オール読書日記2009年下半期
12月31日(木) C
「道路が一番わかる」技術評論社1780円
しくみ図解シリーズは、高校の土木科教科
書の位置付けのようだ。監修・窪田陽一は
埼玉大教授 執筆も同大学関係者による。
平成21年も暮れていきます 良いお年を。
12月30日(水) C
「フォトネシア 眼の回帰線・沖縄」 仲里 効
未来社2600円。沖縄出身評論家による沖
縄写真および沖縄写真家論は 既出文の再
構成。現実感がそれほどないままに終了。
12月29日(火) C
「スピンドクター」窪田順生 講談社+α新書
838円。1974年生まれの元週間誌編集長
のライター。業界での各種事件の情報操作
の具体例の数々。書名はそういった「モミ消
し屋」をしめす言葉だという。ヤバい世界だ。
12月28日(月) C
「すぐわかる イスラームの美術」枡屋友子
東京美術2000円。東大文化研究所教授
によるイスラームの建築・写本芸術・工芸
の概要紹介。小型ムック本で、要領宜し。
12月27日(日) C
「季語の誕生」 宮坂静生 岩波新書
700円。1937年生まれの信大名誉教授
の俳人。前書きを読んで期待したのだが、
内容は 雪月花論に終始。さらに独自のア
ニミズム論への展開に、まったくの失望。
12月26日(土) C
「なぜ対馬は円く描かれたのか」 黒田 智
朝日選書1200円。朝鮮側の地図では円
く描かれた対馬の民俗風景を紹介する早
大若手助教。アジールとネイション、の主
題に拘るのだが、終始それに馴染めず。
12月25日(金) C
「謎解き 人間行動の不思議」 北原義典
講談社ブルーバックス940円。日立研究
員による人間行動心理学の初心者編だ。
期待したのだがややハズレ気味で終了。
12月24日(木) C
「アンコール・ワットへの道」 石澤良昭
JTB楽学ブックス1700円。カンボジア・ア
ンコール・ワットの発掘で有名な上智大学
長の小型ムック本。800年におよぶ 各地
の建築物の全貌。ただし構成には 疑問。
12月23日(水) B
「中国歴史建築案内」 楼慶西 TOTO出版
3000円。中国精華大建築史の講義ノート
から、中国の歴史建築詳細は全403頁の
重量級。初めて知ること多く有益だが万里
の長城が どこにも出てこないのは何故?
12月22日(火) C
「暮らしのなかの左右学」 小沢康甫
東京堂出版 1900円。中国放送を定年退
職した、編集者の趣味。右と左に関する世
の中の現状を かなり大胆な推論を交えて
列挙の気楽読み物だが、どうでもいい感。
12月21日(月) C
「フルーツ・ハンター」 A・D・コウルナー
白水社2800円。カナダ在住若きジャーナ
リストの描く 新種・珍種の果物栽培に賭け
る愛好者達の生態。著者の教養は認める
が、そもそも何でフルーツか。全383頁。
12月20日(日) D
「週刊誌は死なず」 元木昌彦 朝日新書
780円。深刻な読者離れや名誉毀損訴訟
高額判決 青息吐息の週刊誌業界。元「週
刊現代」 編集長のウラミ節にお付き合い。
昔の栄華を懐かしんでも何にもならない。
12月19日(土) B
「世界香水ガイド1437」 原書房1800円
世界的権威の(M)L・トゥリンと香水批評の
(F)T・サンチェスによる5つ星評価。最も携
帯しやすい知性 と述べているが、それを表
現する、芳山むつみの的確な訳こそ秀逸。
12月18日(金) C
「カラー版 図解・曼荼羅の見方」 小峰彌彦
大法輪閣 2000円。練馬の観蔵院住職が
併設する美術館に収蔵の 金剛界・胎蔵界
の両曼荼羅の 内容解説小型ムック本。は
あそうですか、という感想だけで終わった。
12月17日(木) C
「スーパーリッチとスーパープアの国、アメ
リカ」 B・エレンライク 河出書房新社1800
円。60数編の既出エッセイ再編。最後には
このリベラルなフェミニスト女性の品のない
文章に、いささかの拒否反応を抱くに至る。
12月16日(水) D
「わたしは、なぜタダで70日間世界一周で
きたのか?」伊藤春香 ポプラ社1200円。
卒業間近の慶大生がスポンサーを集めて
の世界旅行 前半は企業廻りの経過 後半
の旅行記は まるで平凡で 読む必要なし。
12月15日(火) C
「勝手に観光協会 グレイテスト・ヒッツ」
シンコーミュージック・E 1200円。オカリナ
の安齋肇と、みうらじゅん が旅先の旅館で
作った 46都道府県の歌。あいかわらずの
みうら節、これで食えるとは羨ましい限り。
12月14日(月) C
「二輪車・四輪車 安全運転テクニック」
山口好孝 東京図書出版会1600円。労働
災害コンサルタントの経験的運転術は、前
1/3が2輪 残りが4輪に関して。専門家で
はないものの、中身は頷けることばかり。
12月13日(日) B
「手妻のはなし」 藤山新太郎 新潮選書
1600円。水芸や蝶など、江戸手妻を継承
する1954年生まれ 奇術協会副会長によ
る日本手妻通史は359頁。文章構成も上
手で、まさしく後世に残る 貴重な資料だ。
12月12日(土) C
「エンジンのないクルマ」が変える世界』
大久保隆弘1600円 日経新聞出版社。電
気自動車(EV)の、ビジネス未来を立大院
教授が予測。技術的な面はむしろ詳しくな
くて 日本の産業界の進むべき方向など。
12月11日(金) C
「図説 世界100の市場を歩く」 森枝卓士
河出書房新社 ふくろうの本シリーズ1800
円。日経新聞土曜夕刊の連載236回から
の再編集。1955年生まれ写真家・ジャー
ナリストの取材した世界各地の市場風景。
12月10日(木) B
「木綿再生」 福井貞子 法政大学出版局
2700円。ものと人間の文化史シリーズに
は、これで3度目の登場の1932年生まれ
今回は 鳥取倉吉での半生記を中心として
の絣回顧譚。じっくりと読ませてくれます。
12月9日(水) C
「記憶はウソをつく」 榎本博明 祥伝社新書
760円。名城大心理学教授。裁判員制度が
始まる中 記憶がいかに不確かで 目撃証言
