オール読書日記 2004年下半期
12月31日(金) C
「エコツーリズムってなに?」 小林寛子 1900円
河出書房新社。オーストラリアに移住した、元アナ
ウンサーが世界のエコツアーの現状報告だ。その
出自からくる、ある種の派手さに 遠慮したい気もし
た。2004年もくれていきます。皆さんよいお年を。
12月30日(木) C
「背信」 ロバート・B・パーカー早川書房1900円
スペンサー・シリーズ第31作目。いつもの登場人
物の絶妙な会話の楽しみ。つまりは 菊池 光の職
人芸の訳。物語は詰め込みすぎでわかりにくし。
12月29日(水) C
「レアモノ大図鑑2巻」 TASCHEN 1250円
しばらくぶりの2巻目。前よりはわかりやすいが相
変わらず独り善がりのモノ集め。これらのアイコン
シリーズの意図が、今ひとつはっきりしないのだ。
12月28日(火) C
「物流大戦争」 鈴木邦成 かんき出版 1600円
売上高 24兆円の超巨大企業が誕生。郵政民営
化で始まる、物流革命。さらに世界企業の物流戦
略はどうなる?地図をみるごとく薄く広い内容だ。
12月27日(月) C
「日本美術図解事典」 東京美術 8000円
絵画・書・彫刻・陶磁・漆工・建築。日本美術の名
品を図解。監修は5人の大先生。まあわかりやす
い企画といえるが、中学生向けの様な気がする。
12月26日(日) C
「新 正体不明」 赤瀬川原平 東京書籍 2000円
路上観察学会の成果を集めた写真集・正体不明
から10年、その後世界へ飛び出し今また日本に
戻る。いよいよ形而上学的伸展がみられる傾向。
12月25日(土) B
「希望格差社会」 山田昌弘 筑摩書房 1900円
12月19日のちくま新書は薄かったが、今度は渾
身の作。「負け組」の絶望感が日本を引き裂く、の
副題通り、すでに来ている 「その他大勢」 の希望
のない社会。今のところ答は見つかりそうにない。
12月24日(金) C
「こだわる大人の i Pod」日経BP社 933円
今話題のデジタル・オーディオの火付役。ウォー
クマン以来といわれる「i Pod」の使い方あれこれ。
クルマあるいは自宅でのBGMとしてのグッズ他。
12月23日(木) C
「〈装飾〉の美術文明史」 鶴岡真弓 NHK出版
2200円。「デザイン」のヒントがあるかと思ったが
ゴチック以降に終始し期待はずれ。それに専門の
ケルト装飾と日本の装飾を関連させるのは無理。
12月22日(水) C
「洋服の話」 服部 晋 小学館 1800円
広尾の高級注文洋服店の店主による、紳士服談
義。職人でもあり、仕立てにおける技術的な話も。
しかし田舎暮らしにとっては永遠に縁のないこと。
12月21日(火) C
400年の旅しませんか「かぶきロード」 1700円
河竹登志夫 演劇出版社。河竹黙阿弥の孫の、解
説する歌舞伎の歴史。さすが 「一日で読める歌舞
伎の400年」の腰巻き通りの、要領の良さである。
12月20日(月) C
「性愛と資本主義」 大澤真幸 青土社 1900円
1996年初刊。「自者」と「他者」から愛と資本を論
ずる哲学書。最後の再刊での加筆 「サッカーと資
本主義」についてはいくらか。あとは皆目雲の中。
12月19日(日) C
「パラサイト社会のゆくえ」 山田昌弘 ちくま新書
680円。パラサイトシングルの名付け親によるそ
の後の展望。いちおう各種データからの実証だが
内容はやや薄い。もっと、深刻な事態のはずだ。
12月18日(土) C
人を生かし地域を活かす 暮らしを変えた道50選
共同通信社 ダイヤモンド社 1600円。道ができて
人々の生活が便利かつ安全に、さらに経済の活性
化と地域交流。こりゃ国土交通省の提灯記事だ。
12月17日(金) C
「落合博満の超野球学A」 2000円
ベースボール・マガジン社。パート2は打者として
相手との実戦的対戦論が主。読み進むうち、技術
論というより対人間学でのアドバイスが巧い感じ。
だとすれば、コーチ・監督には 適任ということだ。
12月16日(木) C
「落合博満の超野球学@」 2000円
ベースボール・マガジン社。「週間ベースボール」
の連載本らしいが、「超」と名付けるほどのものか
は疑問。バッティング理論内輪話のような感じだ。
12月15日(水) C
日本の名景 「塔」 森田敏隆 光村推古書院
1600円スイコブックス。今回は日本建築の華、木
造塔建築だ。日本各地の三重の塔、五重の塔、多
宝塔が季節の風景の中で、美しく偉容をほこる姿。
12月14日(火) C
「レンヌ =ル=シャトーの謎」 柏書房 4500円
M・ベイジェント R・リー H・リンカン。南仏の財宝
伝説からテンプル騎士団、フリーメーソンへと続く
オカルトの潮流。ついには聖杯伝説イエスの子孫
に至る 西欧版トンデモ本。毎日20頁の518頁。
12月13日(月) C
「花田編集長!質問です。」 花田紀凱 1200円
ユーリード出版。雑誌「編集会議」でのQ&Aコー
ナーから。出版界に生きる、あるいは目指す若者
に名物編集長が答える。丁寧な回答で好感す。
12月12日(日) A
「熊野古道巡礼」 吉田智彦 東方出版 2000円
格調の高い まえがきを読んでワクワク。そして期
待通りの内容。世界を放浪し紀州に住みついた昭
和44年 東京生まれ。南紀州新聞の連載だったと
いうが、自然体での感覚にこちらもゾクゾクした。
12月11日(土) C
「50代からの選択」大前研一 集英社 1400円
例によって半分は自慢話だが、年金も退職金も期
待できる50代は、早く成仏し趣味に生きろ、と説く。
こっちはその両方ともないがとっくに成仏している。
12月10日(金) B
「まちに森をつくって住む」甲斐徹郎・チームネット
農文協2667円OM出版の「百の知恵双書008」
クーラーなしで都心の夏をすごす。当然、緑に頼
ることになる。周辺の緑と連続性を保つ街づくりと
住居づくりの具体例だ。環境派のクサさも多少。
12月9日(木) C
「あなたの値段」 当世給料事情 毎日新聞社
