オール読書日記2008年下半期
12月31日(水) C
「学問の下流化」 竹内 洋 中央公論新社
1900円。京大名誉教授の読書録を中心と
した随想。その範囲は広く 思考にも柔軟性
なのに何故この書名にしたかがわからず。
平成20年しっかり本が読めて満足の1年。
12月30日(火) C
「ヨーロッパ環境対策最前線」 片野 優
白水社1900円。旧ユーゴ・ベルグラードで
出版社経営。環境雑誌連載レポート再構成
でエネルギー・交通・廃棄物・リサイクル・食
エコデザインの最新報告 ややナイーブか。
12月29日(月) C
「かたちの日本美」 三井秀樹 NHKブックス
920円。構成学の筑波大名誉教授による和
のデザイン学。19世紀から クールジャパン
まで西洋芸術への影響の解析。自然との融
合・高度な抽象性・生活芸術としての存在。
12月28日(日) C
「プレゼンのルール」 箱田忠昭 1300円
明日香出版 あたりまえだけどなかなかで
きないシリーズ。日本一のプレゼンターが
教える人前でアガラずに話し、相手を説得
する101のルール。なるほど有益である。
12月27日(土) C
「江戸の名奉行」 丹野 顕 新人物往来社
2500円。月刊誌・歴史読本連載加筆。南
町・北町をはじめ寺社奉行・遠国奉行、火
付盗賊改まで23人の人となり。プラス21
人の時流の中での 生き方の様々を描く。
12月26日(金) C
「サバイバル!」 服部文祥 ちくま新書
760円。食糧は米・調味料のみ岩魚を釣っ
ての単独行。時計・ライトすら持たない、サ
バイバル登山の実践家による登山の美学
副題は「人生はズルなしでいきられるか」
12月25日(木) C
「日本の美100」 平凡社コロナブックス
1800円。各界の有名人25人にそれぞれ
4つを あげていただく試み、写真も有名写
真家 さらに高橋睦郎と池内紀の対談つき
と豪華なムック本 だが感想はとくになし。
12月24日(水) C
「日本人"魂"の起源」 上田正昭 1400円
情報センター出版局。1927年生まれの先
生の神話論は 素人には少し辛いものがあ
る。何が言いたいのか判らないまま終了。
12月23日(火) B
「戦争サービス業」 R・ユッセラー2800円
日本経済新聞社。増大する、民間軍事会社
の役割。今その端緒にある独からの重厚な
報告。管理されない存在が いかにして民主
主義を蝕むか。しかし一方では 無力感も。
12月22日(月) B
「帯と文様」 弓岡勝美・編 世界文化社
3000円。美術館に居るようなひと時、豪華
な帯を文様ごとに紹介 ため息の出るような
精緻な仕事ぶりと美しさ。監修・藤井健三。
12月21日(日) C
「日本石巡礼」 須田郡司 1300円
日本経済新聞社出版局。石を専門に撮り歩
く写真家。巨石は、古くから信仰の対象にな
り易いもの そんな有名な巨石を訪ねる旅。
12月20日(土) C
「図説 中国の科学と文明」 R・テンプル
河出書房新社3800円。1992年初刊の改
訂新版。英王立協会 J・ニーダム博士の中
国科学史の未完の大著から一般向けに 西
洋に先行した中国の発明を図版入り解説。
12月19日(金) C
「展示・ものづくり はじめの一歩」 石川理恵
グラフィック社1500円。ものづくり作家を目
指す若い女性を対象に 小さなカフェや雑貨
ショップでの 作品発表のためのノウハウ。
12月18日(木) B
「かぐや姫の結婚」 繁田信一 PHP研究所
1400円。90まで生きた という藤原実資の
日記から、55歳で授かった愛娘・千古を主
人公に、その溺愛ぶりを千年の時を越えて
大胆に描く 1968年生まれの若き研究者。
12月17日(水) C
「わかりやすいハザードのはなし」 亀井 太
中災防新書945円。安全管理学入門という
感じだが、書名ほどには 判り易くない。つま
りはハザードという、言葉そのものに起因。
12月16日(火) B
「奇想遺産U世界のとんでも建築物語」
新潮社2800円。朝日新聞日曜版連載。鈴
木博之・藤森照信・隈研吾・松葉一清・木村
伊量・竹内敬二・山盛英司が紹介する建築
2/3が初めて知るもの、要領の良い解説。
12月15日(月) C
「使ってみたい 武士の作法」 杉山頴男
並木書房1400円。できることなら日常的に
刀を2本差して歩きたい、という恐るべきアナ
クロな、1946年生まれのオヤジ。武士につ
いての薀蓄を あれこれ披露するのである。
12月14日(日) C
「ジュエリー制作の技法事典」J・マグラウス
スタジオ タック クリエイティブ 4800円。宝
飾デザイン技法の写真解説。セルブのため
のジュエリーは、工芸品というよりも 芸術。
12月13日(土) C
「虚構のインフレ」 上野泰也 1600円
東洋経済新報社。人口減少社会においては
デフレが必然との論理。しかし世界的には人
口増加はまだ続く。世界経済においてもイン
フレ要因は少ない、という見方には疑問符。
12月12日(金) C
「紅葉ハンドブック」 林 将之 文一総合出版