が変容しやすいか、という話。それはわかる
のだが、今ひとつ 突込みが足らない印象。
12月8日(火) C
「シャーマニズムの文化学 改訂版」 森話社
2300円。2001年初刊から3刷しての改訂
版は4人の共同執筆による 日本シャーマニ
ズム研究概要。意外にも理解が進んだのは
併読していた 偶然性の読み本の影響かも。
12月7日(月) C
花・鳥・岳・人「山歩き」信州山岳ガイド』
岩渕正儀 信毎書籍出版センター 1900円
有名山より身近な山主体、県内北から南へ
日帰り102コース紹介は 立体イラスト付。
12月6日(日) C
「クリックしたら、こうなった」 多田文明
メディアファクトリー 1000円。「ついていっ
たら、こうなった」で、話題となったルポライ
ーの新作。ネット業界での様々なワナにわ
ざと、はまっての結果は大体の予想通り。
12月5日(土) C
「建築物を読みとく鍵」キャロル・D・クラゴー
ガイアブックス 1800円。ハンディな体裁な
がら、内容はかなり高度な西洋建築の細部
部位別に、また時代様式を追っての説明で
すべて図版は 写真ではなく細密画による。
12月4日(金) C
「日本めん食文化の一三〇〇年」 農文協
奥村彪生3800円。1937年生まれの料理
研究家の博士論文の再構成547頁。小麦
粉めん、とソバ食の2部仕立てで独自理論
の展開。さらには 各地の食べ歩き編まで。
12月3日(木) C
それでも「木密」に住みたい』 彰国社
2200円。「木密」とは木造密集市街地のこ
と。各分野4人の執筆による、路地裏まちづ
くりの本だが 専門家には物足りぬ内容。当
該地区の自治会長あたりが、読者なのか。
12月2日(水) C
「スローフード大全」 3334円スローフードコ
ミュニケーションズ。今や反グローバル化の
政治団体となったスロ−フード運動。世界各
国有識者の全く同じ論調を 読むのは辛い。
12月1日(火) D
「自転車会議!」 PHP 1300円
疋田智の呼びかけで、自転車人間 片山右
京・今中大介・勝間和代の4人が集まり、自
転車文化の熱い思い座談会+谷垣禎一。
11月30日(月) C
「インテリジェンス戦争」 大和書房762円
現在休刊中のワールド・インテリジェンス編
集長による対テロ時代の最新動向と題した
再録文庫版363頁 世界最強といわれるイ
スラエル・モサドの記述が少ないのが難。
11月29日(日)C
「たまたま」 L・ムロディナウ ダイヤモンド社
2000円。偶然の科学 つまり確率と統計に
ついて 多彩な話を展開の数学ライター。結
論は、世の中は偶然で成立しており それを
前向きに解釈 生きていくしかない という話。
11月28日(土) C
「全脳思考」 神田昌典 ダイヤモンド社
2000円。経営コンサルタントによる突き抜
けた想像力を得るための思考法、459頁。
前向きなHAPPY感情を追求する、各種方
法の集大成は、ややもすると宗教の世界。
11月27日(金) A
「戦場の哲学者」 J・G・グレン PHP研究所
1700円。1959年刊行以来いまだ重版中
という。欧州戦線への従軍の経験から戦争
ではなぜ平気で人が殺せるのか 人間を考
える故哲学教授 永遠の重い課題の名著。
11月26日(木) C
「金正日は日本人だった」 佐藤 守 講談社
1700円。金日成の息子ではなく、日本人ス
パイの隠し子だ、というトンデモ本。それなり
に面白いので一気に最後まで。著者は退官
した空自高官、こんなウォッチャーもいる。
11月25日(水) C
「教え方のルール」 田中省三 明日香出版
1400円。あたりまえだけど なかなかでき
ないシリーズ。登校拒否 引きこもりだった
という プレゼンターの、相手と良好な関係
を築き、伝えて、育てて、自立に導く方法。
11月24日(火) C
「一丁倫敦と丸の内スタイル」 求龍堂
2000円。大三菱の総力を結集して、1号
館の復元と美術館としての再利用の全貌
ムック本。歴史的な背景と 復元設計施工
の三菱地所の記録は企画展のカタログ。
11月23日(月) B
「トイレの話をしよう」 R・ジョージ1800円
NHK出版。世界のトイレに関する本は 随分
読んできたが これは衝撃的。貧しさの原因
としてのニワトリが先か卵が先か。それはま
さに文明とは何か、を考えさせる女性記者。
11月22日(日) C
「つながる喜び」 現代書館 1800円
立教大コミュニケーション福祉学部の教員
による農的暮らしとコミュニティ論。総体に
ナイーブな印象ぬぐえず 仲間内で読まれ
さらに社会から遠くなっていきそうな感じ。
11月21日(土) C
「B級グルメが地方を救う」 田村 秀700円
集英社新書。自治体格差を研究の新潟大
教授が 全国を食べ歩いたB級グルメ報告
もちろん駒ヶ根のソースかつ丼や 伊那の
ローメンも 華々しく登場する気軽な新書。
11月20日(金) C
「ウィキペディア・レボリューション」A・リー
ハヤカワ新書juice1400円。新書ながらも
443頁。ウィキペディアの草創期から 現在
までの詳細な物語。しかしながら 今後それ
がどうなっていくのかは、誰もわからない。
11月19日(木) D
「日本の I T コストはなぜ高いか?」
森 和昭 日経BP出版1400円。ドンブリ勘
定的な保守契約が問題であり 今度はそれ
を査定する新ビジネスの宣伝に過ぎない。
11月18日(水) C
「なぜ、ウェブに強い設計事務所は家づくり
が上手いのか」 大戸 浩・森川貴志 エクス
ナレッジ1800円。むしろ施主とのコミュニ
ケーション・ツールとして、如何に構築して
きたか、その内容の詳細は 多少の参考。
11月17日(火) C
「最新ケータイを支える技術」 西田宗千佳
技術評論社1580円。ガラパゴスといわれ
る日本のケータイだが、そのハード技術に
迫る。iPhoneの出現にグローバル化の対
応が急がれるのは周知だが 最後に少し。
11月16日(月) C
「こんなコンサルタントが会社をダメにする!
