野秀典 ゴマ・ブックス 1500円

人をして感動させる力。自称・感動プロデューサー

の俳優上り。いかに自分が感動し ひとに伝えて

くか。聴衆をして、3回泣かせるという講演屋さん。


11月25日(木) B

「品質を守る木造住宅のつくり方」 力石眞一

井上書院 3500円。2000年の初版から第6刷目

という教科書。午後半日勉強してしまった。多少気

になる点はあるが施工例の写真も的確で参考に。


11月24日(水) C

「江戸時代の好奇心」 飯田美術博物館

「信州飯田・市岡家の本草学と多彩な教養」 が副

題の企画展出版。旗本千村氏の飯田役人、市岡

氏。明治2年飯田を離れ、残された各種資料の論

考・解説。うちの先祖のヒントがあるかと思ったが


11月23日(火) C

「みんなが幸せになる家を建てよう!」山田浩司

(株)すばる社1400円。資格スクール代表による

体験的住宅本。素人ながら ほぼ満足する内容の

入門書。しかしちょっと 能天気すぎる感じもする。


11月22日(月) C

「実践!ワイン講座」斉藤信次・由香 1900円

生活情報センター。ワインスクール校長夫妻の

チャー。世界の産地を、仏から新世界まで詳細

説明。やはり食する料理が問題。縁のない話。


11月21日(日) C

「エデンの森かげ」 森本二太郎 1800円

日本キリスト教団出版局。キリスト教関係の月刊

「こころの友」 への連載物。長野県在住の写真家

の自然礼賛エッセイ集。写真はかなり良い感じ。


11月20日(土) D

「パワーストーンBOOK」 マダム・マーシ1300円

主婦の友社。幸運と癒しをもたらす神秘の石たち。

活用法を、最初に述べてくれないと 困る。それにし

信ずるものは救われる、ということなのだろう。


11月19日(金) C

「本を読まないとバカになる。なぜか。」池ノ上直隆

(株)日新報道1300円。読書が脳の力を鍛えるの

だ。ボケ防止のためにも、また子供の教育としても

書の習慣をつけるのだ。意外と しっかりした本。


11月18日(木) C

「日本の甲冑・武具」棟方武城 東京美術2000円

さすが「すぐわかる」シリーズ 総アート紙カラー版

で理解が早い。監修は著者の師匠・笹間良彦先生

御大自らの手描きイラストを、あちこちに見うけた。


11月17日(水) C

「島 日本編」長嶋俊介 講談社 1900円

鹿児島大教授長嶋さんと齋藤潤・仲田成徳・河

真智子の島好き4人の共同執筆。横長製本

入れたっぷりの全国島案内。I ターンも多いとか。


11月16日(火) C

「ごみ問題100の知識」左巻健男・金谷 健 編著

東京書籍 1600円。Q&Aで100問の入門編だ。

しかし考えれば考えるほど、難しい問題だ。やはり

き方を変えるしか、解決方法はないのであろう。


11月15日(月) B

「紙芝居昭和史」 加太こうじ 岩波現代文庫

1200円。1971年刊行の文庫化。紙芝居界の中

心人物の描く盛衰記は白黒映画を見るごとき面白

さ。これは関った人々、時代への鎮魂歌でもある。


11月14日(日) C

「恥をかかない和食の作法」 市田ひろみ1200円

家の光協会。新刊なのに、けっこう読まれた形跡。

この他、マナーに関する著書も人気があるようだ。

今回、とくにお茶席でのふるまいは参考になった。


11月13日(土) D

必携「スポーツ用語辞典」 小倉伸一 笠倉出版社

1905円。新書判の239頁でこの値段は高い。し

かも内容にしても、新たに知ることはあまりなかっ

た。もう少し別の編集方法があるのではないか。


11月12日(金) C

「住宅読本」 中村好文 新潮社 2800円

芸術新潮の特集に加筆。木の住まい設計の第一

人者による、写真・スケッチの豊富な美しい本。生

活スタイルも含め、宮脇檀さんの後継の印象だ


11月11日(木) C

「強育論」 宮本哲也 1400円

株)ディスカヴァー・トゥエンティワン。有名中学へ

受験教室を主宰。実績をもとに、算数での考え

力を重視する教育論。共感できる部分はある。


11月10日(水) C

「SPEED」 石丸元章 文春文庫 581円

1996年発行本の文庫本化。さすがに、すでに第

3刷。取材目的からドラッグへのめり込んだジャ

キー日記。急性分裂症と、拘置所でのあとがき。


11月9日(火) C

「地下室だい好き」東方洋雄 創拓社出版1800円

プレハブ地下室の第一人者は先輩、2度ほお会

いしている。様々な施工事例の紹介。タイムカプ

として、恩師小原先生の卒寿記念に提案する

結局記念文集に決定、その知らせが本日届いた。


11月8日(月) D

「神社とともに」 三好 誠 慧文社 1200円

やはりこの爺様も、最初のうちはまともだったが

だんだんと怪しく。神社あるいは神道を論ずれば

自然とそうなるのか。大和民族論に、閉口する。


11月7日(日) B

世界の美術「ロマン主義」D・B・ブラウン岩波書店

4800円。「ロマン主義」も知らず長く読めそうとい