1200円。当世給料事情。このデフレ、リストラの
嵐の中での、各業界の給料実態の報告連載。た
だただ無感情に読んだ。人の懐に興味はない。
12月8日(水) C
「イルミネーション入門ブック」 学研 1300円
この季節になると 時々見かける電飾ハウス。これ
からやってみたい人のための入門編。一度やると
病みつきになるらしい。まあ、がんばってください。
12月7日(火) C
「タモリのTOKYO坂道美学入門」 講談社
1600円。会員数、2名の日本坂道学会副会長の
都心坂道案内。あわせて編集部によるお立ち寄り
スポットの紹介。地図の方位がまちまち、は困る。
12月6日(月) C
「会社図鑑!地の巻」ダイヤモンド社 1700円
オバタカズユキ・石原壮一郎。延々と業界の内輪
話は続く。それにしても、このお二人さんボキャブ
ラリー豊富で飽きさせず。毎年出せるのは強い。
12月5日(日) C
「仕事の逆境指数」 P・G・ストルツ バジリコ(株)
1800円。IQ、EQでもなくAQ。突然の逆境に、い
かに冷静に対処することができるか。感情のコント
ロールと、前向きな姿勢を実現するための方法論
わかるけど無駄話が多すぎるのだ。2/3は不要。
12月4日(土) C
「会社図鑑!天の巻」ダイヤモンド社 1700円
オバタカズユキ・石原壮一郎。「大学図鑑」につづ
きもう何年出しているのか。今回真面目に読んだ。
まあつまりは 大企業ならどこでもいいということ。
12月3日(金) C
「世界の木工文化図鑑」 ブライアン・センテンス
東洋書林15000円。「世界のかご文化図鑑」と同
じ著者。だが「かご」に較べ今ひとつピンと来ない。
肝心の図版説明だが、今回も同様に要領が悪い。
12月2日(木) B
「食材料理百科事典」講談社 3200円
野菜・果物・魚・肉から調味料まで、世界の全ての
食材を カラー写真で見せる事典。これはわかりや
すい、全416ページだ。大変、勉強になりました。
12月1日(水) B
「装幀列伝」 臼田捷治 平凡社新書 820円
雑誌「デザイン」元編集長による人物中心の日本
装幀デザイン史。「デザインの現場」掲載もの、新
書にはもったいない。図版を多用した 秘蔵本で。
11月30日(火) C
「『リフォーム』が危ない!」西野 一・安田啓一
1500円エクスナレッジ。住宅が危ないシリーズ、
今回はリフォームとはいいながら塗装塗替えが主
で塗装屋が解説する。多少は勉強になりました。
11月29日(月) D
「東海 美術館・博物館ベストガイド」アミューズ著
メイツ出版 1500円。愛知・岐阜・三重・静岡 4県
のミュージアム案内。公立から、私設収集品収蔵
庫の様なものまで。あえて行きたい所は少ない。
11月28日(日) C
「小笠原ハンドブック」 南方新社 1500円
ダニエル・ロング 稲葉 慎 編著で123頁。海洋セ
ンターの学者・NPO総動員の歴史・文化・生物の
概要。ロング氏の「小笠原ことば」解説が楽しい。
11月27日(土) C
「巨額を稼ぎ出すハローキティの生態」1800円
K・ベルソン+B・ブレムナー 東洋経済新報社。世
界中で売れまくる、サンリオのキャラクターの現況
平面図。カワイイを合い言葉にした資本主義の最
先端としての、現状認識。日本人には書けない。
11月26日(金) D
「感動力」 平野秀典 ゴマ・ブックス 1500円
人をして感動させる力。自称・感動プロデューサー
の俳優上り。いかに自分が感動し ひとに伝えてい
くか。聴衆をして、3回泣かせるという講演屋さん。
11月25日(木) B
「品質を守る木造住宅のつくり方」 力石眞一
井上書院 3500円。2000年の初版から第6刷目
という教科書。午後半日勉強してしまった。多少気
になる点はあるが施工例の写真も的確で参考に。
11月24日(水) C
「江戸時代の好奇心」 飯田美術博物館
「信州飯田・市岡家の本草学と多彩な教養」 が副
題の企画展出版。旗本千村氏の飯田役人、市岡
氏。明治2年飯田を離れ、残された各種資料の論
考・解説。うちの先祖のヒントがあるかと思ったが。
11月23日(火) C
「みんなが幸せになる家を建てよう!」山田浩司
(株)すばる社1400円。資格スクール代表による
体験的住宅本。素人ながら ほぼ満足する内容の
入門書。しかしちょっと 能天気すぎる感じもする。
11月22日(月) C
「実践!ワイン講座」斉藤信次・由香 1900円
生活情報センター。ワインスクール校長夫妻のレ
クチャー。世界の産地を、仏から新世界まで詳細
に説明。やはり食する料理が問題。縁のない話。
11月21日(日) C
「エデンの森かげ」 森本二太郎 1800円
日本キリスト教団出版局。キリスト教関係の月刊
「こころの友」 への連載物。長野県在住の写真家
の自然礼賛エッセイ集。写真はかなり良い感じ。
11月20日(土) D
「パワーストーンBOOK」 マダム・マーシ1300円
主婦の友社。幸運と癒しをもたらす神秘の石たち。
活用法を、最初に述べてくれないと 困る。それにし
ても信ずるものは救われる、ということなのだろう。
11月19日(金) C
「本を読まないとバカになる。なぜか。」池ノ上直隆
(株)日新報道1300円。読書が脳の力を鍛えるの
だ。ボケ防止のためにも、また子供の教育としても
読書の習慣をつけるのだ。意外と しっかりした本。
11月18日(木) C
「日本の甲冑・武具」棟方武城 東京美術2000円
さすが「すぐわかる」シリーズ 総アート紙カラー版
で理解が早い。監修は著者の師匠・笹間良彦先生
御大自らの手描きイラストを、あちこちに見うけた。
11月17日(水) C
「島 日本編」長嶋俊介 講談社 1900円
鹿児島大教授長嶋さんと齋藤潤・仲田成徳・河田
真智子の島好き4人の共同執筆。横長製本 思い
入れたっぷりの全国島案内。I ターンも多いとか。
11月16日(火) C
「ごみ問題100の知識」左巻健男・金谷 健 編著
東京書籍 1600円。Q&Aで100問の入門編だ。