千田琢哉 日本実業出版社 1500円。敏腕
コンサルタントの指南する、コンサルタントと
の付き合い方。現実感が希薄のためか、そ
のスタンスが 今ひとつ読みきれずに終了。
11月15日(日) C
「山で死んではいけない。」 1260円
山と渓谷社。106頁の山岳誌「山と渓谷」の
別冊ムック本。地図での遭難地点と その概
要は判りやすいが、内容は週刊誌の範囲。
11月14日(土) C
「里地里山文化論」 養父志乃夫 農文協
2500円。和歌山大シス工教授の農学博士
前半は日本列島誕生から 里山農業の成立
まで、後半は中国里山探訪。で結論は最後
5頁。里山文化からの循環型社会の形成。
11月13日(金) C
「布地見本帖」 BNN 3000円
米のテキスタイル・デザイン・グループの保
有する布地見本の中から600種以上を パ
ターン別に紹介。厚さ4cm全421ページ。
11月12日(木) C
「彰義隊遺聞」 森 まゆみ 新潮文庫
590円。2004年刊 同名書の文庫化。季
刊地域誌 「谷根千」で名を売って、関係す
る彰義隊上野戦争を丹念に取材。芳年の
浮世絵を彷彿とさせる 鮮やかな色彩感。
11月11日(水) C
「わけいっても、わけいっても、インド」
蔵前仁一 旅行人2000円。グラフックデザ
イナーの著者は絵を、妻は織物、いずれも
素朴な民族的な姿を求めての、インド深部
紀行は、表題通り相当ディープな二人旅。
11月10日(火) B
「木曽のおんたけさん」 岩田書院 1800円
菅原壽清・時枝努・中山郁。御岳信仰の歴史
と現状、最後に登山ガイドと至れり尽くせりの
内容。修験者の信仰が、一般化していく過程
の政治学、あるいは景観心理などに面白さ。
11月9日(月) C
「日本の宇宙開発」 GAKKEN 1600円
なぜ歴史群像シリーズのムック本なのか。
中身は惑星探査やロケット開発など国家プ
ロジェクトから、大学の超小型衛星 民間の
ロケット開発など さらに宇宙旅行の展望。
11月8日(日) A
「男おひとりさま道」 上野千鶴子 1400円
法研。おそろしく正論ばかりの、特大説得力
の老後男性の生き方論。しかし読むほどに
勇気が湧いてくるという不思議な本。なんと
かオレにも、出来そうな感じがしてきたゼ。
11月7日(土) C
「これが日本人だ!」 王志強 バジリコ
1500円。日本在住中国人コンサルタントの
日本人論。総じてよく描けている とは思うが
もはや、日本人論で一喜一憂する時代、は
終った。今や中国人がそんな時代なのか。
11月6日(金) C
「ふるさとを歌おう!」 三國隆三 展望社
1800円。1928年生まれ、自作の油絵と記
念写真が一杯の自家出版雰囲気ながら、各
県毎、ゆかりの歌詞629曲を並べた 日本列
島うた景色の副題に恥じぬ労作 全350頁。
11月5日(木) C
「日本の配色」 ピエブックス 2800円
四季や社会的な色彩感などからの、伝統的
な文物とそこでの配色を紹介、考えてはいる
ようだが、まとめきれていない印象 拭えず。
11月4日(水) C
「乱造される心の病」 C・レーン2000円
河出書房新社。単なる内気を病気に認定す
るという 垣根を低くした米のDSMと それを
バックアップする 製薬業界告発の書。しか
しテンポの遅い文章で説得力は今ひとつ。
11月3日(火) C
「ニッポンの観覧車」 監修・文 福井優子
イカロス出版1600円。日本の観覧車を北
から 南まで網羅した小型写真集。著者は
1947年生まれで、日本の古今のフェリス
ホイール調査での第一人者のようである。
11月2日(月) D
「この国の食を守りたい」 辰巳芳子
筑摩書房2200円。13年前の「辰巳芳子が
薦める ぜひ取り寄せたい確かな味」の加筆
版。もはやこれは宗教の世界といってよい、
教祖様は、1924年生まれの料理研究家。
11月1日(日) C
「毒と薬の世界史」 船山信次 中公新書
800円。薬科大教授の薬・毒論は当然、薬
学史の雰囲気であり、社会学的な視点は、
あまりないので、物足りなさも少々感じた。
10月31日(土) C
「図解 新世代鉄道の技術」 川辺謙一
講談社ブルーバックス980円。超伝導リニ
アから在来線車輌、エネルギー技術、新交
通システム、駅施設や乗車券システムと全
方位的に網羅した最新情報は、実に有益。
10月30日(金) C
「信州水系圏をゆく」 八十二文化財団
2000円。銀行財団法人による長野県文化
史。第1部は識者座談会 第2部は作家・水
木楊の千曲川・天竜川紀行。第3部は古代
から近代、信州発文化の概観 全409頁。
10月29日(木) C
「悪いのは私じゃない症候群」 香山リカ
ベスト新書 686円。世間に蔓延する多罰的
思考。自分が責められる前に、ともかく他人
を責める というのだが 少し論点が未整理。
10月28日(水) C
自然界をゆるがす「臨界点」の謎』1580円
技術評論社 知りたいサイエンスシリーズは
各界の識者による生物大発生と大絶滅、宇
宙、地球気候、超伝導・超臨界、核分裂・核
融合、がん細胞、経済コンドラチェフ理論。
10月27日(火) C
「書の世界 常識と非常識」 堀 久男
芸術新聞社 2500円。同社発行の書道誌
「墨」 への同名の連載8年分。書道会主宰
の同年代の書道家で 先行きジリ貧気味な
書道界の有り方に苦言を始め 書壇批判。
10月26日(月) C
「宇宙で暮らす道具学」 雲母書房1800円
東大大学院を中心とする、宇宙建築研究会
編著。月あるいは火星での生活を目標に世
界中で開発された、住居や各種構造物、設
備や道具から衣類までの 現状図解報告。
10月25日(日) C
「ひたすら歩いた 沖縄みちばた紀行」
カベルナリア吉田 彩流社2000円。元編
集者のフリーライターは沖縄旅行記ばか
り8冊。今度は 歩きでの全島制覇。開発
で 揺れる島民の心情に、少しく感傷的。
10月24日(土) C
「面白くてよくわかる!犯罪心理学」
作田 明 アスペクト1300円。TVにもよく登
場の犯罪心理学者による最新犯罪の心理
