オール読書日記 2006年下半期
12月31日(日) D
「高齢者のための照明・色彩設計」1800円
(社)インテリア産業協会 産能大学出版部。
インテリア・コーディネイト・ブックと銘打って
はいるが、薄い内容、何の参考にもならず。
平成18年も暮れていきます。良いお年を。
12月30日(土) C
「江戸の決断」 河合 敦 講談社 1400円
江戸幕府の歴史の中、幕政改革の7人、初
期の名君6大名 中期の藩政改革の6人さら
に後期登場の雄藩の6人の武士達の肖像。
12月29日(金) C
「日経MJ トレンド情報源2007」 1900円
日本経済新聞社。旧日経流通新聞編集部に
よるマーケッティング年鑑。我々の知らないと
ころで激動する業界と、その合従連衡の姿。
個人消費も、ともかく回復しつつあるようだ。
12月28日(木) C
「ニッポン、ほんとに格差社会?」 小学館
池上 彰1400円。日本社会のある種の常識
となっている 30の事柄について各種データ
からの検証。飲み屋での議論のネタ本か?
12月27日(水) C
「大和魂」 赤瀬川原平 新潮社1500円
もはや哲学者といった風格、しかしあくまで
も目線は低く一般大衆の思考を代弁する。
小雑誌の連載で 「魂」やら「心」への思考。
12月26日(火) C
「絵と写真でみる 建物保守学」 坂東治重
オーム社2200円。専門学校の教科書とい
う位置付けの様だ。内容は初歩的な部分が
多くて、大して勉強にならない読書だった。
12月25日(月) C
「湖上の家、土中の家」 益子義弘 農文協
2667円。百の知恵双書。世界の住居のうち
4ヶ所の調査。藝大だけあって 表現と模型は
上手いが、何をいまさらという感じ。建築意匠
の大学研究室の、研究テーマ選びの難しさ。
12月24日(日) B
「カラー・ルールズ」 伊達千代 2300円
エムディエヌ コーポレーション。グラフィック・
デザインでの 色彩技法の教科書。大変勉強
になった、が問題は、これらのテクニックがス
ルッと出てくるだけのセンスがあるかないか。
12月23日(土) D
「珈琲と雑貨と音楽と」 堀内隆志 NHK出版
1800円。いかにも若い女性向けの体裁。鎌
倉でカフェ・雑貨・CDショップのオーナー 12
年の回顧譚。ま お好きにやってくださいまし。
12月22日(金) C
「カンガ・コレクション」 織本知英子1500円
ポレポレオフィス。横165cm縦110cm 東ア
フリカの便利で 色彩豊かな民族布。1995年
にカンガを日本に紹介したスワヒリ語の先生。
12月21日(木) C
「道のユニバーサルデザイン」 鈴木 敏
技報堂出版2400円。土木・道路屋さんによ
る、道路スペース基準の提案。歩行者・自転
車・自動車の共存をどう計るか、の考え方。
12月20日(水) D
「わたしの旅 100選」 文化庁・編
政府の「○○100選」 がついに旅の世界にま
で。いかにも官僚の考える編集。まったく大き
なお世話だぜ。全786編の応募ごくろうさん。
12月19日(火) C
「モノは言いよう 仕事の禁句 変換辞典」
阪急コミュニケーションズ 1200円。中塚千
恵+コトバ最適化委員会。頼む・断りを入れ
る・人物表現・謝る50の言い替えサンプル。
12月18日(月) D
「お客さん、こういうとこ初めて?」赤澤竜也
講談社1500円。銀行員から風俗店へ転身
の40歳。中身よりも、父が都市銀行役員で
慶応出という その経歴の方が面白い感じ。
12月17日(日) C
「自転車日和」 タツミムック 980円
何回目かの自転車ブームで趨勢を知りたく
て借りてきたが、あまりどうということのない
現状。うちの自転車は、かれこれ20年目。
12月16日(土) B
「世界飛び地大全」 吉田一郎 社会評論社
2400円。飛び地マニアを自称する1963年
生まれは早大大学院在学中、紛争の産物と
しての、世界各地の飛び地の経過を丹念に
たどる、全431頁。ただ々恐れ入りました。
12月15日(金) C
「日本地芝居写真紀行」 山口清文2800円
河出書房新社。地芝居にのめり込んで秩父
に移り住んだ元朝日記者。我が大鹿歌舞伎
も含めるが やはり地元小鹿野の舞台が主。
12月14日(木) C
「お金を集める技術」 青木寿幸 1400円
明日香出版社。現役会計士によるファンドの
仕組み・作り方・運営方法の基本レクチャー
兼投資家の教科書。当方早々と理解放棄。
12月13日(水) B
「非対称の起源」 C・マクマナス 1350円
講談社ブルーバックス。心臓はなぜ左にある
のか?右利き・左利きはなぜ生ずるか?DN
Aから宇宙までその起源を求める旅。全474
頁ながら、答えは読んだ人の想像に委ねる。
12月12日(火) D
「Web 2.0が殺すもの」 宮脇 睦 洋泉社
952円。内容は今持て囃されているグーグル
とアマゾンへの反感に終始。クドクドと 同じこ
とを書き連ねる、267頁のペーパーバック。
12月11日(月) C
「芝居小屋と寄席の近代」倉田喜弘2800円
岩波書店。幕末以降戦前までの近代芸能史
いかにして遊芸から文化へと変わってきたか
百年前のなんとも情けなくなる日本人の姿。
12月10日(日) C
「古代中世暦」 日外アソシエーツ 5000円
なんと 推古から天正までの和暦の日にちと
西欧ユリウス暦との対照表。 和暦が様々に
変えられて来たために こういうものが必要。
12月9日(土) C
「伝統木造建築を読み解く」 村田健一
学芸出版社1800円。文化庁の技官の小雑
誌連載を、加筆再構成。いきなり難解な木構
造から始まるのは 如何なものか。全体構成
が逆の方が、わかり易かった様な気がする。
12月8日(金) B
「新・経済原論」 大前研一 東洋経済新社
2200円。2005年3月に米で出版の翻訳も
の502頁 「フラット化する世界」の続編的雰
囲気。猛烈に変貌を遂げる 世界経済の姿。
12月7日(木) C