で借りた447頁。「自由」を知り「自然」

史」を発見した 18世紀から19世にかけての

想像力を 豊富な図版で味わうことができた。


11月6日(土) C

「かけがいのないもの」養老孟司 白日社 700円

講演話をまとめたもので、どうも違和感。なんとな

わかるが 今ひとつ響かない。かけがえのないも

とは自然、生物、個人そのものということかな。


11月5日(金) C

「1週間 自分リセット計画」 ダーリン・シーア

PHP 1100円。原題は 「EVERYDAY CALM」

つも平静な心で、とでも訳すか。米のリラクゼー

ションコンサルタントで 東洋的なヒーリングが主。


11月4日(木) D

「あなたの住宅も狙われている」 中木村真宏

文芸社1200円。治安の悪化とともに、防犯が住

宅における大きな問題となってきた。できるだけ本

にも眼をとおすが、これはちょっとレベルが低い。


11月3日(水) C

「骨董屋の非賣品」 勝見充男 晶文社 1900円

キザ一歩手前の上手い文章は、骨董雑誌「遊行」

の連載もの。代々木上原に、店を構えているという

が、好き者の心情を吐露していて退屈しなかった。


11月2日(火) C

トコトンやさしい「光の本」 谷腰欣司1400円

日刊工業新聞社。B&Tブックス 今日からモノ知

りシリーズ。今度は光りに関する、工学ブック。そ

半分がレーザー光について。ちょっと 不消化。


11月1日(月) C

「花火の本」 冴木一馬 淡交社 1500円

青年会長として、祭礼の打上げ花火を決めたが、

今 ひとつ。 メリハリがなかった。そこで、来年を目

指して研究。今度は大丈夫。この本は、花火専門

の写真家撮影でタイミングのいい綺麗な写真集。



10月31日(日) C

「知識ゼロからの ビール(入門)」 藤原ヒロユキ

幻冬舎1200円。ビール好きなイラストレーター。

ついに嵩じて ビアテイスター他、専門家の資格を

得。得意の図解による、各種ビールの蘊蓄だ。


10月30日(土) C

「マルティーヌのおもちゃインテリア」 アスコム

マルティーヌ・カミリエリ 1700円。フランスのコー

ディネーターが、今度は使わなくなったオモチャを

用いてのインテリア飾り。プラスチックの多彩さ。


10月29日(金) C

「マルティーヌのテーブルコーディネイト」アスコム

マルティーヌ・カミリエリ 1700円。チープシックの

パーティ飾りを伝授するは仏のコーディネーター。

日本じゃ店舗のインテリアに重宝するかもしれぬ。


10月28日(木) C

「究極のお箸」 高橋隆太 三省堂 1700円

銀座の箸専門店「銀座夏野」の店主、弱冠31歳。

宋朝体活字を多用した美しい本だが、周囲の余

マージンが足りない印象。塗りよりも唐木が好み。


10月27日(水) C

「電脳血風録」 勝谷誠彦 日経BP社 1500円

「日経パソコン」への連載もの。パソコンとの悪戦

苦闘の2年半を赤裸々に。はいいがどうでもいい

ことばかり。でもまあ多少共感するところはある。


10月26日(火) C

「軽井沢のほん」 星野和彦 信濃毎日新聞社

1700円。著者は軽井沢在住の演出家らしいが

星野温泉グループと関係があるのかは不明。個

人的な思い入れの強い、軽井沢案内書である。


10月25日(月) C

「世界の明日が決する日」カレル・V・ウォルフレン

角川書店1400円。11月の米大統領選、ブッシュ

ケリーか。右派とリベラルの戦いを、後者に肩入

れする。ただ大多数の無知な国民に悲観的思考。


10月24日(日) C

「ファッション新語辞典」 邑 游作 繊研新聞社

3000円。期待せず読み始めてみたが、これが意

外と面白い。ファッション自体、社会の中で大きな

位置、そんな社会用語もあって知ることが多い。


10月23日(土) C

「縞事典」 外山美艸 源流社 3400円

副題に「日本の縞名百相」。小千谷の織物問屋で

41年、個人的な 縞に関する思い入れをまとめ

もの。写真も前半1/4だけで、素人には難解。


10月22日(金) C

「図説 東京流行生活」 新田太郎 他1600円

河出書房新社ふくろうの本シリーズ。江戸東京博

物館の企画で 筆者は学芸員3名。明治以降の東

京市民生活考。とくに大正末期から、昭和の初め

アールデコ調の銘仙ブームの成立に興味もつ。


10月21日(木) C

トコトンやさしい「変速機の本」 坂本 卓 1400円

日刊工業新聞社。B&Tブックス 今日からモノ知

りシリーズ。機械屋さんの本は、やさしいとはいっ

ても、なかなか難しいのだがこれは解りやすい。


10月20日(水) E

「アガスティアの予言 未来編」 小宮光二 星雲社

1400円。インドの創生主からの予言を預かるとい

い、SAICHOの生まれ変わりと称する教祖。読後

巻末を見れば、1年ほど前に世間を騒がせた男。


10月19日(火) C

「天竜川の橋」 三ツ橋冬生 飯田共同印刷(株)

