丘の上河川流路

 

※円悟沢川改修工事完了

3月をもって河川改修も完成した 川底に据えられた丸石は リズム感があって 造形的には面白い

これは橋の上から下流の東側を見たところ

さらにその橋の上流からの既存部との接続部分 これより上流は区画整理時に施工されたもの

長い間には設計方針も変わってくるものとみえる

(2022・4・28)

 

円悟沢川改修工事 →jump 王竜寺川暗渠補強工事 →jump 源長川暗渠補強工事 →jump

 

飯田市旧市内いわゆる丘の上を流れる河川は いずれも風越山麓の沢筋が扇状地を形作るもので

最終的には2本の河川となって松川と合流する

 

その1 谷川

飯田旧市内 いわゆる丘の上の真ん中を流れる川

中流部は現在ほとんが暗渠化され 様々の都市施設がその上部につくられている

柏原と呼ばれる北部の台地の水を集めているが

宮の上地域の用水も入っているようである

ことによったら古くには松洞川の水も入っていたかも知れない

柏原から道路に沿って下り 山裾を暗渠となって流れ

中央道下を横断し 市街地に向って落ち込んでいく

その後また暗渠となるが流路は不明

一方宮の上からの用水が排水となって流れ込む

線路を越えたところで また道路下を暗渠 吾妻町公園で顔を出す

曲線の経路をとりながら 中央公園下に

市民プールと広場を抜けると谷川橋のアーチ下 ここから駐車場下を暗渠

長姫橋で顔を出し またまた長姫公園を暗渠で通過

ようやく谷川線沿いに流れを見せる

しばらく行ったところで急カーブ 谷川線右手の深いところを下る

その後周辺整備の進んだ部分から 松川に合流

古くからむしろ城下町の排水路としての機能が優先 都市河川としての景観整備は今だしの感

 

その2 王竜寺川・松洞川

 

山麓の深いところから発し 途中いくつもの支流をまとめ

松川にまでいたる もっとも長い都市河川

 

風越山麓公園内は親水化が進み 夏には家族連れやグループの姿

公園を下りたところで押洞沢川と合流

公園へのアプローチ道路左手に沿って下り こどもの森公園横を通過

中央道の手前で右に流れを変え そのまま区画整理の終わった地区を下る

このあたりは昭和36年6月の集中豪雨 いわゆる36災の被害の大きかったところ

区画整理地区の東からは民家の間 飯田線の線路をくぐって市街密集地へ

この下で松洞川が合流

箕瀬からさらに飯田市役所脇を暗渠で抜ける

さらに四季の広場下も暗渠 広場を抜けたところで源長川と合流

愛宕橋・由政橋をくぐって 鼎橋際で松川に合流

 

王竜寺川暗渠補強

(2020・6・11)

工事の立看板の横の道路部分は昔から陥没気味 右から3番目の3階建ては前のめりになっている

この道路下には王竜寺川が暗渠で四季の広場方向に流れているが

陥没は 60数年前の ゴミの埋め立て部分の圧密沈下によるものだろう

ただ暗渠自体の経年変化は避けられないようで GW後から補強工事が始まった

工事の内容は よくわからないが トンネル部のコンクリートの補強のようだ

市役所新館への主要アプローチ道路の車線を制限していて一方通行

また駐車場へは箕瀬からの大廻りを余儀なくされている

*

川を堰き止め ビニールパイプにて分流している その後の工事状況の観察では

補強工事は直径2mほどの鉄管を暗渠内部に布設し その周囲を現断面までコンクリートで充填する方法のようだ

その後 道路の市役所側に工事施工説明版が設置され 現場写真とともに公開

やはり直径1.8mのFRP被覆鉄管を送り込む工法だった

(2020・7・7)

その後 仮設の架台を組んで コンクリートプラントの設置

たまたま鋼管を下ろす作業に遭遇したので一部始終を見学した

青い細長い台車が鋼管の中に潜り込み 外に出た前部と後部とで内側から持ち上げ

そのまま暗渠の中を現場まで移動するようだ その後の作業も興味があるが見るのは不可能

*

(2020・11・10)

そうして完全に新しい鋼管を布設し終わり 入り口部の整備作業

*

コンクリートを打ち上げ 最後に大型鋼製防護柵を設置して完了

一方通行も解除され 大久保町方面に入り込む車輌も減って 少しは静かになりそうだ

 

松洞川

飯田市の火葬場のある松洞から流れ出て 道路を横断そのまま右手を下る

中央道下をくぐって左折 今度は道路の真ん中をしばらく直進

このあたりも36災で そうとう被害を受けた部分

区画整理が終わって その面影はない

道路左側に出て左折 飯田線の線路下で王竜寺川に合流

 

 

その3 円悟沢川・滝の沢川・源長川

 

風越山麓南西深くに発する沢筋で 途中 今庫・猿庫など湧水が有名

円悟沢川

猿倉の泉近くから大平街道に出てきた川は 街道北側の谷をつくる

小河川を集めながら下って 大平街道を横切り 田園部分を通過

中央道下からは区画整理地区に入り 進んだ河川整備

そこを過ぎるとまたも古くからの河川風景

しばらく行くと左へ不自然に急カーブして源長川に合流

この下で飯田線の掘割部分とぶち当たるため ここで曲げたような雰囲気

 

円悟沢川改修工事 (2017・12・21)