「デザインハンドブック」 S&P・フィール
タッシェン 1500円。デザインについての事
典 AからWまで。 たしかに詳しいが、もう少
し思い入れがあっても、いいのではないか。
12月6日(水) C
「怪しいTV欄」 町山広美 信濃毎日新聞社
1400円。現在も地元紙・信毎に週一連載中
2000年12月から06年6月まで、東京在住
42歳放送作家のTV内幕話。多少ハハン。
12月5日(火) C
「京都職人」 水曜社 3200円
京都芸大 高階・大野木両先生の監修、京の
手仕事 51種の職人へのインタビュー。414
頁の重い本で、支える手が痛くなって閉口。
12月4日(月) C
「ブランドの条件」 山田登世子 岩波新書
700円。ルイ・ヴィトン、エルメスそしてシャネ
ル 3つのブランドの研究。なかでも、20世紀
初頭の世界的なデザイン確立の風潮の中で
彩られた ココ・シャネルの方向性には興味。
12月3日(日) B
「藤森照信の特選美術館三昧」 TOTO出版
2500円。今や世界的な建築家として名高い
先生の美術館建築めぐり。雑誌「モダンリビン
グ」に連載加筆、わかり易い言葉での建築の
華・美術館の楽しみ方。読者には贅沢三昧。
12月2日(土) D
「内藤式 ザ・検索術」 内藤誼人 廣済堂
1400円。これで何でも探し出せ!仕事がで
きるヤツだけが知っている裏テクニック、の副
題。フザケルナと言いたい 極めて薄い内容。
12月1日(金) C
「京都美術の新・古・今」 太田垣 實
淡交社 2400円。京都新聞連載、美術部記
者による、古の美術と対比させての、京都と
いう都市空間での、現代美術の案内報告。
11月30日(木) C
「ぴったりはまるの本」 ポプラ社 900円
今や芸大教授の佐藤雅彦先生と慶大時代
の教え子達による家族向けクイズ絵本。缶
ビール飲みつつやってみた、出来は最悪。
11月29日(水) D
「大人の男のスーツ図鑑」 二見書房
1400円。若者のための服飾図鑑。全編に
溢れるヤオイ系イラスト。飯田一のオシャレ
を自認する身には ほとんどが知識のうち。
11月28日(火) C
「絵はがきの時代」 細馬宏通 青土社
2200円。経歴紹介がないので 正体不明
の絵はがき コレクター。哲学的そして少し
感傷的、多彩な切り口で絵はがきを語る。
11月27日(月) C
「プラネットアース メイキング」 NHK出版
D・ニコルソン 2200円。副題「究極の映像
への挑戦」 BBCとNHKの共同自然番組、
苦労話ムック。見ていないから、なんとも。
11月26日(日) B
「歴史的遺産の保存・活用とまちづくり」
改訂版3500円学芸出版社。1996年登録
有形文化財の制度ができ、いかに保存・活
用するかが重要となった。そんな事例の報
告。編者の大河直躬先生は恩師でもある。
11月25日(土) C
「ピクトグラフィ ハンドブック」 R・モドレイ
産調出版 2200円。3250のシンボル例を
紹介する、まさにピクトグラフィの事典。しか
しながら素人にとっては、とくに感想はなし。
11月24日(金) B
「格差病社会」 加藤諦三 1500円大和書房
勝ち組・負け組と騒ぐのはすでに病気。現在
日本社会が過剰な競争意識の裏 で自己蔑
視と抑うつ状態にあると激しく糾弾。同感。だ
がグローバル化が原因 との説には違和感。
11月23日(木) D
ヴェトナムと組むメリットを知らない日本人」
柘植久慶 PHP1500円。書名とは大違い。
中国嫌いの柘植さん、若かりし頃を懐かしん
での、多分にノスタルジックなベトナム案内。
11月22日(水) C
「デザイン・レイアウトのセオリー」 2400円
佐々木剛士 グラフィック社。まさに「絶対は
ずせないデザインのお約束」のための教科
書。要するに、バランスということに尽きる。
11月21日(火) C
「信州 歴史の舞台裏」 四方赤良 1500円
しなのき書房。江戸の狂歌師の名を、そのま
まペンネームの正体不明の歴史研究家によ
る地元出版。中身は雑多な歴史四方山話。
11月20日(月) C
「上流な私?下流な私?」 PHP 1300円
三浦 展。読売広告社との共同調査報告。現
代女性を7つのタイプに分け 消費行動・生き
方・結婚観などの詳細。今までもっていた漠
然としたイメージが、かなりハッキリの様子。
11月19日(日) C
「紙の歴史」 P・M・D・ビアシ 創元社
1600円。「知の再発見」双書。仏の研究者
の紙の文化史。図版が多く配置が奔放、だ
から文章 切れ切れ、誠に読みにくい始末。
11月18日(土) C
「魅惑の世界鉄道紀行」三浦幹男2800円
ネコ・パブリッシング。鉄ちゃんというより、鉄
道写真風景派という感じの元日銀マン。だか
ら本も、A4判横型。さすが美しい列車風景。
11月17日(金) C
「地盤診断」 高安正道 日経BP社1700円
日経モームビルダー住宅現場手帖シリーズ
技術者のための地盤の見方のコツ。常識の
部類だが 知らない技術者も多いということ。
11月16日(木) C
「ひとりで、居酒屋の旅へ」太田和彦 晶文社
2300円。居酒屋道を極めた 東北芸工大デ
ザイン教授。居酒屋に関する小文をまとめた
もの。全国各地の名物店が実名での登場。
11月15日(水) C
「最新 日本の地震地図」 岡田義光
東京書籍1800円。海溝型の巨大地震、プ
レート内地震 さらに活断層による内陸型地
震。まさに地震列島。飯田周辺の伊那谷断
層帯では、100年で0〜20%の確率だと。
11月14日(火) C
「和風モダン 建築デザイン術」 羽深隆雄
六耀社4000円。銀座久兵衛別館を設計の
和風モダン豊饒派と称される建築家の作品
集。とくに建具関係などに、造形性を発揮。
11月13日(月) C
「かわらの小石の図鑑」 東海大学出版会
千葉とき子・斉藤靖二2500円。1996年刊
行以来11刷という、一見面白そうな図鑑。し
かし興味のズレ激しく なんの感想もなく終。