1200円。全80頁のブックレットは時宣を得
た楽しい企画。赤い紅葉の樹木から 橙色あ
るいは黄色の葉の形の見分け方樹形など。
12月11日(木) C
「がんで男は女の2倍死ぬ」 朝日新書
田中-貴邑 富久子760円。いわゆる性差医
学の概要。最初のうちは大人しいが 性差が
社会・文化に由来、を医学的に説明、と次第
にジェンダー思考丸出しも、納得しかねる。
12月10日(水) C
「のたうつ者」 挟土秀平 毎日新聞社
1200円。TVにも何度も登場した、飛騨のカ
リスマ左官。信奉する矢沢永吉にも似てカッ
コいいイケメン男の、泥の中での半生自伝。
12月9日(火) C
「写真と図解で楽しむ 線路観察学」
石本祐吉 アグネ技術センター2200円。鉄
ちゃんパーツ派の御仁、による鉄道線路の
技術的観察特集。これはこれで 楽しめる。
12月8日(月) D
「世界の運河めぐり」 及川 陽 1700円
文芸社。NTTから子会社会長の土木屋さん
視察旅行に夫婦同伴 食事の内容など詳細
な旅行記は 自費出版のようだ。期待した運
河景観への言及少なく 面白味まるでなし。
12月7日(日) C
「洋酒の飲み方・愉しみ方BOOK」1300円
成美堂出版。ウィスキー・ブランデー・ウォッ
カ・ラム・ジン・テキーラ。スピリッツ類の スト
レートあるいはカクテル、それに銘品など紹
介ムック本。価格表示がないのには 不満。
12月6日(土) C
「【絵引】民具の事典」河出書房新社6500円
監修・岩井宏實、編・工藤員功、作画・中林啓
治。 たべる・よそおう・すまう・たがやす・かう・
とる・つくる・はこぶ・あきなう・いのる・たのしむ
まじわる。全て図解での 487ページ重量級。
12月5日(金) C
「容赦なき牙」 ロバート・B・パーカー
早川書房1900円。小説はあまり読まないの
だが この作者のものはつい手にとってしまう
警察署長ストーン・シリーズ 第7作目。えらく
魅力的な、悪党が登場。今後常連化しそう。
12月4日(木) C
「寒天・ところてん読本」 松橋鐵治郎 農文協
1850円。1930年生まれの寒天研究者。茅
野での寒天製造にも詳しいが、いささか専門
的過ぎて ちょっと手に負えない感じで終了。
12月3日(水) B
「大人の時間はなぜ短いのか」 一川 誠
集英社新書700円。前半の知覚の構造から
後半は道具としての時間からの解放「生きて
いる時間・生きられる時間」と哲学的・文学的
思考。とくに後者をどう考えるか、を重く示唆。
12月2日(火) C
『「声」の秘密』 アン・カーブ 草思社2200円
声をめぐる社会文化論。各論的には おっしゃ
ることは よくわかるのだ。しかし、最終的な結
論といえるものがなく 欲求不満状態のまま。
12月1日(月) C
『よくわかる「プル生産とプッシュ生産」の本』
越前行夫 日刊工業新聞社 1800円。ナット
ク現場改善シリーズ。生産管理コンサルタン
トによるジャスト・イン・タイムほか、プル生産
の指南。当方には、あまり関係ないですナ。
11月分はデータ紛失のため書名のみとしました11月30日(日) C
「洋酒の飲み方・愉しみ方BOOK」
11月29日(土) C
「原子力空母」
11月28日(金) C
「カラ売りの美学」
11月27日(木) C
「家庭力」
11月26日(水) C
「パリ 中世の美と出会う旅」
11月25日(火) C
「アーチャー」
11月24日(月) C
「鉄道線路は謎ばかり」
11月23日(日) C
「差別の根源を考える」
11月22日(土) C
「カタログ・チラシ・キャッチコピー大百科」
11月21日(金) C
「大正ロマン着物女子服装術」
11月20日(木) C
「自分をグローバル化する仕事術」
11月19日(水) C
「銃の基礎知識」
11月18日(火) C
『世界一高いワイン「ジェファーソンボトル」の酔えない事情』
11月17日(月) D
「女神と鳳凰にまもられて」
11月16日(日) C
「歴史の中の未来」
11月15日(土) C
「チャールズ&レイ・イームズ」
11月14日(金) C
「減築のすすめ」
11月13日(木) C
「内木孝一の 一生使える器選び」
11月12日(水) C
『神と仏の風景「こころの道」』
11月11日(火) C
「千年前の人類を襲った大温暖化」
11月10日(月) C
「緊急地震速報」
11月9日(日) C
「グリーンツーリズムの新展開」
11月8日(土) C
「買物難民」
11月7日(金) C
「I T リスクの考え方」
11月6日(木) C
「やまと教」
11月5日(水) C
「ヴェネチアと水」
11月4日(火) D
『隠された物部王国「日本(ヒノモト)」』
11月3日(月) C
「人間の境界はどこにあるのだろう」
11月2日(日) C
「住宅建築トラブル相談ハンドブック」
11月1日(土)B
「世界は仕事で満ちている」
10月31日(金) C
「新版ライフヒストリーを学ぶ人のために」
谷 富夫・編 世界思想社2300円。1996年
刊の旧版に続く、社会学での 聴き取り調査