1200円。1918年生の小学校を退職した先生が

俳句と写真で、諏訪湖の釜口水門から、遠州灘ま

で天竜川の全ての橋を巡る。全64頁 自家出版。


10月18日(月) C

「流れのふしぎ」日本機械学会 編 講談社860円

ブルーバックスB−1452。小学校高学年から

生向けの各種実験をとおしての、流体力学のお

話だ。身近な例をもとに物体の流れを説明する。


10月17日(日) D

「たけしの落書き入門」 ビートたけし 新潮社

1200円。もとは 「芸術新潮」に掲載されたものだ

というが、まさにヘタウマ以前。一定の評価があっ

からこそ本にするのか。しかし、私は認めない。


10月16日(土) C

「播磨屋 画がたり」 中村吉右衛門 毎日新聞社

1800円。サンデー毎日連載。絵はさして上手くは

ないけれど、文章が意外と癒し系。自転車をこぎ

がらではなく、ソファに寝転がっての1時間でした。


10月15日(金) C

「東京古本とコーヒー巡り」 交通新聞社 1429円

大人の自由時間 散歩の達人ブックス。古本屋巡

りというスノブな趣味にカフェをプラス。凝った編集

で読むのに疲れ。好きにやって下さいという感じ。


10月14日(木) C

「島の名前」 中村庸夫 東京書籍 2500円

海の写真家が案内する世界の島々。だから半分

以上が青い色。地図がないので世界地図帳を見

ながら。網羅というわけではなく、リゾート中心。


10月13日(水) D

「加速成功」 道幸武久 サンマーク出版 1600円

大学を出て9年目にして、年収数千万というコンサ

タントの成功物語。内容はよくあるパターンだが

皆が勝ち組になれるわけじゃないのは当たり前。


10月12日(火) C

「定本 風の盆 おわら案内記」 成瀬昌示・編

言叢社2000円。富山市郊外八尾町で9月の1日

から3日までの踊り。街の成り立ち、踊りあるいは

詩の変遷など。目下もっとも行ってみたいところ。


10月11日(月) C

「ちりめん飾り 季節のおもちゃ箱」 くら田たまえ

文化出版局1500円。紙粘土を使っての小物細

工。ちりめんを被せた季節の飾りもの。和ブーム

なかで自分でつくろう という優雅な奥様向け。


10月10日(日) B

「個性はどう育つか」 菅原ますみ 大修館書店

1700円。お茶の水大助教授による、発達心理学

研究。性格がどの段階でどこから影響を受け、決

定されていくのか。被験者群の追跡という、縦断調

から、最後には夫婦間の愛情問題にまで至る。


10月9日(土) D

「奇跡の日」 渡邊延朗 ジュピター出版 1300円

人類、地球そしてフォトン・ベルト。いわゆる「トンデ

も本」も、読むことにしている。2012年12月22日

世界が大転回する、という一種の終末思想だ。


10月8日(金) C

「石仏探訪必携ハンドブック」日本石仏協会

青娥書房1000円。まあなんというか、不思議な

本。わずか127頁の石仏、石碑の鑑賞手引だ。

形態解説、年号、度量衡、梵字・異体字なども。


10月7日(木) C

「国鉄機関車事典」 いのうえ・こーいち 山海堂

1600円。蒸気・電気・ディーゼル機関車66形式

紹介。模型の発売状況までも。なかでも、電気

関車では、しばしば飯田線が登場して嬉しい。


10月6日(水) D

「みっともない日本のバカたち」 川原崎剛雄

廣済堂出版1600円。年代的に全共闘くずれの

予備校講師。今もって反体制は立派だが、他人

への下劣な攻撃は、みっともないバカを証明す。


10月5日(火) C

「これで差がつくオートキャンプのワザ110」

ライフプランニング JTB1200円。いたれり、つく

せりで文句はないけんどよう、あまりにもキャンプ

が、快適になり過ぎたんじゃあ ありませんかい。


10月4日(月) C

「世にもマニアな世界旅行」 山口由美 新潮社

1300円。辺境好きな、箱根生まれの旅行作家。

母親も旅行作家だというKOガール。だからどこと

なくハイブロウ。ところどころに、スノブな雰囲気。


10月3日(日) C

「納豆万歳」 永山久夫 一二三書房 1400円

1932年生まれの食文化研究家。マンガ風イラス

トは、たしかに上手。ただ内容が少ないから、どう

してもクドくなる。おそらくシャベリは、うまそうだ。


10月2日(土) B

「図説 日本の軍事遺跡」 飯田則夫 1600円

河出書房新社ふくろうの本シリーズ。いわば負の

遺産として、全国各地に眠る旧日本軍遺跡。そ

は「廃墟」以上に重く迫ってくるものがあるのだ。


10月1日(金) C

「降臨の群れ」 船戸与一 集英社 1900円

久しぶりの船戸小説。ストーリーテリィングの巧さ

は認める、後味は今回も良くない。あのデビュー

「山猫の夏」の一種の爽やかさを懐かしく思う。



9月30日(木) C

「木材・樹木用語辞典」井上書院 3200円