11月12日(日) B
「渋滞学」 西成活裕 新潮選書 1200円
東大航空工学の先生が、渋滞の仕組みを数
学的に解析。はじめは姑息な学問と思ってい
たが工学さらには生体での応用など 幅広い
学際領域にまたがることの、認識も新たに。
11月11日(土) C
「改訂版 航空知識のABC」 イカロス出版
2000円。飛行機専門出版社、対象はその
中でも旅客機マニア。エアラインに関しての
中級者向け知識の数々 勉強になりました。
11月10日(金) D
「ぐっとくる題名」 ブルボン・小林 720円
中公新書ラクレ。小説・映画・劇・音楽・漫画
などの題名について、芥川賞作家・長嶋 有
の考察。小難しい解説には、賛成しかねる。
11月9日(木) C
「建築 『見どころ』 博物館ガイドブック」
彰国社 2190円。濱島正士・監修、清水慶
一・三浦綾子編。博物館の他、単体建築は
もちろん集落・インテリアまで幅広い案内。
11月8日(水) C
「日本の奇祭」 合田一道 青弓社 2000円
北海道新聞編集委員を退職、全国の祭りを
訪ね歩く。その中から32の祭りをピックアッ
プ。うーん奇祭とは、大袈裟ではないのか。
11月7日(火) C
「ワークショップ」 中西紹一・編 宣伝会議
2000円。まちづくりではお馴染みのワーク
ショップ。広告業界や製造現場での実践例
だが、方法論としての確立はもう少し時間。
11月6日(月) C
「写真集 昭和の農村」 家の光協会
2400円。1/3を占めるのが 隣の阿智村の
風景。当時教員だった熊谷元一さんの撮影
なお熊谷さんは、現在97歳東京にて健在。
11月5日(日) C
「勝手に関西世界遺産」 朝日新聞社
1500円。朝日新聞大阪版夕刊の連載。関
西の文物や言葉など 大阪人のノリで残した
いもの。こういうお遊びは、まことに宜しい。
11月4日(土) C
「オタク・イン・USA」 P・マシアス 太田出版
1480円。聖地日本へ住むことになったメキ
シコ系アメリカ人の自身の生い立ちと、アニ
メを初めとする、アメリカでのオタク文化史。
11月3日(金) C
「汽車旅放浪紀」 関川夏央1700円 新潮社
一応は、古今の文学における 鉄道描写部分
の再現譚ではあるものの 、紛れもなく 「団塊
鉄ちゃん」の過ぎ去りし日へのノスタルジー。
11月2日(木) B
「景観法と景観まちづくり」 日本建築学会編
学芸出版社 3800円。後ろ2/3の全国のま
ちづくり32の、事例紹介が有益。さまざまな
アプローチがあって、まさに 教科書のような
雰囲気。編者代表は、東大西村幸夫教授。
11月1日(水) C
「ソロモンの指輪」 C・ローレンツ 早川書房
1600円。原書は1949年、翻訳初版1963
年、訳は 竹内久美子の師匠・日高敏隆先生
文庫化1998年、そしてこの新装版。動物行
動学入門との副題がついた古典中の古典。
10月31日(火) C
「少年少女通販広告博覧会」 串間 努
河出書房新社 1600円。あの頃の雑誌の裏
表紙の怪しげな通販について 後半は懸賞や
景品商法についての回顧譚。1963年生れ。
10月30日(月) C
「おいしさの表現辞典」東京堂出版 2800円
日本女子大家政学の川端晶子・渕上匠子の
編。文学からの、様々な料理を食べる情景の
抜書き集。意外にも紋切り型の表現が多い。
10月29日(日) C
「新平等社会」 山田昌弘 文藝春秋1429円
「希望格差」を越えて、の副題通り先生の考え
る処方箋。ただし後ろ 1/3は不要。労働政策
のほか、子育て支援や、累進課税・相続税強
化、さらには 寄附税制改革などの提案あり。
10月28日(土) C
「伝承写真館 日本の食文化5 甲信越」
農文協1238円。1984年刊行の同社「日本
の食生活全集」全50巻からの再構成。新潟
・山梨での明快な地域性分析にたいし、長野
では難航。つまり地域要素が多すぎる所以。
10月27日(金) C
「信濃の獅子舞と神楽」 小林幹男 1600円
信濃毎日新聞社。長野県の祈りの芸能を北
から南まで。事典のような性格で、各地域で
の相互の繋がりの解明を期待したが 残念。
10月26日(木) D
「『新自由主義』とは何か」友寄英隆1500円
新日本出版社。赤旗連載 新自由主義をイデ
オロギーとして捉え それにたいしての理論武
装。常に新しい方法を求めるのが資本主義、
こちらは資本論から、一歩も出るつもりなし。
10月25日(水) C
「電動工具JIGブック」 誠文堂新光社
2400円。木工愛好家のための専門誌「週末
工房」のムック本。電動工具の 冶具について
の実践例紹介。ちょっとついていけない感じ。
10月24日(火) C
「潮騒の伊那谷」 後藤拓磨 南信州新聞社
2200円。地元新聞連載物。顔見知りの著者
と一緒に自称「推理ノンフィクション」を楽しむ
古墳時代の当地の姿を求めて、アッチへコッ
チへと想像の翼を拡げる。なかなかの博識。
10月23日(月) C
「論争 格差社会」 文春新書 750円
格差問題あるいはニートに関する論文・対談
12編。一度に、たくさんの意見を読めるのは
至極便利。内容的には 格差容認派が多数。
10月22日(日) B
『みんなの意見』は案外正しい」 角川書店
S・スロウィッキー 1600円。社会の動き方を
探る、集団経済学という 組織論の紹介。社会
学とも政治学とも。こういうのを見るとアメリカ
の底力を感ずる。書名の薄っぺらさには ×。
10月21日(土) C
「太陽エネルギー利用技術」 オーム社
3000円。日本太陽エネルギー学会編、大学
の教科書のような雰囲気。太陽光や太陽熱と
同時にバイオマス、風力、小水力まで概観。
10月20日(金) C
「御柱祭 火と鉄と神と」 百瀬高子 彩流社
1600円。諏訪周辺に縄文のころ鉄器文化が
存在した、という考えに凝り固まった在野の歴
史家だ。自家出版に毛の生えた程度の内容。
10月19日(木) C
シルクロードの水と緑はどこへ消えたのか?