学入門編。半分がイラストの水増し気味。
10月23日(金) C
「日本の珍地名」 竹内正浩 文春新書
790円。平成の珍地名というべき、大合併
で誕生した新地名に関する政治学が中心
の内容で 元JTBライターの調査は詳細。
10月22日(木) C
「密教の神々」 佐藤 任 平凡社ライブラリー
1500円。1934年生まれ在野の研究者に
よる1979年の著作の文庫化。密教の月天
観音・聖天・明王の起源をインドに求めるも
のだが難解至極。なぜ文庫化か が不明。
10月21日(水) C
「水道が語る古代ローマ繁栄史」中川良隆
鹿島出版会 2200円。東洋大土木教授に
よる 古代ローマの水道技術の詳細説明か
ら ローマ繁栄の文化論への展開。江戸の
水道文化との比較もあって 抜かりはない。
10月20日(火) C
「銅鐸の祭りと倭国の文化」 三浦茂久
作品社1600円。1934年生まれの在野の
研究者による論文10編 銅鐸に関しては冒
頭部のみ、残りは古事記よりも日本書紀を
重視しての古語の解釈アレコレ全448頁。
10月19日(月) D
「100年予測」 G・フリードマン 早川書房
1800円。米 シンクタンクの所長の21世紀
の100年予想。地政学と言いながら、過去
の歴史を再現しているだけ 日本とトルコが
第3次世界大戦を引き起こすと悪い冗談。
10月18日(日) C
「宮本常一が撮った昭和の情景 上巻」
毎日新聞社2800円。こちらは昭和30年か
ら39年にかけてオリンパス・ペンでの 白黒
写真集。先に見た下巻より、古い時代だが
その印象が強すぎて、それほど感激せず。
10月17日(土) C
「誰から取り、誰に与えるか」 井堀利宏
東洋経済新報社1800円。格差と再分配の
政治経済学の副題通り、不公平 ・非効率な
再分配政策をただす、と鼻息の荒い東大院
教授 政治技術的な頭の痛い永遠の課題。
10月16日(金) B
「中井精也の鉄道撮影術 撮り鉄」1800円
アスキー・メディアワークス。時代はもはや
完全に変わってしまったようだ。デジタル一
眼レフの高機能を駆使しての写真は、鉄道
写真というよりも、芸術作品としての存在。
10月15日(木) C
「城と城下町」 高見敞志 技報堂出版
1900円。城や城下町建設での法則を探る
西日本工大教授。ビスタの存在は、わかる
が大和三角形なる法則は、コジつけ気味。
10月14日(水) C
「魔よけ百科・世界編」 岡田保造 丸善
1900円。上記ムック本の発行から3年後
今度は眼を世界に向けての 魔よけ収集。
世界ものは前半のみで 残りは日本もの。
10月13日(火) C
「魔よけ百科」 岡田保造 丸善1900円
1935年生まれの短大名誉教授。もともと
の専攻は日本史らしいが、五芒星や六芒
星あるいは九字など、足で集めた建造物
や道具に残る、魔よけの数々の小型本。
10月12日(月) C
「回想の和紙」 町田誠之 東京書籍
2095円。1913年生まれ、紙の博物館名
誉顧問にして京都工繊大名誉教授の和紙
随想。関連する和歌を参照して格調高し。
10月11日(日) C
「魔球の正体」 手塚一志・姫野竜太郎
ベースボール・マガジン社2000円。2001
年初刊以来9刷目は 進行方向に横回転す
るジャイロボールの投げ方指南。全国球児
の必需ながら素人には判りにくい文章だ。
10月10日(土) D
「就活格差」 常見陽平 中経出版 1300円
「就活最前線」 といった週刊誌程度の内容
つまり捉えどころがないフニャッとした印象
就職ジャーナリストをうたうならば、もう少し
骨太な就活哲学を 確立してほしいところ。
10月9日(金) B
「東国の古墳と古代史」 白石太一郎
学生社2400円。1938年生まれの奈良大
教授。関西と関東の 古墳比較から、ヤマト
朝廷成立前後を 大胆に推論して意外に面
白い。飯田周辺の古墳群も登場して有益。
10月8日(木) C
「敬語のお辞典」 坂本 進・西方草志 編著
三省堂1500円。二人のコピーライターによ
る 敬語の用法例。全344頁、300余りのシ
チュエーションに、約5000の会話例掲載。
10月7日(水) C
「徹底検証 飲んでいい水・悪い水」
江藤カズオ1200円メディアポート。副題に
日本の水の諸問題と水ビジネスのウソを斬
る!それはわかるが 最後には自分の開発
した、逆浸透システムの浄水器の宣伝だ。
10月6日(火) C
「行け行け!わがまち調査隊」 1700円
岡田知弘・品田 茂 自治体研究社。舞鶴市
職員による 地域調査実践の詳細報告。指
導の京大院岡田教授との共著は、市民参
加を前提としての 地域調査の入門編だ。
10月5日(月) C
「2011年 新聞・テレビ消滅」 文春新書
佐々木俊尚750円。米国から遅れること3
年 ネットに押されて いわゆる大メディアが
なくなるだろう、と毎日記者あがりの I T フ
リージャーナリストの キツい予想である。
10月4日(日) C
「世界のサッカー応援スタイル」 カンゼン
1680円。サッカー批評編集部が、同じく
専門出版社から、欧米・南米 アジアのク
ラブチームの、サポーター風景の報告。
世界のサッカー文化を、垣間見た感じ。
10月3日(土) C
「贅沢の条件」 山田登世子 岩波新書
700円。近代以降の贅沢者列伝からココ・
シャネルを引き合いにラグジュアリーの本
質を探るが 答まで至らず。というか、口に
出せないものじゃないのだろうか、と思う。
10月2日(金) C
「世界が水を奪い合う日・日本が水を奪われ
る日」 橋本淳司 PHP1600円。書名もいさ
さか恐ろしげな 水問題ライターによる、どち
らかといえば若者向け。これに対し、まった
く別の報告もあって、判断は難しいところ。
10月�@日(木) C
「日本の深層文化」 森 浩一 ちくま新書
820円。1928年生まれの 考古学の大御
所による粟と禾、野、鹿、猪、鯨をテーマに
しての日本文化の随想 と気軽な読み物。
9月30日(水) C
「宮本常一が撮った昭和の情景 下巻」
毎日新聞社2800円。昭和40年から55年