木材・樹木用語研究会。樹木や木材、さらに林

で。木材の価値が再評価されているが、使われ

方の多様化に、知識が追いついていけない状況。


9月29日(水) C

「大人の青春18きっぷ のんびり旅行術」1300円

松尾定行 河出書房新社。上記切符を様々な制約

中で、いかに得する旅行にするか、1949年生ま

れの専門家。ある程度マニアでないと恩恵はなし。


9月28日(火) C

「山の世界」自然・文化・暮らし3000円岩波書店

梅棹忠夫・山本紀夫 編。中高年の登山ブームに

対し若者の減少に危機感。前半・自然科学、後半

社会科学のフィールドワークの学者を総動員。狙

いはわかるが、今ひとつ満腹感を感じなかった。


9月27日(月) C

「昭和夏休み大全」 市橋芳則 河出書房新社

1400円。名古屋近郊の師勝町歴史民族資料館

昭和30年代の資料から。今のところ、昔を懐かし

習慣なく ああそうだったな、という程度の感想。


9月26日(日) C

「DIY工具 50の極意」 西野広章 山海堂

1600円。写真・イラスト主体でわかりやすい入門

書。木材での釘よりもネジ使用は現場でも圧倒的

電動工具あるいは替刃式の工具についても詳説。


9月25日(土) B

「カワイく着こなすアジアの民族衣装」 森 明美

河出書房新社 1400円。人気の着物に対抗して

チャイナドレス・アオザイ・チマ チョゴリ・サリー他

タイ・ラオス・ミャンマー・マレーシア・インドネシア

の民族衣装の着方・求め方。これは楽しい企画。


9月24日(金) C

「網状言論 F改」 東 浩紀 青土社 1400円

ネット上から発展したオタクに関する論議。東ほか

永山薫、齋藤環、伊藤剛、竹熊健太郎、小谷真理

の六人。最後まで読んだ自分を誉めてあげたい。


9月23日(木) C

「大問題!」 東京理科大学・編 ぺんぎん書房

950円。理科大各分野の先生が 科学の疑問に

答える形式。数学・物理・化学・生物・工学と各分

野の伝統を誇る、まさに理科大でできる企画だ。


9月22日(水) C

「明府真影流 手裏剣術のススメ」 大塚保之

BABジャパン1800円。20年ほど前 やはり図書

で手にとった「手裏剣術入門」、著者・染谷親俊

生は 平成11年逝去されたが、その弟子による

現代手裏剣術の解説。内容は大きくは変わらず。


9月21日(火) C

宮本常一の写真に読む「失われた昭和」 平凡社

佐野眞一1600円。全国を歩いた民俗学者・宮本

常一の遺した 数千の写真の中から、高度成長期

前の日本人の生活を、思い入れたっぷりに懐古。


9月20日(月) D

面白いほどよくわかる「神道のすべて」菅田正昭

日本文芸社 1300円。前半は、まだまともなのだ

、後半に入るととたんに怪しげな方向に進み

した。神道に関する自説の展開には、辟易の巻。


9月19日(日) C

「ふるさと信州 心の原風景」坂口清一 2800円

信濃毎日新聞社。1935年生まれの地元写真家。

正直あまり感動しなかった。原因はレイアウトにあ

るのではないか。作品点数も多すぎるような感じ。


9月18日(土) C

「さしがねの基本と実技」 本間正直 井上書院

2700円。初版1978年大工実技の教科書。後半

の指金を使っての墨付けの難しさには追従不能。

これを軽々と使う 大工はエラい。最近はプレカット

称して機械が行う傾向。技術の伝承に 赤信号。


9月17日(金) C

「問題の酒 本物の酒」 大嶋幸治 双葉社

1500円。酒屋が語る辛口業界論。日本酒・焼酎・

ビー・ウィスキーまで、酒造界の実態。それはい

いが、最後の酒屋出店自由化反対はいけません。


9月16日(木) C

「よくばり京あそび」 ぴあ(株) 1500円

女優・内山理名の案内する神社・食事・甘味・宿。

近頃の俳優の名は覚えられなく、区別もつかない

が、古い町屋を使った店構えはさすが京都だわ。


9月15日(水) B

「地下鉄の歴史」 佐藤信之 グランプリ出版

2200円。首都圏・中部圏・近畿圏 地下鉄史。マ

向けというより交通論の教科書。経済社会の

遷の中で、計画の変更の連続を、淡々と記述。

そこにかかわった人の労力を想い、圧倒された。


9月14日(火) C

「邦楽器づくりの匠たち」楽器の匠編集委員会

(株)ヤマハ ミュージックメディア 1800円。太鼓

笛、三味線、筝、尺八。若手の演奏家とその演奏

楽器の製作者を、対比させてのルポルタージュ


9月13日(月) C

「『におい』と『香り』の正体」 外崎肇一 700円

青春出版社。日本における嗅覚器官研究の第一

人者があかす嗅覚研究の最前線、と威勢はいい

が、まだまだ未解明な部分が多いというお話し。


9月12日(日) C

「晴れた日は巨大仏を見に」 宮田珠己 白水社

1600円。あのジェットコースター評論家が、全国