「生活史法」 実践例。個人的な感情を普遍
化する方法は、景観調査にも 敷衍可能。
10月30日(木) C
「人間の境界はどこにあるのだろう?」
F・F=アルメスト 岩波書店2000円。英の
大学教授による、「人間論」 は何を言いた
いのかサッパリわからず そのまま終了。
10月29日(水) C
「日本に足りない軍事力」 江畑謙介 860円
青春出版社。前半は北朝鮮のミサイル攻撃
への対処の難しさ。後半は世界の軍事力の
趨勢の中で、腰の定まらない日本の現状。
10月28日(火) C
「青春18キップ達人の旅ワザ」 松尾定行
ランダムハウス講談社1200円。フリー旅ラ
イターによる同キップの使い方指南。興味が
ない人には 至極めんどくさい旅ワザ数々。
10月27日(月) C
「男のための自分探し」 伊藤健太郎
1万年堂出版1200円。始めは面白い視点
で進むも、中盤から「死」にのめり込んでの
古典の引用。尻切れトンボ気味な哲学論。
10月26日(日) C
「住宅建築トラブル相談ハンドブック」
新日本法規 4500円。99建築問題研究会
による執筆で、判例を加えての紛争の実態
集。全514頁ほぼ知識のうちで 安心した。
10月25日(土) B
「非鉄金属業界大研究」 産学社1400円
大学就職用のシリーズ業界本。銅・アルミ
レアメタルの世界的動向など詳しく大変勉
強になった。他業界についても読みたい。
10月24日(金) C
「消える日本の自然」 恒星社厚生閣
3000円。前半は写真が語る108スポット
の 森林・草原・湿地・里地里山・川・湖沼・
海岸・干潟・サンゴ礁・海中林 の現状。後
半は 全国の生物学研究者18人の報告。
10月23日(木) C
「要塞列島-日本への遺言」 安島太佳由
窓社3200円。一貫して日本の戦争遺跡
を訪ねての写真集。やはり歴史の重さを
感じる。一方で廃墟としての美しさをも。
10月22日(水) B
「遠山谷南部の民俗」 飯田市美術博物館
柳田國男記念民俗学研究所。同市地域史
研究事業民俗報告書3は 聞き取りが中心
内容と同様に461頁A4判はズシリと重い
こういう時代が確かにあったのだ と感慨。
10月21日(火) C
「時局を洞察する」 北尾吉孝 経済界
1429円。あのホリエモン・フジTV事件で有
名になったSBIホールディングCEO ブログ
に対談を交え再構成。得意は中国格言話。
10月20日(月) C
「フィランソロピー」 出口正之 620円
丸善ライブラリー。サントリー文化財団事務
局長。企業と人の社会貢献について新聞連
載の加筆。コミュニティ財団への期待 はい
いが15年前の発行、その後どうなったの。
10月19日(日) C
「カラー図解でわかる 光と色のそくみ」
ソフトバンク クリエイティブ952円。サイエン
ス・アイ新書。3名の執筆は専門の天文から
自然界の色がテーマ。中高生向け科学本。
10月18日(土) C
「水の未来」 F・ピアス 日経BP社 2300円
3/4まで世界各地の水不足報告。農業の生
産性向上が、地下水位低下や塩害を招く現
状は現代文明へ 示唆的。その後、凝結水・
雨水の利用や節水農業など 未来へ言及。
10月17日(金) C
「Yanagi Design」 平凡社 1800円
現在92歳、今もって人気の高いプロダクト
デザイナー柳宗理の作品・論文を (財)柳
工業デザイン研究会が集大成 感想なし。
10月16日(木) C
「改訂新版 ジオグラフィー入門」 古今書院
2500円。地理学者28人による現代地理学
の大学教科書。まさに 難関大学の入試・地
理論述の内容そのもの。また限りなく、地理
学が社会学に近づいている様にも思える。
10月15日(水) C
『奪われた国歌「君が代」』 古田武彦
情報センター出版局1400円。御歳82、一
貫して7世紀までの九州王朝の存在を主張
「君が代」は その王への歌と今回も、同様。
10月14日(火) D
「継世代毒性」 稲津教久 秀和システム
1200円。母親をとおして胎児につたわる有
害化学物質 全ての分野に存在する危険性
を指摘。じゃどうすりゃいいんだ その答えは
何処にもない。あえて、無責任と言いたい。
10月13日(月) C
「信州を楽しむ住まい」 小澤 仁 川辺書林
1400円。伊那の 「工房信州の家」という住宅
会社社長の家造り哲学。よくある宣伝本は長
野市の出版社。意外に謙虚な物言い 好感。
10月12日(日) C
「越後毒消し売りの女たち」 桑野淳一
彩流社1800円。1951年柏崎生まれの旅
行作家。海岸侵食で消えた毒消し売りで有
名な美人村・角海浜を訪ねる旅は、故郷に
近い感傷と 前のめりの姿勢で 自己満足。
10月11日(土) C
「ハム・ソーセージ入門」 日本食糧新聞社
1200円。新書版の食糧知識ミニブックスシ
リーズは1993年初版これは改訂3版 技術
的な内容だが プロ用にしては少し疑問符。
10月10日(金) B
「日本の街道ハンドブック 新版」 三省堂
1500円。1983年「日本の街道事典」として
