景観のなりたち

 

1) 景観とは何か−景色・景観・風景 

  「景色」は2次元的な(view) 

  「景観」は3次元的な(landscape)

  「風景」は、時間軸を加えた4次元的な(scene)

  いずれも視点があり、個人の視覚で見、感じる

 

2) 景色の構成要素 

  緑(田・畑・庭木・生垣・林・杜・森・並木…)   

  水(川・池・用水・湖・海…)  

  地形(山・丘・谷・平地・斜面・崖・遠近感…)  

  光(太陽・月・夜景・時間・照明・空気・虹…)  

  土(道・広場…)                   

  空(青空・雲・朝焼け・夕焼け・スカイライン…)  

  人(個人・集団・群集…)              

  乗り物(自転車・自動車・列車・船・飛行機…)  

  建物(住宅・集合住宅・事務所・商店・工場・学校・病院・神社仏閣…)  

  工作物(道路・橋・擁壁・鉄塔・広告塔・電柱・電線・ダム・堰堤・堤防…)

  それぞれに形と色をもち、それらの集合が景色

 

3) 景観イメージと感動そして希望  

  景色を、ある空間の中で体感し、総合化(構造化)する事を「景観」 としたい 

  その際、個性(個々の感性=個々の想像力)は、様々なイメージをメッセージとして受け取る  

  (美しさ・楽しさ・明るさ・スピード・安心・驚き・清潔・健康・懐かしさ・落ち着き・癒し etc)  

  それらに共感することが「感動」であり 

  その時、生きていることを肯定し、あらためてフレッシュな感情つまり「希望」を実感する  

  そのための空間の実現こそが、都市デザインの目的であり、景観計画の目標としたい

 

4) 景観構造の把握    

  まず景観要素の把握、ついで視点の設定とその移動の想定  

  景観をとおして、場所あるいは地域の持っている歴史的・文化的要素   

  (地域・民族・時代・様式・思想・技術・教養・生活・家族・経済・環境)を共有する  

  様々なアプローチ(都市工学・土木工学・社会学・地理学)がなされつつあるが

  ここでは上記−景観イメージ共有のための方法を、模索するものである

 

5)  飯田市の都市構造

  飯田市の中心部は地形的には天竜川と松川の交差する二つの段丘の突端に位置しており

  さまざまな地形的要素が見られ、それに応じた土地利用がなされている

  歴史的には堀氏1万7千石の城下町であり、明治維新を経ての町の構造

  さらに昭和初期の飯田線全通と、トラックの普及など交通状況からの道路構造の変化

  昭和22年4月の飯田大火と、その復興にともなう都市計画の大幅な実施

  加えて昭和36年6月の集中豪雨いわゆる三六災の被害からの復旧

  それ以降の高度成長期を経て、クルマ社会の進展にともなう中心市街地の地盤沈下

  という全国共通の現象を受け、重層的な都市景観を見受けることができる

  以下それらを念頭に、景観の構造に迫ってみたい

 

はじめて訪問される方は 「飯田市の景観特性」 としてダイジェスト版をつくりましたので こちら から

飯田市と周辺の景観要素

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2009・2・15

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さらに景観の構造について 景観デスティネーションという見地から マトリクスを作成しました こちら

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