昭和堂2400円。日高敏隆・中尾正義編、局
地的な水循環のメカニズムは解明しつつある
が、地球規模的にはよくわからないという話。
10月18日(水) C
「世界の橋」 H・M・シュミッド 1800円
ピエ・ブックス。独生まれ 日本在住。「世界の
窓」 「世界のドア」 の続編。15cm四方、厚さ
1.5cm、なんの解説もなく、橋の写真のみ。
10月17日(火) C
「間道 見世物とテキヤの領域」 坂入尚文
新宿書房2400円。蝋人形小屋、百姓、飴細
工屋 芸大彫刻中退の半生。始めの軟弱な文
章が 終わりにはどっぷり漬かった放浪人生。
10月16日(月) C
「マインドマップ・ノート術」 W・リード1500円
フォレスト出版。記憶力・発想力が驚くほど高
まる、のだそうだ。さわりは1/3、残りは効能ば
かり。マップ自体が、あまり美しくなくて 問題。
10月15日(日) C
「男のマナーにはツボがある!」城田美わ子
青春出版社1000円。なんだか良くわからな
い書名ながら、中身は結構役に立つことばか
り。勉強にはなったが最早手遅れの感じか。
10月14日(土) C
「魅惑の香水瓶」 遠藤賢朗 里文出版
2300円。江ノ島の香水瓶美術館長。コティと
ラリックを中心に、アールヌーボー、アールデ
コのデザイン瓶の紹介。好みとしては、後者。
10月13日(金) C
「監視カメラは何を見ているのか」大谷昭宏
角川oneテーマ21 686円。監視カメラにつ
いては数頁、残りは共謀罪など警察権力へ
の疑問ばかり。考え方は、左翼的リベラル。
10月12日(木) C
「ブランドのデザイン」 川島蓉子 弘文堂
2300円。ブランドを いかにして確立するか
サントリー、キューピー、資生堂、無印良品
での、コミュニケーション・デザイン実践編。
10月11日(水) C
「幼児化する日本人」 北原 惇 リベルタ出版
1800円。前半 戦後社会を大衆心理から解
剖、後半 先進国における自己存在に力点。
強者に対する 同一性、自・他への操作性な
ど。留学と北欧在住で 思考に多少違和感。
10月10日(火) D
夢を実現する戦略ノート」J・C・マクスウェル
三笠書房1400円。斎藤孝・訳、この出版社
お得意の実用書。米で名高い、セミナー屋ら
しいが これを読んで成功できれば 御の字。
10月9日(月) B
「台湾入門 増補改訂版」 酒井 亨 2200円
日中出版。共同通信の元記者による台湾史。
初版は2001年、とくに 民族ルーツに詳しく言
及。そこから生じた、微妙な感情・思考など一
般メディアでは知りえない 現状報告は有益。
10月8日(日) C
「歴史に気候を読む」 吉野正敏 学生社
2000円。むしろ気候学の歴史とすべき。19
28年生の大御所だが、内容は広く浅く、最も
言いたいことは何なのか、が 解らないのだ。
10月7日(土) C
「水の道具誌」 山口昌伴 岩波新書740円
情報誌掲載加筆。道具学権威 水に縁のある
道具についての回想。そのほとんどが、高度
成長期に消滅、で当方にはまだ記憶のうち。
10月6日(金) D
「ソウルメイト」 飯田史彦 PHP研究所
1600円。運命の人とは?すでに 20冊近く
同様の本。感謝感謝で生きる 運命論にスピ
リチュアル系をプラスの、熱い福島大教授。
10月5日(木) C
「木が人になり、人が木になる」 岩田慶治
人文書館2200円。1922年生、地理学・比
較人類学の東工大名誉教授。半分 棺桶に
足で、半分 悟りを啓いた模様。道元を引用
しての禅問答に ただハアとの返事のみ。
10月4日(水) C
「欧州ガラス紀行」 南川三治郎 世界文化社
1800円。「欧州陶磁器紀行」に次ぐ、ほたる
の本シリーズ。チェコのモーゼル社、仏のバ
カラ社、墺のロブマイヤー社の逸品の数々。
10月3日(火) C
「災害の心理」 清水將之 創元社 1800円
大学教授にしては感情的かつイデオロギー
的なナイーブさも、PTSDの臨床医としては
当然なのか。反面 技術としての強い復元力
を培う教育がありはしないか、とも思うのだ。
10月2日(月) C
「日本の絶景 下」 別冊 山と渓谷 1600円
一度は逢いたい自然風景100選と銘打つムッ
ク下巻。大型カメラでとらえた50景。対象はア
マチュア写真家らしく、周辺200ヶ所も案内。
10月1日(日) C
「宇宙エレベーター」 A・セルカン 大和書房
2000円。東大博士課程修了ドイツ育ち トル
コ人。宇宙構造物研究から量子力学的時間
空間論。華麗な経歴の割りに、内容はまとま
らず。本を書きあげることの難しさを実感す。
9月30日(土) D
「侍ルネッサンスONE」 北山邦子1200円
幻冬社ルネッサンス。余程 話がうまいのであ
ろう、1966年生まれセミナー主宰。美人とは
いえ 内容薄く、単なるポエムの域。巻末見れ
ば幻冬社グループ個人出版。さもありなん。
9月29日(金) C
「缶詰クッキング」 アップオン編集部
主婦の友社1500円。市販の缶詰を使っての
お惣菜から 酒の肴、デザートまでのクッキン
グ・レシピ。作ってみようとする 気力湧かず。
9月28日(木) B
「真っ当な日本人の育て方」 田下昌明
新潮選書1200円。1937年生まれの現役小
児科医の古風というか、保守的な体験的子育
て論。母親の愛情こそ、すべてという考え方。
9月27日(水) C