にかけて 民俗学者の全国を歩いての白黒
写真。草葺屋根民家の多さに驚き 巻末の
松山巌による、宮本常一写真論 は秀逸。
9月29日(火) C
「必携 茶の湯ハンドブック」 辻 宗龍・編
里文出版1500円。茶の湯歳時記、茶道系
譜、禅語・古筆切・古写経切 道具・茶室・露
地、と茶道すべてにわたる、事典とも言うべ
きもの。しばし、日本文化にひたれる時間。
9月28日(月) C
「オノマトペがあるから日本語は楽しい」
小野正弘 平凡社新書720円。考えてみれ
ば振仮名と同様に、日本語にとって重要な
擬音語・擬態語の世界。ただし構成に問題
もっと格調高い日本文化論ができたはず。
9月27日(日) C
「ブラック・スワン 下」 N・N・タレブ1800円
ダイヤモンド社。下巻でも理解不能。未来が
運命論であり、予測できない以上 過去の確
率論で行くしかないではないか。とまあいろ
いろと考えさせてくれた。そこに 効用あり。
9月26日(土) C
「ブラック・スワン 上」 N・N・タレブ1800円
ダイヤモンド社。黒い白鳥、つまり予想もで
きない発明・事柄など、不確実性の探求は
難解至極。レバノン人MIT教授の頭の良さ
にはついていけない。下巻に期待したい。
9月25日(金) C
「害虫の誕生」 瀬戸口明久 ちくま新書
720円。生物学から転向、文学部の博士論
文再構成。科学技術史と環境史から害虫と
社会との関連。あまり、面白い話でもない。
9月24日(木) C
「子どもが道草できるまちづくり」 2000円
学芸出版社。2007年4月こども環境学会の
シンポジウム記録で 通学路の交通問題を考
える、が副題。基本的には、通学路に入り込
むクルマのスピードを、いかに落とすかだ。
9月23日(水) C
「本の現場」 永江 朗 ポット出版1800円
本はどう生まれ、だれに読まれているか の
副題 専門誌掲載の再構成。洋書店員あが
りライターによる出版業界の問題点報告。
9月22日(火) C
『女はみんな「うつ」になる』 香山リカ
中央法規 1200円。女性の生活のすべて
の局面において 「うつ」 になる 要素ばかり
と脅すのだ。読んだ方がいいのか、あるい
は読まないほうがいいのか、わからない。
9月21日(月) D
「仕組まれたアメリカ解体の真実」1500円
B・フルフォード 青春出版社。時々TVに登
場する、どちらかといえばトンデモジャーナ
リスト。内容は オバマ批判や、陰謀説など
盛り沢山でも、やはり週刊誌の域を出ず。
9月20日(日) C
日本が拉致問題を解決できない本当の理由
荒木和博 草思社1800円。特定失踪者問題
調査会代表の拉致問題舞台裏報告 主として
今までの政治的状況を 淡々と描く。ともあれ
主導権をもって、制裁を続けていくしかない。
9月19日(土) C
『「食糧危機」をあおってはいけない』
川島博之 文藝春秋1095円。アフリカを除き
人口停滞・農作物生産性向上から食糧危機
は起きない と東大大学院准教授。水不足も
フードマイレージも全否定、が 未来像なし。
9月18日(金) D
「NASA秘録」 R・ホークランド+M・バラ
Gakken3500円。全629頁のトンデモ本に
最後までお付き合い。月や火星の人工遺物
を隠蔽する、とするNASAの告発本だが と
ても真面目には読めぬ代物。時間の無駄。
9月17日(木) C
「ちがいがわかる 類語使い分け辞典」
松井栄一・編 小学館2400円。見出し語とし
て501語 その類似語約2400を収録。編者
は1926年生まれの国語学者。全525頁。
9月16日(木) B
「振仮名の歴史」 今野真二 集英社新書
700円。清泉女子大教授 漢文を読み下す
ための振仮名だったが 左振仮名には辞書
的要素もある。もしかしたら 柔軟な日本語
および日本文化の根源に関わる問題か。
9月15日(火) C
「堀内誠一 旅と絵本とデザインと」1600円
平凡社コロナブックス。伝説のイラストレー
ター・アートディレクター・絵本作家の 早熟
かつ驚くべき器用さを余すところなく伝える
小型ムック本。52歳の死は、天才の証し。
9月14日(月) C
「関東周辺 日帰り自転車ガイド」 1600円
自転車生活ブックス編集部 ロコモーション
パブリッシング。レンタサイクルを 前提にし
た小型ムック本。昭文社のノースアップ地
図が付いていて、紙上サイクリング可能。
9月13日(日) C
『子どもの将来は「寝室」で決まる』 760円
篠田有子 光文社新書。20年かけての家族
の寝方の調査から。3歳までは母親中心の
川の字で寝て安定した情緒を育み、それ以
降は子供別室で独立性を養う、のが理想。
9月12日(土) C
「金魚」 池田書店 1200円
長く、楽しく飼うための本 と題された〈もっと
わかる動物のことシリーズ〉小型ムック本。
琉金2尾を飼いはじめて3年、できるだけ水
替えをすべし、との教え。今までの本と逆。
9月11日(金) C
「左官礼賛」 小林澄夫 石風社 2800円
月刊「左官教室」の巻頭文再構成 福岡の郷
土出版社から2001年刊、細々と4年第7刷
目。左官仕事と職人をこよなく愛する、いささ
か感傷的な文章。巻末の用語集は有益だ。
9月10日(木) C
「代案を出せ!」 勝谷誠彦1200円扶桑社
ネットでの現在の政治問題への代案募集の
結果をおもしろおかしく書籍化。内容は相変
わらず過激だが 瀕死に近いテレビ・新聞な
どの大メディアに対して、未来性は感じる。
9月9日(水) C
『大学生からの「取材学」 藤井誠二 講談社
1400円。若手ノンフィクション作家の 大学
講義録は取材のABC。副題に 他人とつな
がるコミュニケーション力の育て方、とある
が、自伝的要素の強いノンフィクション論。
9月8日(火) C
「学歴分断社会」ちくま新書 吉川 徹740円
7大学進学を希望しない層の増加、ここに高
卒と大卒の分断線を見ての、社会構造の分
析を試みる阪大准教授。大胆かつタブー的
な考えではあるが ある意味明快ではある。
9月7日(月) B
「定本 日本の色事典」 23000円