しかし考えれば考えるほど、難しい問題だ。やはり
生き方を変えるしか、解決方法はないのであろう。
11月15日(月) B
「紙芝居昭和史」 加太こうじ 岩波現代文庫
1200円。1971年刊行の文庫化。紙芝居界の中
心人物の描く盛衰記は白黒映画を見るごとき面白
さ。これは関った人々、時代への鎮魂歌でもある。
11月14日(日) C
「恥をかかない和食の作法」 市田ひろみ1200円
家の光協会。新刊なのに、けっこう読まれた形跡。
この他、マナーに関する著書も人気があるようだ。
今回、とくにお茶席でのふるまいは参考になった。
11月13日(土) D
必携「スポーツ用語辞典」 小倉伸一 笠倉出版社
1905円。新書判の239頁でこの値段は高い。し
かも内容にしても、新たに知ることはあまりなかっ
た。もう少し別の編集方法があるのではないか。
11月12日(金) C
「住宅読本」 中村好文 新潮社 2800円
芸術新潮の特集に加筆。木の住まい設計の第一
人者による、写真・スケッチの豊富な美しい本。生
活スタイルも含め、宮脇檀さんの後継の印象だ。
11月11日(木) C
「強育論」 宮本哲也 1400円
株)ディスカヴァー・トゥエンティワン。有名中学へ
の受験教室を主宰。実績をもとに、算数での考え
る力を重視する教育論。共感できる部分はある。
11月10日(水) C
「SPEED」 石丸元章 文春文庫 581円
1996年発行本の文庫本化。さすがに、すでに第
3刷。取材目的からドラッグへのめり込んだジャン
キー日記。急性分裂症と、拘置所でのあとがき。
11月9日(火) C
「地下室だい好き」東方洋雄 創拓社出版1800円
プレハブ地下室の第一人者は先輩、2度ほどお会
いしている。様々な施工事例の紹介。タイムカプセ
ルとして、恩師小原先生の卒寿記念に提案するも
結局記念文集に決定、その知らせが本日届いた。
11月8日(月) D
「神社とともに」 三好 誠 慧文社 1200円
やはりこの爺様も、最初のうちはまともだったが
だんだんと怪しく。神社あるいは神道を論ずれば
自然とそうなるのか。大和民族論に、閉口する。
11月7日(日) B
世界の美術「ロマン主義」D・B・ブラウン岩波書店
4800円。「ロマン主義」も知らず長く読めそうとい
うだけで借りた447頁。「自由」を知り「自然」と「歴
史」を発見した 18世紀から19世紀にかけての社
会の想像力を 豊富な図版で味わうことができた。
11月6日(土) C
「かけがいのないもの」養老孟司 白日社 700円
講演話をまとめたもので、どうも違和感。なんとな
くわかるが 今ひとつ響かない。かけがえのないも
のとは自然、生物、個人そのものということかな。
11月5日(金) C
「1週間 自分リセット計画」 ダーリン・シーア
PHP 1100円。原題は 「EVERYDAY CALM」
いつも平静な心で、とでも訳すか。米のリラクゼー
ションコンサルタントで 東洋的なヒーリングが主。
11月4日(木) D
「あなたの住宅も狙われている」 中木村真宏
文芸社1200円。治安の悪化とともに、防犯が住
宅における大きな問題となってきた。できるだけ本
にも眼をとおすが、これはちょっとレベルが低い。
11月3日(水) C
「骨董屋の非賣品」 勝見充男 晶文社 1900円
キザ一歩手前の上手い文章は、骨董雑誌「遊行」
の連載もの。代々木上原に、店を構えているという
が、好き者の心情を吐露していて退屈しなかった。
11月2日(火) C
トコトンやさしい「光の本」 谷腰欣司1400円
日刊工業新聞社。B&Tブックス 今日からモノ知
りシリーズ。今度は光りに関する、工学ブック。そ
の半分がレーザー光について。ちょっと 不消化。
11月1日(月) C
「花火の本」 冴木一馬 淡交社 1500円
青年会長として、祭礼の打上げ花火を決めたが、
今 ひとつ。 メリハリがなかった。そこで、来年を目
指して研究。今度は大丈夫。この本は、花火専門
の写真家撮影でタイミングのいい綺麗な写真集。
10月31日(日) C
「知識ゼロからの ビール(入門)」 藤原ヒロユキ
幻冬舎1200円。ビール好きなイラストレーター。
ついに嵩じて ビアテイスター他、専門家の資格を
取得。得意の図解による、各種ビールの蘊蓄だ。
10月30日(土) C
「マルティーヌのおもちゃインテリア」 アスコム
マルティーヌ・カミリエリ 1700円。フランスのコー
ディネーターが、今度は使わなくなったオモチャを
用いてのインテリア飾り。プラスチックの多彩さ。
10月29日(金) C
「マルティーヌのテーブルコーディネイト」アスコム
マルティーヌ・カミリエリ 1700円。チープシックの
パーティ飾りを伝授するは仏のコーディネーター。
日本じゃ店舗のインテリアに重宝するかもしれぬ。
10月28日(木) C
「究極のお箸」 高橋隆太 三省堂 1700円
銀座の箸専門店「銀座夏野」の店主、弱冠31歳。
宋朝体活字を多用した美しい本だが、周囲の余白
マージンが足りない印象。塗りよりも唐木が好み。
10月27日(水) C
「電脳血風録」 勝谷誠彦 日経BP社 1500円
「日経パソコン」への連載もの。パソコンとの悪戦
苦闘の2年半を赤裸々に。はいいがどうでもいい
ことばかり。でもまあ多少共感するところはある。
10月26日(火) C
「軽井沢のほん」 星野和彦 信濃毎日新聞社
1700円。著者は軽井沢在住の演出家らしいが
星野温泉グループと関係があるのかは不明。個
人的な思い入れの強い、軽井沢案内書である。
10月25日(月) C
「世界の明日が決する日」カレル・V・ウォルフレン
角川書店1400円。11月の米大統領選、ブッシュ
かケリーか。右派とリベラルの戦いを、後者に肩入
れする。ただ大多数の無知な国民に悲観的思考。
10月24日(日) C
「ファッション新語辞典」 邑 游作 繊研新聞社
3000円。期待せず読み始めてみたが、これが意
外と面白い。ファッション自体、社会の中で大きな