出版、1993年に現書名 さらに新版となった
という人気の本。中身の充実ぶりはお見事。
10月9日(木) C
「痩せりゃいいってもんじゃない!脂肪の科
学」 森永卓郎・柴田 玲 文春新書680円。
森永先生は対談の相手のみ その恐ろしい
メタボライフ。他は何を言いたいか判らず。
10月8日(水) C
「宮大工 西岡常一の遺言」 山崎佑次
影国社1800円。大棟梁の最晩年をビデオ
取材のプロデューサーによる 聞き書き集。
ちょっとカッコ良すぎるけど、内容は理解。
10月7日(火) C
「つくってみよう!まちの安全・安心マップ
傘木宏夫 自治体研究社1333円。大町市
で、まちづくりNPOを主宰。安全マップ作り
ワークショップの実践例を記録した 小冊子
景観調査にも使えそう、研究の余地あり。
10月6日(月) C
「石積作法」 龍居庭園研究所 1400円
建築資料研究社。2003年刊のガーデンテ
クニカル・シリーズA は全国石積写真集。
やはり積む人こそ、美しさがわかるようだ。
10月5日(日) B
「モダン都市の系譜」 ナカニシヤ出版
2800円。大阪市立大地理学の3名、による
京都・大阪・神戸の都市の記憶を探る試み。
文学や新聞記事などから丹念に当時を再現
本当は、都市計画屋さんにやってほしいナ。
10月4日(土) C
「へんな趣味オール大百科」 500円
KKベストセラーズ。よいこの絵本ベストムッ
クシリーズDはNHK熱中時間に、品位では
劣るが、笑える度高し。長男の親友の編集。
10月3日(金) C
「中国56民族手帖」 松岡 格 1200円
マガジンハウス。同じ姿勢の若い女性に民
族衣装を着せ替えイラストは ワタナベマキ
コ。3000人弱のロパ族から漢民族まで。
10月2日(木) C
「街を歩いてエッセイを書こう」 1200円
雷鳥社。三善里沙子と街歩きエッセイの会
の面々。気になるのは同じ文体。巻末街歩
きエッセイのココロ・カラダ・ワザは同感。
10月1日(水) C
「リキテックス大全」 美術出版社2200円
非常に応用性の高いアクリル絵具の活用
編・技法編ムック。個人的には 色よりもマ
テリアルとしての、メディウム類に 興味を
もった。つまり模型での 表現への応用。
9月30日(火) C
「アキレスとカメ」 吉永良正 講談社
1429円。ゼノンの 4つのパラドックスの考
察。哲学者の数学的思考か数学者の哲学
的思考。どうでもいいけど 皆目わからず。
9月29日(月) C
「ホンノンボ」 宮田珠己 ポプラ社1500円
ベトナム風岩石盆栽は ホンノンボ。ジェット
コースター評論家、全国の巨大仏 探索の
次は、えらくスケールダウンしちゃったよ。
9月28日(日) C
「ママチャリお遍路1200KM」 本田 亮
小学館1600円。アウトドア誌「BE−PAL」
連載加筆。中年「サラリーマン転覆隊」が挑
む5回に分けて 20日間の遍路結願体験。
9月27日(土) C
「差別から見る日本の歴史」 ひろたまさき
解放出版社 2500円。月刊「部落解放」連
載加筆の裏からみた日本史。しばらくは抑
制的。専門の明治では説得力も それ以降
は 反米・天皇制反対といつものパターン。
9月26日(金) C
「日本の大工道具」 藤城幹夫 東洋書店
1800円。インテリア学会で顔見知り、匠の
智恵と進化の歴史 の副題。木造関係の専
門用語豆辞典もついて、今さらのお勉強。
9月25日(木) C
「埋没する国家」 田中直毅 講談社1700円
政治における改革とは何か を問いながら小
泉改革に深く関わった時代を 思い起こす随
想録。未来については少々悲観的で残念。
9月24日(水) C
「日本型バイオエタノール革命」 山家公雄
日経新聞社 1800円。前2/3は新聞記事の
範囲。後1/3で日本のバイオエタノールのプ
ラント実験の報告 単価の問題で大型化を模
索。地産地消の小型プラントへの言及なし。
9月23日(火) C
「詳解 庭のつくり方」 石田宵三 農文協
1857円。1998年初刊これは2004年の第
11刷目という 隠れたべストセラー。むしろ後
半の、庭木・生垣の手入れ法が使えそうだ。
9月22日(月) C
「なぜシリコンバレーではゴミを分別しないの
か?」 瀧口範子 プレジデント社1429円。日
経パソコンの週間コラム加筆 シリコンバレー
の最先端報告は今までの I T 本の中では出
色の面白さ アメリカという国はやはりスゴイ。
9月21日(日) C
「地図表現ガイドブック」 浮田典良・森 三紀
ナカニシヤ出版 2400円。主題図作成の原
理と応用と題された 地図の作り方は京大方
式。前半難しい文章で苦労、後半は 理解。
9月20日(土) D
「天皇制と部落差別」 上杉 聰 解放出版社
2200円。天皇制があったからこそ、部落差
別が生じた。この1点のみでの、極めて政治
的な内容。あらゆる所での 都合の良い解釈
は、学会からも、社会的にも 無視されよう。
9月19日(金) C
「超高層ビビル 日本編」 中谷幸司
社会評論社2200円。全国すべての超高層