巨大仏を訪ねる。安吾や加藤典洋の「風景論」

もに著者のいう「マヌ景」分析。今後に期待。


9月11日(土) C

「まちで雇用をふやす」 有働正治 自治体研究社

1200円。前半、福祉で雇用を増やした全国の自

治体例。自治体全体のバランスシートはどこにも

ない。後半は政策論だが、これも共産党・元参議

院議員としての絵空事でしかない。10分で終了。


9月10日(金) C

「なぜ、母親は息子を『ダメ男』にしてしまうのか」

岩月謙司 講談社α新書 876円。 「マザコン」を

MC(ドメスティック・マインド・コントロール)とい

念から論ずるが、一面的過ぎ賛成しかねる。


9月9日(木) C

「ジェムストーン百科全書」 八川シズエ 2800円

中央アート出版社。3年前の「パワーストーン百科

全書」に続く。パワーストーンといえば、ちょっと怪

いが、これは科学的。正体不明な鉱物研究家。


9月8日(水) B

「名古屋・岐阜と中山道」 松田之利・編 2500円

街道の日本史29 吉川弘文館。 「義富屋仙吉」

代々名乗った元結問屋がウチの先祖。当然、岐阜

係ありそう。読み進むうち、ルーツへの興味増

大。美濃紙との結び付きが、鍵となりそうな気が。


9月7日(火) C

「男のボディケア」 池田書店 1000円

イイオトコ研究会。肌・髪・体のメンテBOOK。さら

ダイエット・エクササイズ、おしゃれ、マナーまで

伝授してくれるのだ。ハンディタイプの有り難い本。


9月6日(月) D

「暖かな家づくり」 三島俊介 1260円

ハウジングエージェンシー。家づくり本は、必ず眼

通すが、これほどの宣伝本も珍しい。長野

外断熱住宅会社。デザインにまでは至らず。


9月5日(日) C

「これぞ世界遺産BEST99」 今 公三 1600円

ダイヤモンド社。「地球の歩き方」が旅行会社社長

を迎えての、世界遺産の案内。写真も著者撮影。

政治の匂いのまったくしない、能天気さも当然か。


9月4日(土) C

「体脂肪」 湯浅景元 山海堂 1600円

1995年初版の改訂版。身体における、脂肪の役

割、肥満について述べるが、今や TVの健康番

ほうが詳しく、目新しい点は少ない。拾い読み。


9月3日(金) C

「桃太郎の運命」 鳥越 信 ミネルヴァ書房

2200円。絵本研究の大家による、明治以降現代

までの、桃太郎譚の変遷と社会状況との関係論。

1983年刊の改訂版。なんといっても 書名秀逸。


9月2日(木) C

「日本の大自然をあるく」 るるぶ社 1500円

大人の遠足BOOKシリーズ。北海道から西表島

まで、貴重な自然を味わうガイドブック。現地の案

内所やツアーが充実していることに、驚きを持つ。


9月1日(水) C

「世界無形文化遺産ガイド」 2100円

シンクタンクせとうち総合研究機構。ユネスコ世界

遺産に対し、文化空間・伝統的知識・口承による伝

統・芸能・伝統音楽・儀式および祭礼を登録。なぜ

地方出版社の発行?監修の古田陽久が広島出。



8月31日(火) C

「新・歩いて見よう東京」 五百沢智也 780円

岩波ジュニア新書。国土地理院OBの東京地理案

内。これを片手に歩けば面白そう。読み終わり、

えれば、著者の苗字も、東京に相応しい気もする。


8月30日(月) C

「わが家ではじめる太陽光発電」合同出版

太陽光発電所ネットワーク(PV−Net)1600円。

会員から18の設置例と、実態報告。3階の仕事部

は屋根裏で、蒸し風呂状態。発電パネルを設置

すれば断熱に効果的なことはわかっているが。


8月29日(日) C

「とっさの謝罪・言い訳マニュアル」 中経出版

1300円 社員教育研究会「謝罪のしかた」分科会

月曜から日曜まで、社内・社外での出来事を想

要領のいい対処を見せてくれるが、後半失速す。


8月28日(土) D

「東海発バ カルト紀行」大竹敏之1400円風媒社

名古屋の 月刊誌「東海じゃらん」連載もの。中部

地方の怪しげなスポットの訪ね歩る記。各見開き

ページはマンガ。「話のタネ」に、というところ。


8月27日(金) B

「図解 中国の地域性がわかる本」産学社1600円

日中交流・中国地域性研究チーム編。あれだけの

広さと歴史を持つ国。そこで日本の県民性のような

もの。上海・北京・広東・東北の四大地域とその他

四川・山東・陝西・湖南、各地方の地域性の研究。


8月26日(木) D

「できる男の顔になるフェイス・ビルダー」PHP

キャロル・マッジオ1150円。ついに顔の筋肉を

える時代になったのだ。人生を変えるフェイシャル

筋トレだとさ。わからんでもないが、内容は薄い。


8月25日(水) C

「解剖!歩く ASIMO」 技術評論社 1580円

なんとなくカワイイ、ホンダの2足走行ロボット。そ

歩行システムの発想と仕組みの素人向け解説

書。愛敬のある歩き姿。大きさデザインともに良。