位置、そんな社会用語もあって知ることが多い。
10月23日(土) C
「縞事典」 外山美艸 源流社 3400円
副題に「日本の縞名百相」。小千谷の織物問屋で
の41年、個人的な 縞に関する思い入れをまとめ
たもの。写真も前半1/4だけで、素人には難解。
10月22日(金) C
「図説 東京流行生活」 新田太郎 他1600円
河出書房新社ふくろうの本シリーズ。江戸東京博
物館の企画で 筆者は学芸員3名。明治以降の東
京市民生活考。とくに大正末期から、昭和の初め
アールデコ調の銘仙ブームの成立に興味もつ。
10月21日(木) C
トコトンやさしい「変速機の本」 坂本 卓 1400円
日刊工業新聞社。B&Tブックス 今日からモノ知
りシリーズ。機械屋さんの本は、やさしいとはいっ
ても、なかなか難しいのだがこれは解りやすい。
10月20日(水) E
「アガスティアの予言 未来編」 小宮光二 星雲社
1400円。インドの創生主からの予言を預かるとい
い、SAICHOの生まれ変わりと称する教祖。読後
巻末を見れば、1年ほど前に世間を騒がせた男。
10月19日(火) C
「天竜川の橋」 三ツ橋冬生 飯田共同印刷(株)
1200円。1918年生の小学校を退職した先生が
俳句と写真で、諏訪湖の釜口水門から、遠州灘ま
で天竜川の全ての橋を巡る。全64頁 自家出版。
10月18日(月) C
「流れのふしぎ」日本機械学会 編 講談社860円
ブルーバックスB−1452。小学校高学年から中
学生向けの各種実験をとおしての、流体力学のお
話だ。身近な例をもとに物体の流れを説明する。
10月17日(日) D
「たけしの落書き入門」 ビートたけし 新潮社
1200円。もとは 「芸術新潮」に掲載されたものだ
というが、まさにヘタウマ以前。一定の評価があっ
たからこそ本にするのか。しかし、私は認めない。
10月16日(土) C
「播磨屋 画がたり」 中村吉右衛門 毎日新聞社
1800円。サンデー毎日連載。絵はさして上手くは
ないけれど、文章が意外と癒し系。自転車をこぎな
がらではなく、ソファに寝転がっての1時間でした。
10月15日(金) C
「東京古本とコーヒー巡り」 交通新聞社 1429円
大人の自由時間 散歩の達人ブックス。古本屋巡
りというスノブな趣味にカフェをプラス。凝った編集
で読むのに疲れ。好きにやって下さいという感じ。
10月14日(木) C
「島の名前」 中村庸夫 東京書籍 2500円
海の写真家が案内する世界の島々。だから半分
以上が青い色。地図がないので世界地図帳を見
ながら。網羅というわけではなく、リゾート中心。
10月13日(水) D
「加速成功」 道幸武久 サンマーク出版 1600円
大学を出て9年目にして、年収数千万というコンサ
ルタントの成功物語。内容はよくあるパターンだが
皆が勝ち組になれるわけじゃないのは当たり前。
10月12日(火) C
「定本 風の盆 おわら案内記」 成瀬昌示・編
言叢社2000円。富山市郊外八尾町で9月の1日
から3日までの踊り。街の成り立ち、踊りあるいは
詩の変遷など。目下もっとも行ってみたいところ。
10月11日(月) C
「ちりめん飾り 季節のおもちゃ箱」 くら田たまえ
文化出版局1500円。紙粘土を使っての小物細
工。ちりめんを被せた季節の飾りもの。和ブーム
のなかで自分でつくろう という優雅な奥様向け。
10月10日(日) B
「個性はどう育つか」 菅原ますみ 大修館書店
1700円。お茶の水大助教授による、発達心理学
研究。性格がどの段階でどこから影響を受け、決
定されていくのか。被験者群の追跡という、縦断調
査から、最後には夫婦間の愛情問題にまで至る。
10月9日(土) D
「奇跡の日」 渡邊延朗 ジュピター出版 1300円
人類、地球そしてフォトン・ベルト。いわゆる「トンデ
も本」も、読むことにしている。2012年12月22日
に世界が大転回する、という一種の終末思想だ。
10月8日(金) C
「石仏探訪必携ハンドブック」日本石仏協会
青娥書房1000円。まあなんというか、不思議な
本。わずか127頁の石仏、石碑の鑑賞手引だ。
形態解説、年号、度量衡、梵字・異体字なども。
10月7日(木) C
「国鉄機関車事典」 いのうえ・こーいち 山海堂
1600円。蒸気・電気・ディーゼル機関車66形式
の紹介。模型の発売状況までも。なかでも、電気
機関車では、しばしば飯田線が登場して嬉しい。
10月6日(水) D
「みっともない日本のバカたち」 川原崎剛雄
廣済堂出版1600円。年代的に全共闘くずれの
予備校講師。今もって反体制は立派だが、他人
への下劣な攻撃は、みっともないバカを証明す。
10月5日(火) C
「これで差がつくオートキャンプのワザ110」
ライフプランニング JTB1200円。いたれり、つく
せりで文句はないけんどよう、あまりにもキャンプ
が、快適になり過ぎたんじゃあ ありませんかい。
10月4日(月) C
「世にもマニアな世界旅行」 山口由美 新潮社
1300円。辺境好きな、箱根生まれの旅行作家。
母親も旅行作家だというKOガール。だからどこと
なくハイブロウ。ところどころに、スノブな雰囲気。
10月3日(日) C
「納豆万歳」 永山久夫 一二三書房 1400円
1932年生まれの食文化研究家。マンガ風イラス
トは、たしかに上手。ただ内容が少ないから、どう
してもクドくなる。おそらくシャベリは、うまそうだ。
10月2日(土) B
「図説 日本の軍事遺跡」 飯田則夫 1600円
河出書房新社ふくろうの本シリーズ。いわば負の
遺産として、全国各地に眠る旧日本軍遺跡。それ
は「廃墟」以上に重く迫ってくるものがあるのだ。
10月1日(金) C
「降臨の群れ」 船戸与一 集英社 1900円
久しぶりの船戸小説。ストーリーテリィングの巧さ
は認めるも、後味は今回も良くない。あのデビュー
作 「山猫の夏」の一種の爽やかさを懐かしく思う。
9月30日(木) C
「木材・樹木用語辞典」井上書院 3200円