「絵ときでわかる 計測工学」 門田和雄
オーム社2300円。工業高校の教科書らしい
長さ・質量と力・圧力・時間と回転速度・温度と
湿度・流体・材料の強さ・形状の計測の方法。
9月26日(火) C
「新版 遺跡保存の事典」 平凡社 2200円
文化財保存全国協議会・編。日本全国北から
南まで、開発か保存か、の歴史事典。稀少生
物の保護と同様 どこまでやるか難しい問題。
9月25日(月) C
「ヒートアイランド」 尾島俊雄 1500円
東洋経済新報社。2002年刊、都市環境工学
の権威による、今や周知となった 都市熱の現
状と対策について。少し中途半端な印象あり。
9月24日(日) C
「東京を江戸の古地図で歩く本」 514円
河出書房新社夢文庫。ロム・インターナショナ
ル・編。一応切絵図と対照はしているが 書名
よりも、江戸地名雑学といった感じの読物。
9月23日(土) C
「“日本離れ”できない韓国」黒田勝弘750円
文春新書。お馴染み 在韓25年、産経新聞ソ
ウル支局長の韓国報告書。反日に生きざるを
えない、政府・マスコミ・国民の、過去と現状。
9月22日(金) C
「F・ベアト写真集1 幕末日本の風景と人びと」
横浜開港史料館・編 明石書院 2800円。 とく
に興味をもったのは当時の藁葺き・板葺きの各
地の街並写真。定期的な火災も 無理はない。
9月21日(木) C
「わかったつもり」 西林克彦 光文社新書
700円。教育学の先生による 読解力とは?文
脈とスキーマからの解釈も、間違うこともある。
逆に意図的な方向付けも可能、との裏読みも。
9月20日(水) C
「コンピューターが子どもの心を変える」
J・ハーリー大修館書店2200円。1999年刊
は新刊とはいえないが、既に4刷。将来は別と
して、現在での早期のPC教育には、疑問を呈
する教育者、見聞は全米におよび 説得力大。
9月19日(火) C
「世界で一番気になる地図帳」 青春出版社
500円。おもしろ地理学会・編。つまりは世界
と日本の地理に関して、気楽に読める雑学集
の第2弾という。それ以上でも 以下でもなし。
9月18日(月) C
「踊る『食の安全』」 松永和紀 家の光協会
1400円。副題 農薬から見える日本の食卓。
毎日記者出の科学ライター。出版社から解る
ように農家寄りの立場での、農薬使用報告。
9月17日(日) B
「究極の文房具カタログ」高畑正幸1500円
ロコモーションパブリッシング 。TVチャンピ
オン文房具通で優勝。機械工学から工業意
匠のマスター出が 自作イラストとともに語る
蘊蓄。マストアイテム編と題した 楽しい本。
9月16日(土) C
「台所の1万年」 山口昌伴 農文協2767円
百の知恵双書。重鎮ショーバン先生の癖の
ある文体は嫌味ながら、内容は なるほどと
納得。早速まとめて、短大講義資料作成。
9月15日(金) C
図説 江戸三百藩「城と陣屋」総覧 東日本編
学習研究社1800円。三浦正幸・監修による
歴史群像シリーズ。北海道・松前城から福井
県・小浜城にまで至る 「城・陣屋」事典前編。
9月14日(木) C
「絶不調パソコン完全復活マニュアル」
佐々木康之 翔泳社 1980円。このところ1日
に1回はフリーズ。何かの参考にと思って借り
てきたが、やはり素人には難しくて そのまま。
9月13日(水) C
「飛び道具の人類史」 A・W・クロスビー
紀伊国屋書店2800円。文字通りの技術史で
はあるが、個人的な興味からは前1/3の人類
の投擲能力からの発展論が納得のいく内容。
9月12日(火) C
「スウェーデンに学ぶ 『持続可能な社会』」
小澤徳太郎 朝日新聞社 1300円。内容はわ
かる、しかし地政学的条件・政治構造・経済環
境ほかが違い過ぎるのだ。したがって書く方は
一方的になり、読む方は無力感ということに。
9月11日(月) C
「俗信の世界」 宮田 登 吉川弘文館
2600円。6年前64歳で没の民俗学者、日本
を語るシリーズその4。俗信が、昔だけの話で
はなく現代社会にも通ずるものとしての見方。
9月10日(日) C
「ドイツ流街づくり読本」 水島 信 2400円
鹿島出版会。ドイツで都市計画にかかわる著
者の都市計画論。日本のそれにも、辛口に言
及。最後には故郷・新潟でのケーススタディ。
9月9日(土) C
「新版 道具と機械の本」 岩波書店 7400円
33年前 建築絵本「カテドラル」でデビューの
D・マコーレイ。刊行以来10年で300万部の
ベストセラーに、デジタル世界を加えたもの。
400頁2kgの重量 さほどの感銘は覚えず。
9月8日(金) C
「30代未婚男」 NHK生活人新書 740円
大久保幸夫・畑谷圭子・大宮冬洋。その実態
理由、将来を探る。現代社会の、様相の結果
として、30代未婚男の大量出現という見方。
9月7日(木) C
「新ハーバード流 交渉術」 講談社 1900円
R・フィッシャー+D・シャピロ 。ハーバードの
先生達による 実用書。交渉相手の感情を如
何に前向きにさせるか。つまり相手の人格あ
るいはアイデンティティを認めそれを伝える。
9月6日(水) B
「大阪のひきだし」 監修・橋爪紳也 2000円
鹿島出版会。船場での都市再生の各種運動
の総覧。フィールドノートと銘打ってはいるが
貴重な、まちづくり事典とも言うべきものだ。
9月5日(火) C
「小堀遠州 綺麗さびの極み」 1400円