8月24日(火) B

「善光寺道を歩く」 傳田重義 東峰書房 2800円

中山道塩尻・洗馬宿から別れ長野・善光寺まで

参詣道を辿る、長野市在住の歴史好き。石碑、石

仏、建造物も明記。旧道ではあるが、位置関係も

あるていどイメージできるので、実際歩いた気分。


8月23日(月) C

「1人暮らしの防犯マニュアル」 PHP研究所

生活安全向上委員会1250円。都会・田舎を問わ

ず、ブッそうな 世の中になったものだ。おちおち寝

てもいられない。これは図解中心、初歩的レベル。


8月22日(日) C

「カメラ常識のウソ・マコト」 千葉憲昭 講談社

ブルーバックス940円。写真は、ほぼデジカメに移

行。それに詳しい著者による、銀塩写真との違いや

ら、ジカメ技術論。またも写真とは何かを考える。


8月21日(土) C

「日本伝統の町」 河合 敦・監修 東京書籍

1800円。全国の、重要伝統的建造物群保存地区

62ヶ所を、すべて網羅したガイドブック。集落・宿

港町・洋館群・商家町・産業町・社家町・茶屋町・

前町・寺内町・武家町・城下町。行ってみたくなる。


8月20日(金) C

「子供を就職させる本」小島貴子・東海左由留

メディアファクトリー1200円。「親が読む子供のた

めの就職ガイダンス」ついにこんな本が出るように

なってしまった。まあ、しかし身につまされる思い。


8月19日(木) C

「ごみを燃やす社会」山本節子2400円築地書院

ごみの焼却処理の危険性を追求 それはわかる。

ではどうやって個別処理をしていくか、だ。数字で

示せないから発言が政治的に傾いてしまう。なん

か実現可能なモデルを、提示してほしいもの。


8月18日(水) B

「メディア文化論」 吉見俊哉 有斐閣 1800円

メディア論教科書を意図。前半はやや難解。後半

のメディア史、現在社会がいかにして各メディ

より形作られて来たかを、実感させてくれる内容。


8月17日(火) C

「信越線の名列車」 イカロス出版 1714円

アプト式で有名な、急勾配の碓氷峠を越えるため

特別車輌が投入された信越線。ダイヤ図や時

刻表並び、マニア以外はついていけない感じ。


8月16日(月) C

「味のなんでも小事典」日本味と匂学会・編

講談社1040円。ブルーバックス。50人の研究者

身近な味、匂に関しての質問に答える形式。

んな疑問に回答するが、要領良すぎるきらい。


8月15日(日) C

「新きらめき鉱物・化石ガイド 愛知県版」横山良哲

風媒社1700円。相変わらず自然体の横山先生、

良哲和尚。読むほどに のんびりした気分なれる

鉱物、化石の採集記。2000年刊の増補改訂版。


8月14日(土) C

「御土産大全」 春夏秋冬叢書 3150円

いわゆる三遠南信、三河・遠江・南信濃の名産品

訪ね、今度も精力的取材の郷土出版社。ハード

バーでなく、ムック本の体裁が相応しいのでは。


8月13日(金) C

「大江戸復元図鑑〈武士編〉」 笹間良彦 遊子館

6800円。物知りの笹間御大、今回は御自身によ

る絵付き事典。それなりに雰囲気のある人物画

あるものの、いつもの格調に欠ける気がする。


8月12日(木) C

「萬田久子の感じる着物」 講談社 1800円

ファッション誌 「グラツィア」連載もの。1958年生

れ ミス・ユニバース日本代表が売り。粋な着物

姿のコーディネイトを披露。感想はありませんな。


8月11日(水) C

「全国まんがMAP」今 秀生 音楽出版社1429円

CDジャーナルムックと銘打つ。前半、全国のまん

が美術館。今や街おこし格好のネタ。後半は

店案テーマパークなど。おそれいりましたワ。


8月10日(火) B

「ザ・カジノ 完全ガイドブック」 黒野十一 新潮社

1400円。時事通信、女子大教授を経た物書きだ

完全を豪語するだけに、その歴史・仕組みな

網羅。スピード感あふるる文体。最大の必勝法は

出さないこと、と言いつつ楽しみかたを伝授。


8月9日(月) C

「書家101」石川九楊・加藤堆繁 新書館1900円

歴代の書家 中国50人日本50人の簡単な伝記と

書の「そんなに言っていいのかよ」と思うほどの大

胆な考察に、おどろき。ちょっと専門的すぎるか。


8月8日(日) C

「図説 日本合戦武具事典」 笹間良彦 柏書房

3800円。日本古来の武具、陣営具、馬について

事典。読むのに時間がかかるか、と思ったけど

文をすっとばして、意外に早く終了。感想なし。


8月7日(土) B

「美術館商売」 安村敏信 勉誠出版 1000円

板橋区立美術館の学芸員による美術館運営の新

機軸の試み。書名の通り、お高くとまらない 「皆ん

なの美術館」をどう実現するか。渋いが読み応え。


8月6日(金) C

「発酵は力なり」 小泉武夫 NHKライブラリー

830円。NHK人間講座テキストから 世界食文化