視覚デザイン研究所。重さ2kgA4判357頁
の豪華本。1318の色名を 使用例の文学と
ともに表示。こうやってみると色というものが
まさに社会文化そのものであることを実感。
9月6日(日) C
「我が家のミカタ」 岩波書店2200円
2009年3月までの3年間の朝日新聞生活
欄連載を再構成。昨今の住宅事情を、多角
的 かつヤジ馬的に取材。家づくりにまつわ
る涙と笑いを 広く浅く紹介のタメになる本。
9月5日(土) C
「歴史の旅 甲州街道を歩く」 山口 徹
吉川弘文館 1900円。1/25000地形図を
日本橋から国道20号線を諏訪まで 歴史と
景観を愛でながらの 案内は神奈川大名誉
教授。中央道全通前の20号に、懐かしさ。
9月4日(金) C
「伊勢神宮の成立」 田村圓澄 吉川弘文館
2200円。九大名誉教授1996年刊の復刻
版。天武・持統の両天皇によって作り出され
た天照大神と伊勢神宮を 学者らしく冷静に
論じていて、結構 信ずる気にさせてしまう。
9月3日(木) C
「美しい日本のふるさと 関東甲信越東海編」
産業編集センター2000円。四国中国・沖縄
九州編に続く 清水安雄による日本原風景写
真3冊目。各県に1冊を割り当てじっくり見せ
てほしい、と今回も同じ思いを抱くのである。
9月2日(水) C
「ファシリテーション・グラフィック」 2000円
堀 公俊・加藤 彰 日経新聞出版社。会議に
おける、ファシリテーター(進行役)の重要性
に勝るとも劣らない 図解的な記録係りの技
術の数々。一朝一夕には、できそうもない。
9月1日(火) C
「夜中にチョコレートを食べる女性たち」
幕内秀夫 講談社1400円。若い女性の婦人
科系疾患が増加は何故か?脂肪の摂り過ぎ
の食生活 さらに定期的な性生活が実現され
ていない と指摘の管理栄養士。説得力大。
8月31日(月) C
「デザイン、現場の作法」 伊達千代2300円
エヌディーエヌ コーポレーション デジタル時
代のデザイン作法。フォントやデザインソフト
のバージョンアップに対応せざるをえない現
代デザイン。ついていく デザイナーも大変。
8月30日(日) B
「僕がワイナリーをつくった理由」 落 希一郎
ダイヤモンド社1500円。新潟県巻町の角田
浜に、日本初の本格的なワイナリーを造りあ
げるまでの、自伝。運もあっただろうが 感動
的な物語。ぜひ 一度訪れてみたいものだ。
8月29日(土) D
「家づくりで成功する7つの秘訣」 大井康史
エル書房1300円。一応家づくりの本には眼
を通すことにしているが これはひどい。佐久
で工務店を経営する 信大卒。不動産に関す
る税金を全く無視、都合のいい試算ばかり。
8月28日(金) C
「グリーン革命 下」 T・フリードマン1900円
日経新聞出版社。書かれたのは 1年前。危
機は またビジネスチャンスでもあると アメリ
カ自身への応援歌。オバマ大統領のグリー
ン・ニューディールの タネ本との解釈も可。
8月27日(木) C
「グリーン革命 上」 T・フリードマン1900円
日経新聞出版社。 「フラット化する世界」 の
前作に加え、温暖化・人口過密化からの 地
球の現状の深刻さを、これでもかと訴える。
が一方では かなりの前向き思考でもある。
8月26日(水) D
「インテリアコーディネーターになる」
三島俊介 1000円。秀和システム仕事がわ
かるシリーズ。ズブの素人が I Cになるため
の指針。水を指すようで悪いが I C資格を取
得して10年近く、得をしたのは数えるほど。
8月25日(火) C
「灰色の嵐」 ロバート・B・パーカー
早川書房 1900円。宿敵の謎の灰色男との
対決のミステリー仕立て。最後まで謎を引き
ずりつつ、終わっての余韻も十分な最新作。
8月24日(月) C
「最強国家ニッポンの設計図」 大前研一
小学館 1500円。ずっと読み続けてきたが
最もバランスが良い印象。とくに外交・防衛
に関しては出色、他に年金・税金・産業・教
育・雇用・憲法改正・道州制と全てに答え。
8月23日(日) C
「からだのメソッド」 矢田部英正 バジリコ
1400円。在野の身体研究所主宰 大学非
常勤講師の、立ち居振舞いの 実践技術。
骨格の自然な配置を意識し 身体感覚を養
い、自然体の美しさを目指す、というのだ。
8月22日(土) C
「タバコ狩り」 室井 尚 平凡社新書680円
魔女狩りにも似た嫌煙原理主義に異を唱え
る、横国大の哲学の先生。受動喫煙被害の
データ捏造などから 文化の先行きに危うさ
を論ずるのだが まあ3分の理というところ。
8月21日(金) C
「人口流動の地方再生学」 松谷明彦
日経新聞出版社 1800円。 集落崩壊の危
機への対処、研究グループ報告は 理念ば
かり。地域の経済構造が確立すれば 若者
は戻ってくる。その問題の周囲をぐるぐる。
8月20日(木) C
「今日も、北京てなもんや暮らし」 谷崎 光
飛鳥新社1429円。北京在住が9年のライ
ターによる てなもんやシリーズは 「プレジ
デント」 連載。恐るべき人民達の民度を茶
化しての報告は、おおむね好評のようだ。
8月19日(水) C
「線の冒険」 松田行正 角川学芸出版
2800円。凝りに凝ったグラフィックはデザイ
ン関係誌既出の再構成。だがデザイナーで
ありながら暗い話・残虐な話が随所 悪趣味
は本人の趣向か だから後味は宜しくない。
8月18日(火) C
「石井直方の筋肉まるわかり大事典」
ベースボールマガジン社2500円。筋肉マン
の東大教授による Q&A 201問、全431頁
ながら、どうでもいいイラスト付で水増し気味
まあ 個人の趣味には、文句は言えません。
8月17日(月) C
『「鉄」の科学がよ〜くわかる本』 高遠達也
秀和システム1100円。鉄づくりの歴史から、
その科学的性質、防錆と被覆、あるいは特殊
鋼と各種製品までの ポケット図解シリーズ。
8月16日(日) C
「視覚と建築」 松岡 聡・田村裕希 2900円
グラフィック社。建築家による発想シリーズ。
使えるのは、最後のプレゼン技術。前半の5