木材・樹木用語研究会。樹木や木材、さらに林業
まで。木材の価値が再評価されているが、使われ
方の多様化に、知識が追いついていけない状況。
9月29日(水) C
「大人の青春18きっぷ のんびり旅行術」1300円
松尾定行 河出書房新社。上記切符を様々な制約
の中で、いかに得する旅行にするか、1949年生ま
れの専門家。ある程度マニアでないと恩恵はなし。
9月28日(火) C
「山の世界」自然・文化・暮らし3000円岩波書店
梅棹忠夫・山本紀夫 編。中高年の登山ブームに
対し若者の減少に危機感。前半・自然科学、後半
社会科学のフィールドワークの学者を総動員。狙
いはわかるが、今ひとつ満腹感を感じなかった。
9月27日(月) C
「昭和夏休み大全」 市橋芳則 河出書房新社
1400円。名古屋近郊の師勝町歴史民族資料館
昭和30年代の資料から。今のところ、昔を懐かし
む習慣なく ああそうだったな、という程度の感想。
9月26日(日) C
「DIY工具 50の極意」 西野広章 山海堂
1600円。写真・イラスト主体でわかりやすい入門
書。木材での釘よりもネジ使用は現場でも圧倒的
電動工具あるいは替刃式の工具についても詳説。
9月25日(土) B
「カワイく着こなすアジアの民族衣装」 森 明美
河出書房新社 1400円。人気の着物に対抗して
チャイナドレス・アオザイ・チマ チョゴリ・サリー他
タイ・ラオス・ミャンマー・マレーシア・インドネシア
の民族衣装の着方・求め方。これは楽しい企画。
9月24日(金) C
「網状言論 F改」 東 浩紀 青土社 1400円
ネット上から発展したオタクに関する論議。東ほか
永山薫、齋藤環、伊藤剛、竹熊健太郎、小谷真理
の六人。最後まで読んだ自分を誉めてあげたい。
9月23日(木) C
「大問題!」 東京理科大学・編 ぺんぎん書房
950円。理科大各分野の先生が 科学の疑問に
答える形式。数学・物理・化学・生物・工学と各分
野の伝統を誇る、まさに理科大でできる企画だ。
9月22日(水) C
「明府真影流 手裏剣術のススメ」 大塚保之
BABジャパン1800円。20年ほど前 やはり図書
館で手にとった「手裏剣術入門」、著者・染谷親俊
先生は 平成11年逝去されたが、その弟子による
現代手裏剣術の解説。内容は大きくは変わらず。
9月21日(火) C
宮本常一の写真に読む「失われた昭和」 平凡社
佐野眞一1600円。全国を歩いた民俗学者・宮本
常一の遺した 数千の写真の中から、高度成長期
前の日本人の生活を、思い入れたっぷりに懐古。
9月20日(月) D
面白いほどよくわかる「神道のすべて」菅田正昭
日本文芸社 1300円。前半は、まだまともなのだ
が、後半に入るととたんに怪しげな方向に進み出
した。神道に関する自説の展開には、辟易の巻。
9月19日(日) C
「ふるさと信州 心の原風景」坂口清一 2800円
信濃毎日新聞社。1935年生まれの地元写真家。
正直あまり感動しなかった。原因はレイアウトにあ
るのではないか。作品点数も多すぎるような感じ。
9月18日(土) C
「さしがねの基本と実技」 本間正直 井上書院
2700円。初版1978年大工実技の教科書。後半
の指金を使っての墨付けの難しさには追従不能。
これを軽々と使う 大工はエラい。最近はプレカット
と称して機械が行う傾向。技術の伝承に 赤信号。
9月17日(金) C
「問題の酒 本物の酒」 大嶋幸治 双葉社
1500円。酒屋が語る辛口業界論。日本酒・焼酎・
ビール・ウィスキーまで、酒造界の実態。それはい
いが、最後の酒屋出店自由化反対はいけません。
9月16日(木) C
「よくばり京あそび」 ぴあ(株) 1500円
女優・内山理名の案内する神社・食事・甘味・宿。
近頃の俳優の名は覚えられなく、区別もつかない
が、古い町屋を使った店構えはさすが京都だわ。
9月15日(水) B
「地下鉄の歴史」 佐藤信之 グランプリ出版
2200円。首都圏・中部圏・近畿圏 地下鉄史。マ
ニア向けというより交通論の教科書。経済社会の
変遷の中で、計画の変更の連続を、淡々と記述。
そこにかかわった人の労力を想い、圧倒された。
9月14日(火) C
「邦楽器づくりの匠たち」楽器の匠編集委員会
(株)ヤマハ ミュージックメディア 1800円。太鼓
笛、三味線、筝、尺八。若手の演奏家とその演奏
楽器の製作者を、対比させてのルポルタージュ。
9月13日(月) C
「『におい』と『香り』の正体」 外崎肇一 700円
青春出版社。日本における嗅覚器官研究の第一
人者があかす嗅覚研究の最前線、と威勢はいい
が、まだまだ未解明な部分が多いというお話し。
9月12日(日) C
「晴れた日は巨大仏を見に」 宮田珠己 白水社
1600円。あのジェットコースター評論家が、全国
の巨大仏を訪ねる。安吾や加藤典洋の「風景論」
とともに著者のいう「マヌ景」分析。今後に期待。
9月11日(土) C
「まちで雇用をふやす」 有働正治 自治体研究社
1200円。前半、福祉で雇用を増やした全国の自
治体例。自治体全体のバランスシートはどこにも
ない。後半は政策論だが、これも共産党・元参議
院議員としての絵空事でしかない。10分で終了。
9月10日(金) C
「なぜ、母親は息子を『ダメ男』にしてしまうのか」
岩月謙司 講談社α新書 876円。 「マザコン」を
DMC(ドメスティック・マインド・コントロール)とい
う概念から論ずるが、一面的過ぎ賛成しかねる。
9月9日(木) C
「ジェムストーン百科全書」 八川シズエ 2800円
中央アート出版社。3年前の「パワーストーン百科
全書」に続く。パワーストーンといえば、ちょっと怪
しいが、これは科学的。正体不明な鉱物研究家。
9月8日(水) B
「名古屋・岐阜と中山道」 松田之利・編 2500円
街道の日本史29 吉川弘文館。 「義富屋仙吉」を
代々名乗った元結問屋がウチの先祖。当然、岐阜
と関係ありそう。読み進むうち、ルーツへの興味増