新潮社とんぼの本。芸術新潮特集号の単行
本化。能吏として茶人としての人となり、また
デザイン感覚の鋭さを、豊富な写真で解説。
9月4日(月) C
「宗教の日本地図」 武光 誠 文春新書
840円。北から南まで47都道府県ごとに歴
史的な経緯から 宗教状況を概観する。無理
やりまとめたというか、通り一遍の印象強し。
9月3日(日) C
「僕の家」 大江千里 角川書店 1700円
小雑誌連載もの、関西から上京以来の住宅
遍歴を綴る、家好き・インテリア好き。不便か
つ楽しく暮らした 本格日本家屋に多くの頁。
9月2日(土) B
「名ソムリエの、おうちワイン」 柳 忠之
朝日新聞社 1400円。週刊「AELA」連載
「 同 ふだんワイン 」の続編。若手ソムリエ
達の家庭でのワイン風景集、良い企画だ。
9月1日(金) D
「格差社会サバイバル」 高橋 朗 1300円
Nanaブックス。書名はうまいが 中身はお粗
末。ステレオタイプの世代論ですべてを論じ
ても困る。未来予測も、同様に非常に薄い。
8月31日(木) C
「江戸の性愛術」 渡辺信一郎 新潮選書
1100円。一時はベストセラーの著者は元都
立高校長の故人。古い書物や川柳から いつ
の世でも好色な庶民の姿を 生き生きと描く。
8月30日(水) C
「疲れない体をつくる 『和』 の身体作法」
安田 登 祥伝社1400円。能楽師にして米の
整体術ロルフィングの指導者があかす、能に
学ぶ深層筋エクササイズ。腹式呼吸と姿勢。
8月29日(火) C
「写真集 明治の記憶」吉川弘文堂9000円
学習院大学史料館所蔵の古写真の公開。明
治天皇行幸から、震災・噴火・火災・水害など
多岐にわたるもの。けっこう興味もって鑑賞。
8月28日(月) C
「図解革命!業界地図『最新』ダイジェスト」
2006年版 一橋総合研究所1000円。発行
は4月5日で、まだライブドア健在はご愛嬌。
それにしても 中国の占める大きさには驚き。
8月27日(日) D
「男はなぜネクタイを結ぶのか」 出石尚三
新潮新書680円。同世代の服飾評論家によ
るネクタイ雑学集。その歴史から有名人まで
登場するが、興味を覚える部分なしに終了。
8月26日(土) C
「パラサイト式血液型診断」 藤田紘一郎
新潮選書1000円。血液型による性格診断は
無意味との見方に対し、その発生から体質が
決定し、したがって性格にも影響すると考えた
方が自然、との立場。後半は専門的で退屈。
8月25日(金) B
「現場で学ぶ 住まいの雨仕舞い」 玉水新吾
学芸出版社2000円。雨漏りしない家の造り
方。長年の現場経験だけに重いが、言ってみ
れば当然の話ばかり。しかし これが難しい。
8月24日(木) B
「着物あとさき」 青木 玉 新潮社 1700円
「芸術新潮」連載 遺された母の着物を慈しみ
辿る着物への旅 つれづれ。祖父の幸田露伴
母の幸田文 ゆずりなのだろうか、折り目正し
く格調高い文章、読む度に感ずる 心地よさ。
8月23日(水) C
「泥の文明」 松本健一 新潮選書 1100円
西欧の石の文明、中近東の砂の文明に対比
米つくりのアジア、著者の造語らしく自慢話。
引用文多くして、3頁におよぶものあり不快。
8月22日(火) C
「このヒコーキが好きだ!」 イカロス出版
1619円。月刊「Jウィング」連載。50人の選
んだ飛行機は?カメラマン・イラストレーター
記者 それぞれの遍歴とともに好みを語る。
8月21日(月) B
「歌うネアンデルタール」 S・ミズン 早川書房
2200円。言語以前の コミュニケーション手段
とは?それが音楽である、という状況証拠を探
る。言語を発明できなかったネアンデルタール
は絶滅。だが感情・心の源、音楽は大切だと。
8月20日(日) C
「音のなんでも実験室」 吉澤純夫 800円
講談社ブルーバックス。都立高校物理教諭に
よる音に関する各種の実験レシピ。ではあるが
あまり興味はそそられず。感想も、あまりなし。
8月19日(土) C
「日本の民家 美と伝統 西日本編」 別冊太陽
2400円。民家写真の第一人者 高井潔の写
真・文。東日本編の続く、それにしても見事な
重文クラス。やはり見取り図をつけて欲しい。
8月18日(金) C
「民俗芸能研究という神話」 橋本裕之 森話社
5900円。挑戦的な書名とともに難解な言葉を
駆使しての 民俗芸能研究論考。内容は全く理
解不能 難しい言葉使いだけが印象に残った。
8月17日(木) C
「金沢の手仕事」坂本善昭ラトルズ2400円
建具・和菓子・畳・金箔・九谷焼・加賀蒔絵・左
官・加賀友禅・仏壇・数奇屋・庭・加賀象嵌、最
後に地図案内。専門誌連載。女性的な文章。
8月16日(水) C
「ヤバい経済学」 東洋経済新報社1800円
S・D・レヴィット+S・J・タブナー。ベストセラー
「さおだけ屋…」 の原本か。経済学というより、
インセンティブから読む、社会学。ゲーム理論
での、個人あるいは集団の最大利得実践編。
8月15日(火) B
「無垢の木でリフォーム」 もく(木)の会
学芸出版社 2200円。関西の女性建築家グ
ループによる、リフォームの実例。苦労話・失
敗談も 率直に書かれていて、勉強になった。
8月14日(月) C
「素足で暮らす木の家A」 ニューハウス
2381円。ホームメイク・シリーズ。木の家と
称してはいるが、むしろ自然素材の家。飯田