つの視点、パノラマ・瞬間視・周辺視・アンチ
パース・透視については検討課題としたい。
8月15日(土) C
「賎民の異神と芸能」 谷川健一 2800円
河出書房新社。既出文を まとめたものだが
大御所の本は、編集担当者も指摘できない
のか、独りよがりの傾向。興味をもったのは
最終章のみという、期待はずれの438頁。
8月14日(金) C
「大人のための新オーディオ鑑賞術」 780
円 たくき よ しみつ講談社BLUE BACKS
デジタル音楽時代におけるオーディオ哲学
ABC。音楽ファイルの諸問題から、アンプ
やスピーカーなどアナログ機器の考え方。
8月13日(木) C
「弔う建築 終の空間としての火葬場」
鹿島出版会 3400円。日本建築学会火葬
場施設小委員会の研究成果。世界各地の
葬送事情から始まり 日本での火葬場の歴
史・設計実例 さらに火葬炉の仕組みまで。
8月12日(水) C
「自殺予防学」 川西千秋 新潮選書
1100円。年間3万人をこえ、G8の中でロシ
アに次ぐという自殺者。その予防に奔走する
横浜市大精神科准教授の 書き下ろし。そこ
にいたる心理メカニズムの分析は 重量感。
6月11日(火) C
「夏はなぜ暑いのか」 佐藤文隆 岩波書店
2300円。京大名誉教授の既出文再構成の
科学随想はレベル高過ぎ ほとんど理解でき
なかった。自分のことは棚に上げて 読者は
一体誰なのか、出版社の姿勢に 疑問あり。
8月10日(月) C
『「渋滞」の先頭は何をしているのか?』
西成活裕 宝島社新書720円。渋滞を防ぐに
は車間距離をとること、と痛烈な逆説。さらに
生体・社会・経済ほか あらゆる分野で、その
渋滞学の適用を画策する東大大学院教授。
8月9日(日) C
「みんなの進化論」 D・S・ウィルソン
NHK出版2300円。米の学者の専門はシデ
ムシの生態。人間の社会行動のすべてを進
化論にあてはめようとする思考。内容は理解
できず。そもそも社会は進化したのか疑問。
8月8日(土) C
「沖縄染織王国へ」 與那嶺一子 1400円
新潮社とんぼの本。沖縄県立博物館学芸員
の案内する、紅型のほか 花織・絣・芭蕉布・
上布の名品と 次代を担う各地の作家たち。
8月7日(金) B
「ワーキングプア時代」 山田昌弘 文藝春秋
1333円。年金をはじめとする社会保障制度
が、いかに現代社会とズレているか、の検討
から。さらに抜本的なミニマム・インカムをは
じめ 年金マイレージ制ほかの大胆な提案。
8月6日(木) C
「差別感情の哲学」 中島義道 講談社
1500円。電通大教授から在野の哲学塾主
宰、あらゆる面からの 差別感情の分析。自
己と他者の 根源的なところで生ずる感情を
常に自省する心構えが、最も必要、と説く。
8月5日(水) D
「2011年まで待ちなさい!」 菅下清廣
フォレスト出版1500円。投資コンサルタント
の景気循環論に基づいての 経済予想。3年
後から新技術などで、環境が変わるという。
多分に我田引水的な、株式投資のお勧め。
8月4日(火) B
「新エディターシップ」 外山滋比古 2600円
みすず書房。35年前の前著の新版という意
味らしい。人間に最も必要な技術が、編集力
というのだ。つまりそこにおける想像力こそが
大切だという。まことに説得力のあるお話だ。
8月3日(月) D
「僕が2ちゃんねるを捨てた理由」 ひろゆき
扶桑社新書740円。前作同様の口述筆記ら
しく 文章の体裁は整ってはいるが 内容は薄
い 後半の対談2編にいたっては救い難い。
8月2日(日) C
「富士山コスモロジー」 藤原成一 青弓社
2400円。後半の文学・絵画での、富士山イ
メージの変遷に面白さも、政治学としての富
士山の扱いでは、少しく教条主義的な匂い。
8月1日(土) C
「ダンディズムの系譜」 中野香織 新潮選書
1200円。既出文の加筆再構成。主に英国
の傑出した、ジェントルマンの人となり が中
心。「渋いオシャレのカッコいいオジさん」 と
いう当方の解釈とは、かなりの隔たりあり。
7月31日(金) C
「ゲームと犯罪と子どもたち」 3500円
インプレスジャパンR・カトナーS・K・オルソン
ゲームの暴力性と子どもの犯罪には 直接的
な関係はない というハーバード大の調査。家
庭での与え方が重要。あたりまえの結論だ。
7月30日(木) C
「危機突破の経済学」 P・クルーグマン
PHP 952円。ノーベル経済学賞2008年の
経済学者への聞き書き。基本的にはインフレ
ターゲット論で、それへの技術は いいけれど
その後には、またバブルと その崩壊でしょ。
7月29日(水) C
「堕落する高級ブランド」 D・トーマス講談社
1600円。いわゆる高級ブランドの利益追求
のための、品質を軽視しての世界戦略は、
まさにグローバル化そのもの。さてもう一度
真のラグジュアリーに回帰できるかどうか。
7月28日(火) C
「海の道 山の道」 遠藤ケイ 筑摩書房
2000円。故郷新潟に帰ったらしいが、相変
わらずの感情移入の多い文章。webマガジ
ン連載加筆は 山奥に、島々に、南洋に、ど
んどんと のめり込んでいく、遠藤民俗学。
7月27日(月) C
「絵が語る 知らなかった江戸の暮らし 農村
漁民の巻」 本田 豊 遊子館 1800円。集め
た古い絵について解説し、江戸の暮らしぶり
を紹介する シリーズ。専攻が部落問題だけ
に随所にそんな記述ありの一般大衆向け。
7月26日(日) C
「麻薬とは何か」 新潮選書 1200円
佐藤哲彦・清野栄一・吉永嘉明。5000年に
もおよぶ、禁断の社会史であるが、これから
も永遠に続く、人類の宿命でもある、という。
7月25日(土) C
「左利きの子」 L・ミルソム 東京書籍
1900円。右手社会で暮しやすくするために
と副題のムック本。家庭で、保育園で、学校
で配慮すべき点。その能力を活かす方法。
7月24日(金) C
「伊勢神宮」 井上章一 講談社 2800円
20年毎に造り替えされてきた神宮の、創建
当時の姿を求めての、学会内部の論争など
を詳述の全556頁 本人は熱くなっているが