ビルが1棟づつ写っている、B6判の写真集。
1977年生まれ、もはや超高層ビル評論家。
9月18日(木) C
「いざというときの警察ご利用案内」 幻冬社
1300円。ファンタジー北芝こと元警視庁刑
事の北芝健による、現代犯罪の実情とその
対応策いろいろ。メディアの伝えない実態。
9月17日(水) C
「里山ビジネス」 玉村豊男 集英社新書
680円。佐久でワイナリーとレストラン経営
その苦労話、現在と未来。グローバル経済
に対抗する、地産地消の里山ビジネス論。
9月16日(火) C
「科学物質はなぜ嫌われるのか」 1580円
佐藤健太郎 技術評論社 知りたいサイエンス
シリーズ。世間を賑わす科学物質のリスクを
正面から論ずる。環境問題・食品不安・健康
食品・薬品副作用。化学者だけに、擁護派。
9月15日(月) C
「夫婦の格式」 橋田壽賀子 集英社新書
700円。男を立てる、という古風な夫婦道再考
だが夫が逝って20年、だから言えるのではな
いだろうか。最後は もう著者の遺言でもある。
9月14日(日) C
「黒田人形覚書」 伊藤善夫・編 価格不明
前会長・麦島正夫と保存会の皆さんによる人
形芝居思い出話は 立派なクロス製本。平成
8年の文集の増補改訂版で、平成13年刊。
9月13日(土) C
「農耕起源の人類史」 P・ベルウッド5200円
京都大学学術出版会。索引を含めると560頁
の大著は豪の考古学者が 言語学との共同作
業で、世界の農耕起源を概観。なにせ紀元前
数千年の話で あまり現実感なしに終了した。
9月12日(金) C
「日本で最も美しい村」 佐伯剛正 岩波書店
2200円。全国11ヶ所の加盟地域を訪ねる旅
近くの大鹿村での村歌舞伎鑑賞に「おひねり」
の作り方・投げ方指南に笑。活字小さく苦労。
9月11日(木) B
「まちがいだらけの自転車えらび」1500円
エンゾ・早川 双葉社。茅ヶ崎でプロショップ経
営の自転車談義 あるいは自転車哲学。早稲
田出、知性はあるが、品位に欠ける痛快な文
章だが求道的な自転車原理主義には降参。
9月10日(水) C
「いま、すぐはじめる地頭力」細谷 功1500円
大和書房。鍛えられないから こそ「地頭」とい
うのではないか。理系出身コンサルタントによ
る、ビジネスにおける 創造的思考法の紹介。
9月9日(火) C
「聞かせる技術」 山口義行 河出書房新社
1400円。700人の大講義で私語なし、という
伝説の 立教大金融論の先生。短大講義時の
参考になるかと思って読んではみたが あまり
効なし。やはり、天性の才のような気がする。
9月8日(月) C
「用の美 上下」 世界文化社 各3800円
日本民藝館所蔵の柳宗悦コレクション。上巻
は日本、下巻は李朝もの中心で とくに感動し
たのは織布類、古着を裂いて織り直したもの
あるいは麻に補強の刺し子など タメ息もの。
9月7日(日) C
「種類や上手な使い方がよくわかる ねじ図
鑑」1800円。誠光堂新光社技術チャレンジ
シリーズは螺子についてのABC。中高生向
け入門書は たしかに非常にわかりやすい。
9月6日(土) C
「すべてがわかる!やきもの技法辞典」
双葉社2700円。陶芸雑誌「つくる陶治郎」
編集部編 有名作家93人の手法解説写真
付きムック本。 「○○鑑定団」 中嶋先生の
解説が多少わかるようになった氣がする。
9月5日(金) C
「額縁への視線」 小笠原尚司 八坂書房
1800円。額縁専門の店舗と教室を主宰の
写真家。西洋と日本の 額縁への思いの違
い、さらにはインテリアデザインにも言及。
9月4日(木) C
「新しい市民農園」 廻谷義治 農文協
1700円。元千葉県役人が長年の経験から
農地法にふれず相続税対策にも有利な「入
園利用方式」の市民農園の経営ノウハウ。
9月3日(水) B
『「課題先進国」日本』 小宮山 宏 1600円
中央公論新社。知の統合化 つまり社会性の
高い知識こそ「教養」というのだろう。しかも全
てをプラスに考える前向き思考は、読むほど
に未来への希望と、勇気が湧いてくるのだ。
9月2日(火) B
「家紋の事典」 高澤 等 東京堂出版
4000円。重量級家紋解説。デザイン的にみ
ると 図案そのものより、構成の仕方に面白さ
さらにその呼び方により ひとつひとつ特定可
能な点などは、和のデザインの極地の趣き。
9月1日(月) C
「図解 木と木材がわかる本」 岩本憲三
日本実業出版社1600円。エコロジカルな素
材としての木材と 木そのものについて、中高
生向けの入門書は過不足なくまとめた印象。
8月31日(日) C
「世界遺産 ユネスコ事務局長は訴える」
松浦晃一郎 講談社1800円。駐仏大使から
転進。ユネスコ世界遺産の概要と、その歴史
また登録の内幕、あるいは政治学について。
8月30日(土) C
「世界陰謀史事典」 J・レヴィ 柏書房
2800円。ジャンル別に世界史の中での事件
の真相 紀元前から現代まで。歴史的知識が
もっとあれば、も少し楽しめたかも知れない。
8月29日(金) C