大。美濃紙との結び付きが、鍵となりそうな気が。
9月7日(火) C
「男のボディケア」 池田書店 1000円
イイオトコ研究会。肌・髪・体のメンテBOOK。さら
にダイエット・エクササイズ、おしゃれ、マナーまで
伝授してくれるのだ。ハンディタイプの有り難い本。
9月6日(月) D
「暖かな家づくり」 三島俊介 1260円
ハウジングエージェンシー。家づくり本は、必ず眼
を通すが、これほどの宣伝本も珍しい。長野県北
部の外断熱住宅会社。デザインにまでは至らず。
9月5日(日) C
「これぞ世界遺産BEST99」 今 公三 1600円
ダイヤモンド社。「地球の歩き方」が旅行会社社長
を迎えての、世界遺産の案内。写真も著者撮影。
政治の匂いのまったくしない、能天気さも当然か。
9月4日(土) C
「体脂肪」 湯浅景元 山海堂 1600円
1995年初版の改訂版。身体における、脂肪の役
割、肥満について述べるが、今や TVの健康番組
のほうが詳しく、目新しい点は少ない。拾い読み。
9月3日(金) C
「桃太郎の運命」 鳥越 信 ミネルヴァ書房
2200円。絵本研究の大家による、明治以降現代
までの、桃太郎譚の変遷と社会状況との関係論。
1983年刊の改訂版。なんといっても 書名秀逸。
9月2日(木) C
「日本の大自然をあるく」 るるぶ社 1500円
大人の遠足BOOKシリーズ。北海道から西表島
まで、貴重な自然を味わうガイドブック。現地の案
内所やツアーが充実していることに、驚きを持つ。
9月1日(水) C
「世界無形文化遺産ガイド」 2100円
シンクタンクせとうち総合研究機構。ユネスコ世界
遺産に対し、文化空間・伝統的知識・口承による伝
統・芸能・伝統音楽・儀式および祭礼を登録。なぜ
地方出版社の発行?監修の古田陽久が広島出。
8月31日(火) C
「新・歩いて見よう東京」 五百沢智也 780円
岩波ジュニア新書。国土地理院OBの東京地理案
内。これを片手に歩けば面白そう。読み終わり、考
えれば、著者の苗字も、東京に相応しい気もする。
8月30日(月) C
「わが家ではじめる太陽光発電」合同出版
太陽光発電所ネットワーク(PV−Net)1600円。
会員から18の設置例と、実態報告。3階の仕事部
屋は屋根裏で、蒸し風呂状態。発電パネルを設置
すれば、断熱に効果的なことはわかっているが。
8月29日(日) C
「とっさの謝罪・言い訳マニュアル」 中経出版
1300円 社員教育研究会「謝罪のしかた」分科会
月曜から日曜まで、社内・社外での出来事を想定
要領のいい対処を見せてくれるが、後半失速す。
8月28日(土) D
「東海発バ カルト紀行」大竹敏之1400円風媒社
名古屋の 月刊誌「東海じゃらん」連載もの。中部
地方の怪しげなスポットの訪ね歩る記。各見開き
半ページはマンガ。「話のタネ」に、というところ。
8月27日(金) B
「図解 中国の地域性がわかる本」産学社1600円
日中交流・中国地域性研究チーム編。あれだけの
広さと歴史を持つ国。そこで日本の県民性のような
もの。上海・北京・広東・東北の四大地域とその他
四川・山東・陝西・湖南、各地方の地域性の研究。
8月26日(木) D
「できる男の顔になるフェイス・ビルダー」PHP
キャロル・マッジオ1150円。ついに顔の筋肉を鍛
える時代になったのだ。人生を変えるフェイシャル
筋トレだとさ。わからんでもないが、内容は薄い。
8月25日(水) C
「解剖!歩く ASIMO」 技術評論社 1580円
なんとなくカワイイ、ホンダの2足走行ロボット。そ
の歩行システムの発想と仕組みの素人向け解説
書。愛敬のある歩き姿。大きさデザインともに良。
8月24日(火) B
「善光寺道を歩く」 傳田重義 東峰書房 2800円
中山道塩尻・洗馬宿から別れ長野・善光寺までの
参詣道を辿る、長野市在住の歴史好き。石碑、石
仏、建造物も明記。旧道ではあるが、位置関係も
あるていどイメージできるので、実際歩いた気分。
8月23日(月) C
「1人暮らしの防犯マニュアル」 PHP研究所
生活安全向上委員会1250円。都会・田舎を問わ
ず、ブッそうな 世の中になったものだ。おちおち寝
てもいられない。これは図解中心、初歩的レベル。
8月22日(日) C
「カメラ常識のウソ・マコト」 千葉憲昭 講談社
ブルーバックス940円。写真は、ほぼデジカメに移
行。それに詳しい著者による、銀塩写真との違いや
ら、デジカメ技術論。またも写真とは何かを考える。
8月21日(土) C
「日本伝統の町」 河合 敦・監修 東京書籍
1800円。全国の、重要伝統的建造物群保存地区
62ヶ所を、すべて網羅したガイドブック。集落・宿場
港町・洋館群・商家町・産業町・社家町・茶屋町・門
前町・寺内町・武家町・城下町。行ってみたくなる。
8月20日(金) C
「子供を就職させる本」小島貴子・東海左由留
メディアファクトリー1200円。「親が読む子供のた
めの就職ガイダンス」ついにこんな本が出るように
なってしまった。まあ、しかし身につまされる思い。
8月19日(木) C
「ごみを燃やす社会」山本節子2400円築地書院
ごみの焼却処理の危険性を追求 それはわかる。
ではどうやって個別処理をしていくか、だ。数字で
示せないから発言が政治的に傾いてしまう。なん
とか実現可能なモデルを、提示してほしいもの。
8月18日(水) B
「メディア文化論」 吉見俊哉 有斐閣 1800円
メディア論教科書を意図。前半はやや難解。後半
のメディア史、現在社会がいかにして各メディアに
より形作られて来たかを、実感させてくれる内容。
8月17日(火) C
「信越線の名列車」 イカロス出版 1714円
アプト式で有名な、急勾配の碓氷峠を越えるため
に 特別車輌が投入された信越線。ダイヤ図や時
刻表が並び、マニア以外はついていけない感じ。
8月16日(月) C
「味のなんでも小事典」日本味と匂学会・編
講談社1040円。ブルーバックス。50人の研究者
が身近な味、匂に関しての質問に答える形式。い