探訪。チーズ、ヨーグルト、パン、漬物、麹、魚醤、

酒、発酵茶、発酵豆腐など。最後に日本の食糧自

率の危機的状況と、食文化の退廃を嘆くのだ。


8月5日(木) C

「人間はどこまで動物か」 日高敏隆 新潮社

1300円。好評の前作「春の数え方」につづく新潮

PR誌「波」の連載からの エッセイ集。動物学の

大御所の、自然をみつめる眼は、今回もやさしい。


8月4日(水) B

「国道一五一号。一五一話。」内藤昌康3000円

春夏秋冬叢書。南信州・飯田から奥三河を越え、

・豊橋まで140km、国道だけでなく、旧道ま

で探索。歴史文化の宝庫の丹念な取材に好感。


8月3日(火) C

「樹から生まれる家具」奥村昭雄 農文協2667円

OM出版の「百の知恵双書007」。 芸大名誉教授

奥村さんの家具制作論。いかに木の特長を生かす

か。しかし椅子の補強斜材は私の好みではない。


8月2日(月) A

「頂上の彼方へ」 トッド・スキナー NHK出版

1800円。今や全米の企業から講演依頼のロック

クライマー。カラコラムの巨大岩峰トランゴ・タワー

の登頂をとおしての人生戦略哲学。たしかに読む

ごとに、未来への希望と勇気が湧いてくるのだ。


8月1日(日) C

「裏のハローワーク」草下シンヤ 彩図社1200円

都市伝説となったマグロ船やクスリ治験や原発作

業員などから、裏社会に半分足をつっこんだヤバ

い商売まで20稼業。こりゃ取材も命懸けだわサ。



7月31日(土) C

「『終の住みか』のつくり方」高見澤たか子 晶文社

1700円。高齢化社会をテーマとするライターの、

自宅改築の一部始終。設計者・建築業者・棟梁に

大団円。最後に高齢者の住宅政策に苦言。


7月30日(金) C

「オールド・ノリタケ アールデコ・ボーンチャイナ」

木村一彦・葵 航太郎 トンボ出版2800円。明治中

期から昭和30年代にかけて生産された工芸陶器。

アールデコ・デザインものを集めた誌上美術館だ。


7月29日(木) C

「修理 仏像からパイプオルガンまで」 足立紀尚

ポプラ社1500円。雑誌「モノ・マガジン」連載加筆

それぞれの分野の修理職人の世界探訪、その

れた手業報告。愛着のあるものを、永く使う哲学。


7月28日(水) C

「新版 広告キャラクター大博物館」日本文芸社

1200円。 1994年刊の同名書の新版。何気なく

接している 広告キャラクターの蘊蓄などの物知り

本。あの原照久氏のコレクションも 多数登場。


7月27日(火) C

「人格障害」 定塚 甫 三一書房 1600円

ビンラディンや宅間某は、生まれながらにして人格

障害である、と力説する精神科医である。が今ひと

つ論旨が明解でなく、ゆえにクドくなる傾向。だから

著者本人のアヤしさ、危うさをも感じてしまうのだ。


7月26日(月) C

「大衆演劇作法」 ぴあ伝統芸能入門シリーズ

1500円。歌舞伎、狂言、落語に続くシリーズ。常

設劇場案内から、代表的な演目内容、関東・関西

九州の、劇団の座長・スター紹介のハンドブック。


7月25日(日) C

「おしゃべりな人が得をする」R・ステンゲル

新潮社 2000円。おべっか・お世辞の人間学と

した米のベストセラー。エジプト時代から現代まで

社会心理学、あるいは行動心理学。博識なんだ

けど柔らかいのか、堅いのかよくわからない印象。


7月24日(土) C

「中高年の安全登山入門」小野寺 斉・西内 博

岩波アクティブ新書 740円。近頃の山の遭難の

大部分を占める中高年のための安全指南。歳と

ともに山に登りたい気分が高まってきたこの頃。


7月23日(金) C

「天然にがりがすごく効く!」 永岡書店 680円

関 太輔 東畑朝子・監修。健康食品の売場で話題

のにがり水。ミネラル豊富でダイエット・美肌、高血

圧、糖尿病に効くらしい。注目はアレルギー予防。


7月22日(木) C

「スローライフ、スローフード」 大谷ゆみこ・編

メタ・ブレーン1800円。アサヒビール主催の食文

講座の記録。「食」から考える明日のライフスタ

イルの副題にふさわしい、多方面なゲストの講演

対談。こりゃそうとうのプロデューサーだわね。


7月21日(水) D

「惰眠を貪る国へ」石原慎太郎 産経新聞社

1429円。同新聞社の雑誌「正論」の連載物。うち

は、左寄り長野県紙・信濃毎日と右寄り全国紙・

産経を読み比べているのでこの程度では驚かず。


7月20日(火) D

「素と形」 松本市美術館 (株)ラトルズ 2286円

同館の企画展内容。日用品の美を、建築家・中

文、デザイナー・山口信博、古道店主の坂田

が選ぶ。だが 柳宗悦の民藝と何変わらず。

からの80年をどう考えるのか。不満タラタラ。


7月19日(月) C

「男のふだん着物」 鴨志田直樹 河出書房新社

1400円。若い女性のふだん着物に対抗、