「信用金庫の地域貢献」 関 満博・鈴木眞人
新評論2200円。リレーションシップ・バンクと
して地方小都市から県庁レベルさらに大都市
での9の信金の実践報告。だが似たようなパ
ターン 関先生の本にしては最もツマらない。
8月28日(木) C
「エレベスト」 梅田カズヒコ 戎光洋出版
1238円。「日本初のエレベーター鑑賞ガイド
と銘打つ、ELV好き人間の「エレベストの会」
代表世話人。まったく今どきは何でもありだ。
8月27日(水) C
「江戸の武家名鑑」 藤實久美子 吉川弘文館
1700円。いわゆる武鑑と称される 大名図説
名鑑の研究は ノートルダム清心女子大准教
授。とくに版権を巡る争いの詳細は 専門的す
ぎるが、当時の政治状況を活き活きと描写。
8月26日(火) D
「日本人は戦略・情報に疎いのか」
太田文雄 芙蓉書房出版1800円。元防衛大
教官が退官にあたり、まとめた日本古戦史に
関しての随想録で、書名はあまり関係なし。
8月25日(月) C
「よくわかる最新照明の基本と仕組み」
松下 進 秀和システム2000円。照明の本は
全て今ひとつの印象、この本の売りは最終章
輝度設計から、将来の「明るさ感」のデザイン
という、人間心理工学的手法の道への言及。
8月24日(日) C
「躍進する『駅ナカ小売業』」 宮本惇夫
交通新聞社1800円。鉄道弘済会の時代か
ら、JR東日本リテールネットの誕生と、駅中
コンビニ「NEWDAYS」の発展の経緯まで。
8月23日(土) C
「厨房の奇人たち」 B・ビュフォード 白水社
2700円。前半の有名イタリアン店潜入記は
その暴力的なスピードについて行けず。後半
のイタリア片田舎での肉屋修業で ようやくス
ローフードの真髄を 理解できたような印象。
8月22日(金) C
「潜水艦入門」 イカロス出版 1619円
ミリタリー選書26巻目は潜水艦について。戦
略的に最も重要なシステムを そつなくまとめ
た、初心者から中級向けという 位置付けだ。
8月21日(木) C
『「死体」が語る中国文化」 樋泉克夫
新潮選書 1000円。愛知県立大教授による
中国文化論。嫌中国派も たじろぐ趣味の悪
さ。それに 引用資料が古すぎる。現代中国
も同じ様に考えてよいのか、疑問を持った。
8月20日(水) C
「ローカル プレミアムをみつけよう!」
技術書院1800円。玉井憲夫のまちづくり塾
と銘打つ。内容は司会を含め 3人の鼎談形
式。やはり安易な本づくりで構成に唐突感。
8月19日(火) C
「ヒット商品を生む 観察工学」 山岡俊樹
共立出版 2800円。和歌山大システム工学
のデザイン専攻は、感性工学として有名。そ
の創始者が教え子とともにまとめたデザイン
の工学的方法論の実践例だが、未だ不満。
8月18日(月) C
「木曾・御嶽 わすれじの道紀行」 田中 博
風媒社爽ブックス1600円。しっかり写真を
載せた木曾文化探訪小型ムック本。しかし
地図が1枚だけでは紀行の助けにならず。
8月17日(日) C
「ルポ“正社員”の若者たち」 小林美希
岩波書店1700円。就職氷河期世代の職場
事情。一方でフリーターがいれば、他方で長
時間労働に喘ぐ 正社員がいる。悲惨な現状
をこれでもか のルポ、しかし悲観的過ぎる。
8月16日(土) C
「のりもの勝席ガイド 2008-2009」
2381円。飛行機専門のイカロス出版による
鉄道・航空・夜行バス・フェリーの座りたい座
席がわかる シートマップのデータブックだ。
8月15日(金) C
「旅館再生」 桐山秀樹 角川oneテーマ21
686円。旅・ホテルに詳しい 作家による旅館
再生実例集。とくに後ろ1/2は星野グループ
による再建例。日本旅館の9割が赤字だとい
うが、いわゆる本来の宿屋の復活を期待だ。
8月14日(木) B
「北京」 春名 徹 岩波新書780円
中国史に詳しい作家の北京案内 やはり清朝
の遺物が中心。非常に抑制の効いた かつ格
調の高い文章で清々しい気分にて終了した。
8月13日(水) C
「華麗に神々舞う里」 三隅治雄 新葉社
3143円。1927年生まれ民俗芸能研究の
大御所による 南信州・奥三河の祭りムック
地元出版。神楽・田楽・舞楽・獅子舞・風流
盆行事・人形芝居・地芝居など文化集成。
8月12日(火) C
『「街的」ということ』 江 弘毅 720円
講談社現代新書。神戸の 地域情報誌の元
編集長。「街」とは何か、どうでもいいことを、
タテ・ヨコ・ナナメ これでもかと、書きまくる。
8月11日(月) C
「不倫の恋の品格」 亀山早苗 WAVE出版
1400円。不倫の品格とは「秘め事」としての
「客観性」を自覚できているか、にあるらしい
不倫ライターによる恋愛論は 修羅場一杯。
8月10日(日) C
「コンパクトシティの計画とデザイン」
海道清信 学芸出版社3500円。世界の潮流
としてのCC。その具体的な姿を、欧米と日本
各地に追うのだが しかし未だ模索中の様相。
ヒントは 各レベルでの交通計画にありそう。
8月9日(土) C