ろんな疑問に回答するが、要領良すぎるきらい。
8月15日(日) C
「新きらめき鉱物・化石ガイド 愛知県版」横山良哲
風媒社1700円。相変わらず自然体の横山先生、
良哲和尚。読むほどに のんびりした気分になれる
鉱物、化石の採集記。2000年刊の増補改訂版。
8月14日(土) C
「御土産大全」 春夏秋冬叢書 3150円
いわゆる三遠南信、三河・遠江・南信濃の名産品
を訪ね、今度も精力的取材の郷土出版社。ハード
カバーでなく、ムック本の体裁が相応しいのでは。
8月13日(金) C
「大江戸復元図鑑〈武士編〉」 笹間良彦 遊子館
6800円。物知りの笹間御大、今回は御自身によ
る絵付き事典。それなりに雰囲気のある人物画で
はあるものの、いつもの格調に欠ける気がする。
8月12日(木) C
「萬田久子の感じる着物」 講談社 1800円
ファッション誌 「グラツィア」連載もの。1958年生
まれ ミス・ユニバース日本代表が売り。粋な着物
姿のコーディネイトを披露。感想はありませんな。
8月11日(水) C
「全国まんがMAP」今 秀生 音楽出版社1429円
CDジャーナルムックと銘打つ。前半、全国のまん
が美術館。今や街おこし格好のネタ。後半は古書
店案内、テーマパークなど。おそれいりましたワ。
8月10日(火) B
「ザ・カジノ 完全ガイドブック」 黒野十一 新潮社
1400円。時事通信、女子大教授を経た物書きだ
が完全を豪語するだけに、その歴史・仕組みなど
網羅。スピード感あふるる文体。最大の必勝法は
手を出さないこと、と言いつつ楽しみかたを伝授。
8月9日(月) C
「書家101」石川九楊・加藤堆繁 新書館1900円
歴代の書家 中国50人日本50人の簡単な伝記と
書の「そんなに言っていいのかよ」と思うほどの大
胆な考察に、おどろき。ちょっと専門的すぎるか。
8月8日(日) C
「図説 日本合戦武具事典」 笹間良彦 柏書房
3800円。日本古来の武具、陣営具、馬について
の事典。読むのに時間がかかるか、と思ったけど
古文をすっとばして、意外に早く終了。感想なし。
8月7日(土) B
「美術館商売」 安村敏信 勉誠出版 1000円
板橋区立美術館の学芸員による美術館運営の新
機軸の試み。書名の通り、お高くとまらない 「皆ん
なの美術館」をどう実現するか。渋いが読み応え。
8月6日(金) C
「発酵は力なり」 小泉武夫 NHKライブラリー
830円。NHK人間講座テキストから 世界食文化
探訪。チーズ、ヨーグルト、パン、漬物、麹、魚醤、
酒、発酵茶、発酵豆腐など。最後に日本の食糧自
給率の危機的状況と、食文化の退廃を嘆くのだ。
8月5日(木) C
「人間はどこまで動物か」 日高敏隆 新潮社
1300円。好評の前作「春の数え方」につづく新潮
社PR誌「波」の連載からの エッセイ集。動物学の
大御所の、自然をみつめる眼は、今回もやさしい。
8月4日(水) B
「国道一五一号。一五一話。」内藤昌康3000円
春夏秋冬叢書。南信州・飯田から奥三河を越え、
愛知・豊橋まで140km、国道だけでなく、旧道ま
で探索。歴史文化の宝庫の丹念な取材に好感。
8月3日(火) C
「樹から生まれる家具」奥村昭雄 農文協2667円
OM出版の「百の知恵双書007」。 芸大名誉教授
奥村さんの家具制作論。いかに木の特長を生かす
か。しかし椅子の補強斜材は私の好みではない。
8月2日(月) A
「頂上の彼方へ」 トッド・スキナー NHK出版
1800円。今や全米の企業から講演依頼のロック
クライマー。カラコラムの巨大岩峰トランゴ・タワー
の登頂をとおしての人生戦略哲学。たしかに読む
ごとに、未来への希望と勇気が湧いてくるのだ。
8月1日(日) C
「裏のハローワーク」草下シンヤ 彩図社1200円
都市伝説となったマグロ船やクスリ治験や原発作
業員などから、裏社会に半分足をつっこんだヤバ
い商売まで20稼業。こりゃ取材も命懸けだわサ。
7月31日(土) C
「『終の住みか』のつくり方」高見澤たか子 晶文社
1700円。高齢化社会をテーマとするライターの、
自宅改築の一部始終。設計者・建築業者・棟梁に
恵まれ大団円。最後に高齢者の住宅政策に苦言。
7月30日(金) C
「オールド・ノリタケ アールデコ・ボーンチャイナ」
木村一彦・葵 航太郎 トンボ出版2800円。明治中
期から昭和30年代にかけて生産された工芸陶器。
アールデコ・デザインものを集めた誌上美術館だ。
7月29日(木) C
「修理 仏像からパイプオルガンまで」 足立紀尚
ポプラ社1500円。雑誌「モノ・マガジン」連載加筆
それぞれの分野の修理職人の世界探訪、その優
れた手業報告。愛着のあるものを、永く使う哲学。
7月28日(水) C
「新版 広告キャラクター大博物館」日本文芸社
1200円。 1994年刊の同名書の新版。何気なく
接している 広告キャラクターの蘊蓄などの物知り
本。あの北原照久氏のコレクションも 多数登場。
7月27日(火) C
「人格障害」 定塚 甫 三一書房 1600円
ビンラディンや宅間某は、生まれながらにして人格
障害である、と力説する精神科医である。が今ひと
つ論旨が明解でなく、ゆえにクドくなる傾向。だから
著者本人のアヤしさ、危うさをも感じてしまうのだ。
7月26日(月) C
「大衆演劇作法」 ぴあ伝統芸能入門シリーズ
1500円。歌舞伎、狂言、落語に続くシリーズ。常
設劇場案内から、代表的な演目内容、関東・関西
九州の、劇団の座長・スター紹介のハンドブック。
7月25日(日) C
「おしゃべりな人が得をする」R・ステンゲル
新潮社 2000円。おべっか・お世辞の人間学と題
した米のベストセラー。エジプト時代から現代まで
の社会心理学、あるいは行動心理学。博識なんだ
けど柔らかいのか、堅いのかよくわからない印象。
7月24日(土) C
「中高年の安全登山入門」小野寺 斉・西内 博
岩波アクティブ新書 740円。近頃の山の遭難の
大部分を占める中高年のための安全指南。歳と