源長川との合流地点で改修工事が進んでいる 源長川下流方向から

ここは改修が終わった円悟沢川

曲がりの部分は大規模な工事 左写真右の黒い部分が旧河川

シートパイルを打ち込んで流路を替えての作業

さらにそれより上部の現況部分 右写真はそれを上流方向から

この部分も改修して上の護岸方式にするようだ

 

円悟沢川改修工事とりあえず終了 (2019・4・11)

上流の親水護岸の円悟沢川 下流の改修もとりあえず終わったようだ

しかしまだ一部はそのままの状態

危険一杯だった曲がり部分は大きく改修された

そこから続く部分も川幅を大きくとって改修終了

 

円悟沢川河川改修継続

風越山麓から流れ下り 源長川に合流する市街地河川 上流部は区画整理とともに整備されてきたが

下流部は計画された区画整理が頓挫したため 脆弱だった合流部より 上流に向かって改修が進んでいる

さらにそこから上に向かっては 丸石を規則的に配置 左・白山通り2丁目 右が曙町

このあたりは ちょうど本覚寺の裏手

逆方向の上流からは通行止め

クネクネと曲がる 大きなパイプで仮の水路をつくり工事中

*

工事はさらに上流へ 市道を通行止めにして橋上の工事 道路を黒パイプが横断しているため 歩行者も迂回

橋の上流で土嚢を積んでダムを作り 2本のパイプで吸い上げ 黒いパイプに流している

工事期間は3月19日までというが 通行止めはいつまで続くのか

(2021・1・3)

*

ようやく通行止めが解除されたようなので 下流から歩いてみた

橋のかなり下に 大型土嚢が埋まっている

擁壁もコンクリート吹き付け どうも今年度はここまでのようだ

現場事務所も残っているし 新年度に続いていく様子

(2021・4・15)

 

円悟沢川改修工事続編

またまた河川改修がはじまった

上流に向けて 護岸と川底の整備事業

間知ブロックの上部の法面補強

逆側からの工事現場 ブルーシートは川底整備のコンクリート打ちの養生

(2022・1・13)

 

滝の沢川

風越山麓の沢筋から滝の沢団地に降りてくると

白山神社脇を流れ

高台の住宅地を過ぎ 果樹園の間を通って

中央道に向って一直線 ガードをくぐると

区画整理地区 道路の分離帯下を暗渠で交差点を斜めに通過

顔を出すのだが ここで阿弥陀沢川の暗渠と交差する

区画整理地区を過ぎると ここから名を変え

源長川になる しばらく民家の間を縫って

飯田線の下をくぐり 裏道に沿って流れる

大通りを横断し 柏心寺横を通り 箕瀬と交差

ここで急激にS字状に曲がって 小公園から市役所敷地下を暗渠で抜ける

国道から抜け出て四季の広場を下り

ここで広場の下をくぐって 王竜寺川と合流する

 

源長川暗渠補強

(2021・10・28)

市役所南側道路を隔てて 源長川公園がある この下には減長川が暗渠になって流れている

箕瀬側から見た現場付近

なぜかここで川は直角に曲がり 急角度でトンネルに入っていく

川は公園下から市役所敷地を通り 国道から扇町公園に抜けている

工事はトンネル内にFRP被覆鋼管を挿入し周囲をモルタルで充填 という王竜寺暗渠補強と同じ方式

ダムが完成し 両側のパイプで水を流し 作業空間を確保

河川底が右手で急激に落ち込んでいて そのあとは緩やかにトンネル部分

こちらは四季の広場のトンネル出口 パイプからは勢いよく水流 左手は改修が終わった 擁壁部分

モルタルプラントも完成 FRP鋼管も現場に到着した

暗渠出口 FRP鋼管がセットされ 周囲も耐水モルタルで充填

 

源長川暗渠補強工事終了

(2022・2・17)

トンネル補強のFRP鋼管は入り口まで到達し 周囲も固めた

さらに両脇に構造物を造って ポタル部が完成 水流を堰き止めていたダムと仮放水路も撤去

*

この暗渠は 昭和36年の いわゆる36災で河川が削り取られて 暗渠化したもの

当時の写真では 生々しい被害の様子 石垣が小道もろとも無くなっている

左写真は竹やぶの右が大久保小学校グランド 遠くに見える民家が昔の我が家

建物半分の基礎が削られ 夜中 ふくらはぎまで流れる水の中を知久町を経て 通り町に避難した

右は グランド下の状況

その後の復旧工事の様子 左は川が直角に曲がる部分

右は大久保町の落ちた橋の仮通路 左上のブロック塀が我が家だった

(飯田歴史研究所収蔵写真より)

 

その4 阿弥陀沢川・山の田沢川

 

この二つの川は端末が暗渠になっていてはっきりしていない

資料によると区画整理地区の端で一緒になって御用水に接続しているようだが

確認ができていない

阿弥陀沢川

現在水量ほとんどなく あちこちで農業用水の利用がされているようだ

滝の沢住宅地からの急な下りは歩道下を暗渠 狭い道のためクルマの行き違いによく利用

浄水場の脇も暗渠だが 農業用水がここで合流し水量は回復

その下 砂払地区で一旦顔を出し 中央道附近はまた暗渠

その下で再び顔を出すものの ずっと暗渠で区画整理地区を通過

白山町3丁目交差点下で鉄管により滝の沢川と立体交差

さらに暗渠で御用水につながる模様だが 確認できず

 

山の田沢川

山麓の浅いところから田圃の間を流れ 果樹園を抜けて 中央道まで

この下は完全に暗渠になり流路はわからない

*

2009・7・10

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