「人を見る目がない人」 植木理恵 1200円
講談社セオリーブック。人の見分け方指南。
面白いのは、後半の○○効果と題した30に
およぶ心理的解析術で、なるほどと思った。
8月8日(金) C
「<使い勝手>のデザイン学」 H・ペトロスキー
土木の技術史の教授による 身の廻りのデザ
インについての考察は、やはり技術史的な面
白さがある。しかしあくまでも使い勝手に重点
美やメッセージにも踏み込んでほしいところ。
8月7日(木) C
「東京町工場」 Beretta P−08 雷鳥社
1500円。49人の写真家が町工場に潜入の
写真集と解説。工場の雰囲気も大切だろうが
作られた部品に興味。そっちをもっと見たい。
8月6日(水) C
「苗字と名前を知る事典」 奥宮敬之
東京堂出版 2500円。1936年生まれ名前
学大家の格調高い、氏名・姓名・名字・苗字
諱・通称の研究。ただ字を変えたり、読み方
を変える苗字の変遷については 記述無し。
8月5日(火) C
「在日米軍司令部」 春原 剛 新潮社
1400円。日経記者による日米政府・自衛隊
米軍の関係の現状ルポは元司令官ライト中
将を軸に展開。どちらかといえば右寄りか。
8月4日(月) C
「地域からのエコツーリズム」 敷田麻美
学芸出版社 2000円。北大教授とNPOねお
す共著は北海道でのツアーを例証、観光・交
流による持続可能な地域づくり を目指す。の
はいいが 学習という言葉の多用には閉口。
8月3日(日) C
「封印されたミッキーマウス」 安藤健二
洋泉社1300円。若手元記者一貫して「封印
モノ」の徹底取材。書名は 20年前卒業記念
のネズミの絵が (D・プロ)に消された事件。
8月2日(土) C
「ウィキペディアで何が起こっているのか」
山本まさき・古田雄介1900円九天社。参加
型百科事典 ウィキペディアの抱える諸問題
責任者不在という、理想論の検証。ただし目
線は上向きで、匿名性問題にも楽観姿勢。
8月1日(金) C
「その日本語が毒になる!」 吉村達也
PHP新書 700円。ミステリー作家の日本語
論は、どちらかと言えば表題通り、性悪説様
否定的表現の嵐。あまり美しいとは言えず。
7月31日(木) B
「疑似科学入門」 池内 了 岩波新書700円
科学論の大御所が、第1種オカルト系、第2
種トンデモ系、さらに複雑系を第3種として、
それぞれ検討。心理ゆえに、決して無くなら
ない現実から 科学教育の大切さを訴える。
7月30日(水) C
「兵器の歴史」 加藤 朗 芙蓉書房出版
1600円。戦略研究学会のストラテジー選書
第1巻。身体論的 に兵器開発の歴史を分析
未来の姿をさぐるもの。未だ発展途上の感。
7月29日(火) C
「アジア三国志」 ビル・エモット 1800円
日本経済新聞社。今後の日本・中国・インド
の方向。新鮮な見方で面白い。中国共産党
一党独裁=自民党長期政権説 には笑えた
が 世界経済の楽観的な見通しには「?」。
7月28日(月) B
「観光振興と魅力あるまちづくり」 2600円
佐々木一成 学芸出版社。地域ツーリズムの
展望、と副題のついた 観光まちづくりの手引
き書は、幅広い視点とバランスの良い内容。
7月27日(日) D
「アニメーションとライフサイクルの心理学」
横田正夫 臨川書店 2600円。生き方・生き
様という意味でのライフ…という用語に異議
トルンカ・川本喜八郎とゲ…の鬼太郎 の深
読みが延々と、それを称して心理学とは?
7月26日(土) C
「もいちど修学旅行をしてみたいと思ったの
だ」小学館1300円。週刊誌の企画でオヤジ
3人が名所旧跡を巡る旅。書いているのは北
尾トロ あいかわらずのユルさがたまらない。
7月25日(金) D
「和風レトロ地紋CD-ROM」 大室はじめ
気の早い話だが 毎年年賀状に和風柄を使
用。いつも何にしようか苦労するので借りて
きた。多少のヒントにはなったが拍子抜け。
7月24日(木) A
「タクシー王子、東京を往く。」 川鍋一朗
文藝春秋1350円。日本交通三代目の新人
ドライバーの1ヶ月間。スピード感充分、しか
も泣かせるツボも心得た、素人の坊ちゃんと
は とても思えない文章、実際 泣かされた。
7月23日(水) C
「酒蔵で訪ねる信州」 川崎史郎 1600円
信濃毎日新聞社。北から南へ87の蔵を紹
介。飯田周辺は戦時中37の蔵が協業化し
て1社のみ。こうやって小さな蔵が妍を競っ
ているのを見ると、文化という点で淋しさ。
7月22日(火) D
「戦国史の怪しい人たち」 鈴木眞哉 760円
平凡社新書。元役人の歴史研究家。相当な
ヘソマガリとみえて、博学知識から講談など
で活躍の人物の実在あるいは伝記を否定。
7月21日(月) C
「セックスがこわい」 香山リカ 筑摩書房
1300円。多様な事例にたじろぎ論点未整理
腰定まらず。フロイトの時代よりもっと自己が
肥大化、社会の複雑化で重要度が高い問題
今後も本腰を入れて 追求してほしいところ。
7月20日(日) C
「新たなる資本主義の正体」2200円 ランダ