周辺の「木の家」の実例の方が参考になる。
8月13日(日) C
「骨董物語」 桐島洋子 講談社 1900円
そこはかとなく漂う貴族趣味も 出自の故か。
ベルエポックの文物を中心に、中国の古い小
物など結構幅広い。好きにやってくださいな。
8月12日(土) C
「ショージ君のALWAYS」 東海林さだお
集英社 1200円。昭和を懐かしむ、と題して
その時代のエッセイを、再編集。安易な企画
は止めてもらいたい。が、そこそこ 面白い。
8月11日(金) C
「世界の車窓から 3」 テレビ朝日コンテンツ
1762円。名物TV番組の第3弾は歴史街道
を走る、がテーマ。欧州からインドネシア・中
国の9ヶ国 あこがれの鉄道旅行。DVD付。
8月10日(木) C
「宝石の歴史」 P・ヴォワイヨ 1500円
創元社「知の再発見」双書。カラーで見せる
ダイヤモンド・エメラルド・ルビー・サファイヤ
の名品物語。後半1/3の資料編は不要だ。
8月9日(水) C
「数奇の革命」 児島 孝 思文閣出版
2000円。利休と織部の死を、権力と文化革
命との相克と捉え 本来の数奇が如何にして
滅びていったかを辿る、1995年刊の改名出
版。書院建築の成立については、疑義あり。
8月8日(火) C
「心をつつむ ふろしきの美」 森田知都子
産経新聞出版1785円。産経新聞大阪版の
文化欄日曜倶楽部に連載47回。1947年生
まれ「ふろしき研究会」代表のふろしき談義。
8月7日(月) C
「家族の痕跡」 斎藤 環 筑摩書房1500円
同書房のPR誌連載物。家族論 というより家
族随想というべき。したがって読みやすく解り
やすいが、その分追求は控えめ。いつも難し
くしすぎるから、素人にはちょうど良いかも。
8月6日(日) B
「聞き書き 飯田町の暮らし2」 非売品
飯田市歴史研究所近現代ゼミナール。古老
4人に聞く大正昭和期・飯田町の社会史。な
にか当時の姿が浮かんでくるほど、聞き手も
なかなかお上手。今後も続けて欲しい企画。
8月5日(土) C
「長岡大花火 祈り」 長岡まつり協議会
1714円。正三尺玉で有名な、長岡の花火を
文藝春秋が企画出版 したがって体裁は立派
だが 中身は各界名士に寄稿を依頼の文集。
8月4日(金) C
「頑張る日本の文房具」 1600円
ロコモーションパブリッシング。文房具に入れ
込む出版社の文具メーカー訪問ムック本。し
たがって提灯記事ばかりの、中級マニア向。
8月3日(木) B
「昭和のキモノ」 小泉和子 河出書房新社
1600円。大田区「昭和のくらし博物館」 館長
の京都女子大教授。昭和30年前後の、消滅
期まで、自身の家族史と共に綴るキモノ論。
8月2日(水) D
「『自由な時代』の『不安な自分』」 三浦 展
晶文社1800円。既出の雑多な小論の集合
対談はまだしも、渋谷ガングロギャルへのイ
ンタビュー、 はてはゼミ論。「下流社会」が売
れたからといえ こんなことが許されるのか。
8月1日(火) C
「遺伝子が解く!万世一系の秘密」
竹内久美子 文藝春秋 1429円。すべてを
生物学的繁殖の論理で読み解く、好評「週
間文春」連載。今回は、右翼オヤジ達が泣
いて喜ぶ、表題の「男系天皇論」3篇追加。
7月31日(月) C
「世界木材図鑑」E・ウォーカー他4800円
産調出版。インテリア関係に強い出版社で
木目写真を中心に 樹種・特徴を解説。しか
し日本での通称の記載の無しは、致命的。
7月30日(日) C
「迷宮レストラン」 河合真理 NHK1700円
NHK誌「きょうの料理」掲載 料理研究家に
よる 歴史上有名人への料理レシピ。それよ
りイメージした テーブルセッティングが良。
7月29日(土) C
「愛しの合掌集落」 柴田英明 桂書房
既に廃村となり朽果てる合掌民家風景から
1970年前後の集落での生活風景。さらに
最終章は、世界遺産に指定され、ごった返
す2000年前後の白川郷モノクロ写真集。
7月28日(金) C
「マンガ古雑誌マニア」 江下雅之 長崎出版
1800円。目白大学助教授による マンガ古
雑誌収集の苦労話。「マンガ古書マニア」の
続編の様相。マンガには、とんと興味なし。
7月27日(水) C
「宗教都市・大阪 前衛都市・京都」 講談社
五木寛之こころの新書838円。このところ古
文書を通しての歴史物を読むことが多い。そ
のためか、著者の文学的想像力に違和感。
7月26日(水) C
「生物多様性という名の革命」 D・タカーチ
日経BP社 3400円。生物多様性の社会学
とでも言ったらいいのか。難解な文章が延々
400頁。ただただ読み続けるだけで3週間。
7月25日(火) C
「コメを選んだ日本の歴史」 原田辰夫
文春新書790円。コメからみた日本通史は
新書ながら中身が濃い。そこでの 大きな転
換点で思う、コメの影響の大きさ。興味があ
るのは肉食との関係だが、記述は控えめ。
7月24日(月) B
「なごみの まんじゅう手帖」 1500円
河出書房新社。まんじゅうフリーク、佐々木
ルリ子・菅原すみこ 、による全国まんじゅう
御案内。いかにも、二人で楽しんでつくった
という雰囲気が一杯詰った 若い女性向け。
7月23日(日) C
「書店ポップ術」 梅原潤一 試論社
1800円。その世界では有名な、有隣堂の
店員。新刊書とそれへのPOP広告の実例
に加え、ご親切に 売り上げ推移グラフ付。