ともに山に登りたい気分が高まってきたこの頃。
7月23日(金) C
「天然にがりがすごく効く!」 永岡書店 680円
関 太輔 東畑朝子・監修。健康食品の売場で話題
のにがり水。ミネラル豊富でダイエット・美肌、高血
圧、糖尿病に効くらしい。注目はアレルギー予防。
7月22日(木) C
「スローライフ、スローフード」 大谷ゆみこ・編
メタ・ブレーン1800円。アサヒビール主催の食文
化講座の記録。「食」から考える明日のライフスタ
イルの副題にふさわしい、多方面なゲストの講演
と対談。こりゃそうとうのプロデューサーだわね。
7月21日(水) D
「惰眠を貪る国へ」石原慎太郎 産経新聞社
1429円。同新聞社の雑誌「正論」の連載物。うち
では、左寄り長野県紙・信濃毎日と右寄り全国紙・
産経を読み比べているのでこの程度では驚かず。
7月20日(火) D
「素と形」 松本市美術館 (株)ラトルズ 2286円
同館の企画展内容。日用品の美を、建築家・中村
好文、デザイナー・山口信博、古道具店主の坂田
和實が選ぶ。だが 柳宗悦の民藝と何も変わらず。
あれからの80年をどう考えるのか。不満タラタラ。
7月19日(月) C
「男のふだん着物」 鴨志田直樹 河出書房新社
1400円。若い女性のふだん着物に対抗、日常の
半分以上を、和装で通すという舞台演出家。高級
呉服ではなく、また多様な着方に 好感を覚えた。
7月18日(日) D
「なぜ、買ってしまうのか。」幻冬社文庫 648円
インターナショナル・ワークス編。ダントツ・ヒット商
品の共通点、と副題があるが、単なるベストセラー
商品の成り立ちを記録した、物知り本に過ぎない。
7月17日(土) C
「名水・わき水ガイド 甲信越・静岡版」1286円
リベラル社。ハンディタイプの案内書。近くの観光
名所も併記。静岡水窪町、長野との県境近くの足
神神社に名水あり。そこの宮司は中学の同級生。
7月16日(金) B
「戸隠の鬼たち」 国分義司 信濃毎日新聞社
1400円。戸隠の山荘と名古屋を往復する1937
年生の独文学者。戸隠の伝説を読み解く。しっか
りと裏をとり、また洒脱な人柄がうかがえる内容。
7月15日(木) C
「粉の本」 山本英夫・伊ヶ崎文和・山田昌治
日刊工業新聞社1400円。今日からモノ知り・トコ
トンやさしい、B&Tブックス。今回は粉体工学、現
代技術の進歩を垣間みせる。わかり易い解説だ。
7月14日(水) C
「坂の上の雲の真実」 菊田愼典 光人社 1800円
司馬遼太郎「坂の上の雲」での海軍参謀秋山真之
神話を突き崩す、元防衛研究所職員。帝国海軍の
創設から 壊滅までを論ずる、戦史は理解が難し。
7月13日(火) C
「楽器づくりの匠たち」楽器の匠編集委員会
(株)ヤマハミュージックメディア 1800円。パイプ
オルガン、チェンバロ、 ヴィオラ・ダ・ガンバの楽器
職人。まさに古楽器の如く、スローな編集は辛い。
7月12日(月) C
「大きな暮らしができる小さな家」オーエス出版
1800円。吉村順三直系の建築家・永田昌民の作
品を住宅ジャーナリスト・杉本 薫が礼賛する。ウェ
グナー椅子のインテリアは美しく現代住宅の手本。
7月11日(日) C
「私の選んだ一品」 GD新書 800円
日本産業デザイン振興会・編 グッドデザイン賞審
査委員コメント集B、好評のシリーズ第3弾。審査
するデザイナーの個性が伺えて、楽しい読み物。
7月10日(土) C
「現代仕事人列伝」 飯田辰彦 河出書房新社
1800円。神の手がものを言う、の副題で職人達
の手業を伝える。ちょっと凝ったその選択で 京文
化についても深い造詣を披露、教養を誇るのだ。
7月9日(金) D
「不思議と説得力のある『セールストーク』の秘密
朝倉千恵子 こう書房 1400円。人材教育会社の
セールスレディの営業の秘訣集。最後まで読んで
この会社の「宣伝本」にすぎないことがわかった。
7月8日(木) C
「狙撃者」 柘植久慶 角川春樹事務所 800円
家族の復讐を遂げ国外逃亡した男がサミットでの
アルカイダの狙撃を阻止。設定にリアリティ。こん
なスゴイのが一人でもいれば、世界は安泰だが。
7月7日(水) C
「屋根」伊藤ていじ・高井 潔 淡交社 2800円
1982年の豪家本の普及版。写真家・高井が全国
の屋根の造形を美しく再現。建築史の伊藤先生は
御存命だったっけ。そこらは、はっきりしてほしい。
7月6日(火) C
「桂東雑記U」 白川 静 平凡社 1800円
桂離宮の傍らに、御歳93を迎えた文字学者の講
演、対談など。素養があればこその内容だ。ただ
文字の渡来の年代の推測は 素人にも楽しめた。
7月5日(月) C
「月曜日、駅のホームで会社に行きたくなくなった
とき読む本」 菅野泰蔵 講談社 1300円。臨床心
理士が自身のうつ体験を交え、日本独特のうつ事
情にせまる。原因として上司との関係からが多く、
家族の優しさが回復には必要という常識的結論。
7月4日(日) D
「カルロス・ゴーンへの警鐘」小川フミオ 1600円
TBSブリタニカ。書名とは異なり内容は多分に感
情的な日産クルマ論。したがって論理は不明解。
自動車評論家という肩書きの胡散臭さを感じた。
7月3日(土) C
「知っているようで知らない ものの数え方」
小松睦子 幻冬社コミックス1000円。形が変わる
と同時に数え方も変わる、日本語の面白さ。イラス
トもとぼけた味があって、楽しい読みものとなった。
7月2日(金) B
「マネー・ボール」 マイケル・ルイス 1600円
ランダムハウス講談社。大リーグにまったく新しい
野球を持ち込んだ、ビリー・ビーンというアスレチッ
クスGMの美学をクールに描く。米における野球と
いう物の存在の大きさ。野球小説の如き 面白さ。
7月1日(木) C
「中山道 風の旅」テレビ埼玉・群馬テレビ1700円
さきたま出版会。共同制作番組から軽井沢−馬籠
編。信濃路15宿、木曽路11宿と古道巡り。手書き
の地図の方位の不統一、と歴史的認識に疑問点。