ムハウス講談社。米の経営者3名による「市
民経済」の未来。投資家のファンドへの意志
表示から、開かれた会社経営が可能との楽
観論。今の食糧・原油への投機をどうみる。
7月19日(土) B
「好かれる技術」 西松眞子 1500円
インデックス・コミュニケーションズ。コンサル
タントによる、好感をもたれる仕草・アクション
などのレッスン。手・顔・胴・脚、そして目線。
7月18日(金) B
「稲作渡来民」 池橋 宏 講談社選書メチエ
1700円。イネ学専門家による、弥生人成立
の過程。華南から山東半島さらに朝鮮南部
から小舟で渡来 日本西部の河口で水田耕
作を始めた男達が縄文人と混合のと推測。
7月17日(木) C
「人類が消えた世界」 A・ワイズマン
早川書房 2000円。人間の存在自体が反エ
コだ という意見は前からある。その人のいな
くなった世界を、時間的にも空間的にも壮大
に行ったり来たりする想像力にお付き合い。
7月16日(水) C
『「木組」でつくる日本の家』 松井郁夫
農文協2667円。百の智恵双書16号は伝統
構法による家づくりの勧め。全くの正論である
しかし 何か引っ掛るのだ。やはり地産地消を
訴える「食」と同じく コストの問題に行き着く。
7月15日(火) C
「完全定本 風水大全」 盧 恆立 3500円
河出書房新社。香港の研究家による風水学
の詳細は、各流派の解説付き。興味は景観
の存在。原初的には 想像できるが、易経と
同じく、数字の思想化の 印象を拭えない。
7月14日(月) C
「ゴムはなぜ伸びる?」 伊藤眞義オーム社
1200円。東京理科大・坊ちゃん選書。コロ
ンブスが伝えたという古い素材も、今もって
不可欠。新しい物質を付加し さらに変身。
7月13日(日) D
「大地震の前兆をとらえた!」 木村政昭
第三文明社1200円。これまでも予知本を数
冊出してきた、琉球大名誉教授。様々なデー
タを 都合良く解釈しての予測。ただし先般の
中国四川大地震は地域・時期ともに空振り。
7月12日(土) C
「写真集 自然農に生きる人たち」新井由起
自然農通信社2000円。耕さず 刈った草を
そのまま放置して堆肥化させる、という自然
農を求めての全国行脚。メタボは いない。
7月11日(金) C
「不可能性の時代」 大澤真幸 岩波新書
780円。戦後から70年まで、さらに95年ま
で、続く現代をさぐる壮大な物語。逆説の連
続で判った気にさせる。最後には お好きに
やってくださいまし御代官様。でさらに続く。
7月10日(木) D
「アイビーは、永遠に眠らない」 花房孝典
三五館 1500円。VANの創始者・石津謙介
の若き友人が描く、在りし日のエピソード。世
代的にはVAN真っ最中だから多少の感慨。
7月9日(水) B
「うつ病の真実」 野村総一郎 日本評論社
1700円。日本うつ病学会理事長の防衛医
大教授による臨床的うつ病の全て。非常に
わかり易く かつ愉快な文章で その歴史的
な経緯から 診断と治療の今後への展望。
7月8日(火) D
「浜崎橋はなぜ渋滞するのか?」 571円
ニッポン放送。ほとんどが都内の渋滞地点と
その回避路の説明。しかも出版は2年前、な
ぜこれを蔵書としたのか疑問を呈するもの。
7月7日(月) C
「心を生みだす遺伝子」 G・マーカス
岩波書店 2800円。遺伝子は、そのものが
脳をつくるのではなく、出来る過程を 担って
いるというのだ。本の内容は その過程の検
証に終始 だから書名には少々の違和感。
7月6日(日) C
「木製建具デザイン図鑑」 エクスナレッジ
4800円。普請道楽の愉しみ「建具」の意匠
納まりなど。CD-ROM付。デザインやら詳
細図より 製作過程に興味をもって眺めた。
7月5日(土) D
「テレビ的教養」 佐藤卓巳 NTT出版
2300円。日本の〈現代〉シリーズ 14巻目は
テレビ教育の系譜。中身は、その1/3が引用
文でしめられ、資料的意味はあるかも知れな
いが 何を言いたいのか、よくわからず終了。
7月4日(金) B
「金融権力」 本山美彦 岩波新書 780円
初心者にもわかり易い記述で、いわゆる金融
工学の歴史から 現在のサブプライム破綻の
状況を考察は 1943年生まれ京大名誉教授
新しい地域経済システムの構築をも、展望。
7月3日(木) C
「チーム・ビルディングの教科書」 1600円
秀和システム。最強のチームを作り上げる、
最強メソッド、ベクトル(方向性の共有) プロ
セス(進め方の共有) ヒューマン (構成員の
能力の向上)へワークショップのツール付。
7月2日(水) C
「鎮魂のカラコラム」 石川信義 岩波書店
2100円。39年前、未踏峰キンヤンキッシュ
を目指した遠征隊で 失った友の鎮魂に、74
歳の精神科医 再訪記録。自筆スケッチ入。
7月1日(火) C
「日本版スローシティ」 久繁哲之介
学陽書房2500円。地域固有の文化を活かす
まちづくり、が副題。結論としては 住む場・働く
場とは別に 市民自体が運営するサードプレイ
スを、公共空間に実現する ということらしい。