7月22日(土) C
「紙より便利な文書 PDF超活用法」
C&R研究所1800円。たしかにPDFで受け
取るケースが増えてきている。そこで今回は
その作成法等について、多少勉強してみた。
7月21日(金) B
「三遠南信 産業遺産」 石田正治 3000円
春夏秋冬叢書。豊橋市の地元出版社。三河
遠江・南信州の近代産業遺産紀行。案内は
技術研究会の中核でもある工業高校教諭。
さすが人物・経緯など周辺取材もバッチリ。
7月20日(木) C
「はじめての仏像」 宮澤やすみ 1600円
河出書房新社。仏像サイトを運営するコラム
ニストによる、初心者向け仏像解説読本。とく
にグループ別ですんなりわかる、と自慢だ。
7月19日(水) A
「フラット化する世界 下」 T・フリードマン 同
続いて、未来予測の下巻。終わりのない進歩
への道程として 初等教育の重要性を。さらに
イスラム社会の、冷静な分析。世界平和にま
で至る想像力は 感動的。NYタイムズ記者。
7月18日(火) B
「フラット化する世界 上」 T・フリードマン
日本経済新聞社1900円。地球は丸かった、
とのコロンブスを引用 大転換しつつある経済
の現状報告。世界を巡っての取材には迫力。
7月17日(月) C
「江戸の橋」 鈴木理生 三省堂 1800円
1926年生の都市史研究家。したがって 橋
そのものと同時に、当時の 水運からみた江
戸の構造に言及、なかなか興味深い内容。
7月16日(日) D
「誕生色事典」 野村順一 文春文庫PLUS
667円。1997年刊の文庫化。なぜ 誕生色
が存在するのか、その選定方法は何なのか
まったく理解不能。著者の見識を疑いたい。
7月15日(土) C
「異端の民俗学」 礫川全次 河出書房新社
2000円。表に出ないウラの民俗学について
期待に反して研究者についての論考が主体
この著者の本は前にも同経験。消化不良。
7月14日(金) C
「大丈夫な日本」 福田和也 文春新書
730円。日本の未来は大丈夫、過去の歴史
に学ぶ、博識をひとつにまとめた一見壮大な
国家論だ。でもちょっと乗り切れないのよね。
7月13日(木) D
「ゆりかごから ゆりかごへ入門」 1300円
岡山慶子・山崎正人 日経広告研究所。新し
いものづくり ビル・マグダナーとマイケル・ブ
ラウンガード による 「Cradle to Cradle」デ
ザイン。観念論の連続に苛立ちと怒りのみ。
7月12日(水) C
「信州 かやぶき民家1979〜1982」
林 安直 しなのき書房 2500円。長野県在
住の建築写真家によるモノクロ 写真集。茅
葺だけでなく古い民家への郷愁が主題だ。
7月11日(火) C
「佐藤富雄の『ツキ』の法則」 三笠書房
知的生き方文庫535円。1932年生まれの
医学・理学・農学博士による強運法。前向き
かつ楽天的に生きるための技術論。こういう
のは大切だ、子供教育の柱にすべきもの。
7月10日(月) C
「脳はなぜ『心』をつくったのか」 前野隆司
筑摩書房1900円。ロボット学者が「心」につ
いて考える。思えば不思議な 「私」の存在も
残念ながら大したことではない、という。意識
をもったロボットさえも 実現可能というのだ。
7月9日(日) C
「ロウソクと蛍光灯」 乾 正雄 祥伝社新書
740円。1934年生まれ東工大名誉教授。
専門の照明を、技術史とからめての 随想。
話が飛んで理解に苦労。結論は 暗い照明
を楽しむことこそ スローな生活であること。
7月8日(土) C
「ブログ進化論」 岡崎敬史 800円
講談社+α新書。副題は「なぜ人は日記を
晒すのか」 巷で人気のブログ、その社会学
的考察。1年間続けた、しばらくは継続だ。
7月7日(金) C
「世界が認めた日本のワイン」 リイド社
2381円。世界各国での、コンクール受賞ワ
インを中心に、日本各地のワイン・ワイナリー
紹介。オールカラー、好きな人には保存版。
7月6日(木) C
「世界の音を訪ねる」 久保田真琴 940円
岩波新書。副題「音の錬金術師の旅日記」は
大仰だが 自由で好奇心に満ちた耳は羨まし
い。個人的な音楽の地理と歴史を味わう旅。
7月5日(水) C
「ハリウッドスターはなぜプリウスに乗るのか
塚本 潔 朝日新聞社1200円。プリウスの技
術的な話はゼロ、むしろ トヨタの世界戦略を
見てきたように書く、自動車企業の評論家。
7月4日(火) B
「写真集 東海道の旅」 林 忠彦・林 義勝
ウエッジ3200円。肝臓ガンを宣告され、脳出
血で半身不随の5年間。最後の仕事となった
東海道風景は圧巻。十六夜日記を 題材に逆
に鎌倉へ下る、四男の写真はきれい過ぎる。
7月3日(月) A
「和風カラーチャート」 南雲冶嘉 1500円
グラフィック社。和の言葉160を選び、そのイ
メージを縦軸・新旧、横軸・強弱つまり季節の
4象限に配置し、色彩と配色を提案。大胆、と
いうか独善的というか、しかし爽やかな気分。
7月2日(日) D
「やまだひさしの全国縦断(エコ)アンリミテッ
ド」ソニー・マガジンズ1800円。若者に人気
だというラジオ・パーソナリティの全国エコ行
脚。底抜けのナイーブさが受けるのかいな。
7月1日(土) C
「資源インフレ」 柴田明夫 1900円
日本経済新聞社。丸紅経済研究所所長の読
む国際資源市場。内容的には報道の範囲内
その中での、日本経済の予想はポジティブ。