読むほうは、ややシラケ気味という感じか。
7月23日(木) C
「ハワイブック」 �竢o版社 1800円
赤澤かおり・内野 亮 写真・市橋織江。若い
女性向け、スイートな気分満点の ハワイ案
内小型ムック、なにも言うことありません。
7月22日(水) C
「動的平衡」 福岡伸一 木楽舎 1524円
分子生物学者。既出文の再構成らしく 面白
いが各章の内容は少々拡がり気味、著者は
動的平衡という言葉でまとめたいらしいのだ
が。2ヶ月で早くも、5刷目と相当な人気だ。
7月21日(火) C
「アドレスvsメルアド、教えたくなるのはどっ
ち?」主婦の友パワフルBOOKS1300円
発音の 語感だけでの言葉対決、監修は黒
川伊保子 意図はわかるが品格ナシ。字面
も含めての 格調の高い新刊を望みたい。
7月20日(月) C
「ハーバードビジネススクール」 日経BP社
F・D・ブロートン。バングラ系英国人の報道
記者が一年発起HBSでの2年間の思い出
副題の通り 不幸な人間の製造工場か、成
功を約束の養成機関なのか は読者次第。
7月19日(日) C
「水彩画で綴る 大工道具物語」 朝倉書店
1600円。神戸の竹中大工道具館収蔵品を
同在住の安田泰幸が描く。細部のわからな
い水彩、くわえて手描き文字は 雰囲気はあ
るが 読みにくい。と、まったくの趣味の本。
7月18日(土) C
「つながる脳」 藤井直俊 NTT出版2200円
社会性を脳科学からの追求。サルの実験が
専門、他にも様々な実験構想を述べるも 解
答はこれから、の隔靴掻痒感。むしろ 人間
の社会性についての、随想といったところ。
7月17日(金) D
「古代天皇」 久保田幸里 太陽堂出版会
2500円。群馬太田在住の自費出版?歴史
の空白3〜6世紀は百済王との同定 それ以
降も大胆な天皇の人物推定で、480頁には
人名ばかり、さらに資料の系図が 25頁付。
7月16日(木) C
「農業が日本を救う」 財部誠一 PHP研究所
1500円。食糧自給率の向上をはじめ 農業
再生・地域再生 のための方策を考える。元
凶は農地法と農協の存在、それはわかるが
最後に道州制に結びつけるのは少々疑問。
7月15日(水) C
「地域メディアが地域を変える」 2200円
日本経済評論社。NTTドコモ・モバイル社会
研究所の共同研究から。グローバル社会に
おける地域メディアのあり方。とくに第2章地
域アーカイブは 当方の景観論と共通視点。
7月14日(火) C
「鷹と将軍」 岡崎寛徳 講談社選書メチエ
1500円。徳川社会の贈答システムとの副
題。家康が好んだ鷹狩、そこで 鷹を巡って
の江戸期の政治の変遷。卒論からの研究
テーマというポスドク。特に興味は覚えず。
7月13日(月) C
「事典 世界の言葉141」 大修館書店
4200円。全584頁、世界に誇る言語学研
究の総力を結集しての、言の葉世界一周。
ただ 読み通しただけだが、消え行く少数言
語と 文化の問題などは、なんとなく実感。
7月12日(日) C
「問題解決のレシピ」 川瀬 誠 1600円
日本能率協会マネジメントセンター。理系出
身コンサルタントによる、問題解決方法論初
歩編。イシューツリーでの課題発見と、仮設
検証による解決策の作成。とくに感想なし。
7月11日(土) C
「恐慌脱出」 安達誠司 東洋経済新聞社
1800円。銀行調査部勤務の ペンネームか
過去の恐慌とその脱出事例の検討から、今
回のサブプライム騒動後の予想も 悲観的。
つまりは バブルと恐慌の繰り返し、と達観。
7月10日(金) B
「無差別殺人の精神分析」 片田珠美
新潮選書1100円。精神科医の女子大教授
「肥大化した自己愛」と 「成熟拒否」、その人
格形成過程での、家庭のあり方。さらに大量
殺人に至る 6つの条件を冷静に 事例分析。
7月9日(木) C
「燻製大事典」 太田 潤 成美堂出版
1400円。あの焚き火オヤジの燻製レシピは
60種。冷燻・温燻・熱燻と 何でもかんでも酒
の肴にしてしまう、初心者向け小型ムック本。
7月8日(水) C
「経済を動かす単純な論理」 櫻川昌哉
光文社 1400円。リスクの本質からバブル
現象を説明。本人はシンプルな論理と自慢
の慶大教授。今後の内需型経済の目標は
集中居住社会だという、そりゃ 違うでしょ。
7月7日(火) C
「ボールのひみつ」 新星出版社1400円
楽しい小型ムック本で、大はバスケットから
小はゴルフ・卓球まで各種スポーツのボー
ルの図鑑。最後にはドッジボール さらには
番外として お手玉・剣玉と抜かりがない。
7月6日(月) C
「地侍の魂」 柏 文彦 草思社 1800円
同年生まれ、少年時代の西部劇の開拓者
に中世の地侍をなぞらえ その末裔たちの
活躍を発掘する。いずれも 歴史の表には
出てこないミクロな話ながら面白い視点。
7月5日(日) D
「不思議の国・ニッポン」 神尾登美子
翰林書房1600円。神と仏の風景、と副題
維新前後の日本の姿を語るのだが 独りよ
がりな 構成・文体、ともに馴染めず終了。
7月4日(土) C
「何を買ったの?文房具」 片岡義男
東京書籍1600円。前作の 「文房具を買い
に」 から6年、相変わらず 自分だけの美学
を追及するテディさんだが、写真は美しい。
7月3日(金) D
『「見た目」で選ばれる人」 竹内一郎
講談社1200円。前作「人は見た目が9割
で一躍有名も、今回は×。何を書きたいか
はっきりせず、しかも引用が 多すぎる。チ
ラっとでてくる、「表情」をテーマにすべき。
7月2日(木) C
「自己組織化とは何か 第2版」 880円
講談社ブルーバックス。日進月歩の科学の
世界。5人の教授による 9年前の同書の新
版自己組織化するものといえば生物体。つ
まりは、生体パーツの応用技術の最先端。
7月1日(水) C
「風水と家相の歴史」 宮内貴久 1700円
吉川弘文館。歴史文化ライブラリー・シリー
ズ。御茶の水大准教授の研究から、これも
江戸・文化文政期の流行以降と浅い歴史。
言外に、その根拠のなさをしめす民俗学。