半分以上を、和装で通すという舞台演出家。

呉服ではなく、また多様な着方に 好感を覚えた。


7月18日(日) D

「なぜ、買ってしまうのか。」幻冬社文庫 648円

インターナショナル・ワークス編。ダントツ・ヒット商

品の共通点、と副題があるが、単なるベストセラー

商品の成り立ちを記録した、物知り本に過ぎない。


7月17日(土) C

「名水・わき水ガイド 甲信越・静岡版」1286円

リベラル社。ハンディタイプの案内書。近くの観光

名所も併記。静岡水窪町、長野との県境近くの足

神神社に名水あり。そこの宮司は中学の同級生。


7月16日(金) B

「戸隠の鬼たち」 国分義司 信濃毎日新聞社

1400円。戸隠の山荘と名古屋を往復する1937

生の独文学者。戸隠の伝説を読み解く。しっか

りと裏をとり、また洒脱な人柄がうかがえる内容。


7月15日(木) C

「粉の本」 山本英夫・伊ヶ崎文和・山田昌治

日刊工業新聞社1400円。今日からモノ知り・トコ

ンやさしい、B&ブックス。今回は粉体工学、現

代技術の進歩を垣間みせる。わかり易い解説だ。


7月14日(水) C

「坂の上の雲の真実」 菊田愼典 光人社 1800円

司馬遼太郎「坂の上の雲」での海軍参謀秋山真之

神話を突き崩す、元防衛研究所職員。帝国海軍の

創設から 壊滅までを論ずる、戦史は理解が難し。


7月13日(火) C

「楽器づくりの匠たち」楽器の匠編集委員会

(株)ヤマハミュージックメディア 1800円。パイプ

オルガン、チェンバロ、 ヴィオラ・ダ・ガンバの楽器

職人。まさに古楽器の如く、スローな編集は辛い。


7月12日(月) C

「大きな暮らしができる小さな家」オーエス出版

1800円。吉村順三直系の建築家・永田昌民の

品を住宅ジャーナリスト・杉本 薫が礼賛する。ウェ

グナー椅子のインテリアは美しく現代住宅の手本。


7月11日(日) C

「私の選んだ一品」 GD新書 800円

日本産業デザイン振興会・編 グッドデザイン賞審

委員コメント集B、好評のシリーズ第3弾。審査

するデザイナーの個性が伺えて、楽しい読み物。


7月10日(土) C

「現代仕事人列伝」 飯田辰彦 河出書房新社

1800円。神の手がものを言う、の副題で職人達

手業を伝える。ちょっと凝ったその選択で 京文

化についても深い造詣を披露、教養を誇るのだ。


7月9日(金) D

「不思議と説得力のある『セールストーク』の秘密

朝倉千恵子 こう書房 1400円。人材教育会社の

セールスレディの営業の秘訣集。最後まで読んで

この会社の「宣伝本」にすぎないことがわかった。


7月8日(木) C

「狙撃者」 柘植久慶 角川春樹事務所 800円

家族の復讐を遂げ国外逃亡した男がサミッ

アルカイダの狙撃を阻止。設定にリアリティ

なスゴイのが一人でもいれば、世界は安泰だが。


7月7日(水) C

「屋根」伊藤ていじ・高井 潔 淡交社 2800円

1982年の豪家本の普及版。写真家・高井が全国

の屋根の造形を美しく再現。建築史の伊藤先生は

存命だったっけ。そこらは、はっきりしてほしい。


7月6日(火) C

「桂東雑記U」 白川 静 平凡社 1800円

桂離宮の傍らに、御歳93を迎えた文字学者の講

演、対談など。素養があればこその内容だ。ただ

字の渡来の年代の推測は 素人にも楽しめた。


7月5日(月) C

「月曜日、駅のホームで会社に行きたくなくなった

とき読む本」 菅野泰蔵 講談社 1300円。臨床心

理士が自身のうつ体験を交え、日本独特のうつ事

情にせまる。原因として上司との関係からが多く、

家族の優しさが回復には必要という常識的結論。


7月4日(日) D

「カルロス・ゴーンへの警鐘」小川フミオ 1600円

TBSブリタニカ。書名とは異なり内容は多分に

情的な日産クルマ論。したがって論理は不明解。

自動車評論家という肩書きの胡散臭さを感じた。


7月3日(土) C

「知っているようで知らない ものの数え方」

小松睦子 幻冬社コミックス1000円。形が変わる

と同時に数え方も変わる、日本語の面白さ。イラス

トもとぼけた味があって、楽しい読みものとなった。


7月2日(金) B

「マネー・ボール」 マイケル・ルイス 1600円

ランダムハウス講談社。大リーグにまったく新しい

野球を持ち込んだ、ビリー・ビーンというアスレチッ

クスGMの美学をクールに描く。米における野球

いう物の存在の大きさ。野球小説の如き 面白さ。


7月1日(木) C

「中山道 風の旅」テレビ埼玉・群馬テレビ1700円

さきたま出版会。共同制作番組から軽井沢−馬籠

編。信濃路15宿、木曽路11宿と古道巡り。手書き

地図の方位の不統一、と歴史的認識に疑問点。


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