One Color World 蠱惑的同色世界

 

※Blue Sky −青空・碧空・蒼空 →jump

 

TVの旅番組に登場する名所として 季節の花の色が画面一杯に溢れる風景は人気がある

テーマパークとして意識的に作りだされることもあり それを観て観光客が殺到することも日常的だ

つまりは人間の基本的な特性として求める エキサイティングな景観ともいえよう

そこで飯田周辺の風景の中から それらに当てはまりそうなものを ピックアップしてみた

*

春を迎えときめくことは やはり桜の開花であろう それこそピンク一色の世界に酔いしれるのだ

南から北上する桜前線を待ちきれず 早咲きの名所を訪ねる人も多い

飯田の場合 エドヒガンの1本桜を あちこちに愛でることが可能だが ソメイヨシノの量感も貴重だ

飯田市の花見については こちら 一本桜については こちら

飯田市中心部大宮桜通りのソメイヨシノ

並木の間を歩き

大宮神社にいたる

少し季節が過ぎると八重桜 妙琴原に上る 松川沿いのサイクリングロードの桜トンネル

そこからさらに上り 権助平のレンゲツツジ 見渡す限りオレンジ色という時期もあったが最近はやや寂しい

それでもと自転車で上ってみれば まあまあの咲き様

北方の中央道側道のレンギョウ

飯田市の中心部22m4車線道路 通り町のラベンダー

最近はラベンダー畑もあちこちに出現している

天竜川の対岸 喬木村の段丘の上 伊久間原の1haくらいの畑一面ポピー畑

 やはり赤い色というのは訴求力がある

おりから近くの保育園の園児が飛び回っていた

川路・開善寺の藤棚 房が伸びて立っては歩けないほど

こちらは大井川の遊水池脇の芝桜 花の持ちが良いので 長い間楽しめる

しかし何と言っても この時期はハナモモ 芝桜も花桃も 秋のコスモスとともに

全一色というよりも ピンク系ということで One Color World を認識しているような気がする

さらに菜の花畑 このあたりでは少ないが 北の飯山市では町興しの主題

果樹園の桃の花も同様で 山梨の一宮附近の桃色世界は必見だ

たまたま中央道で その時期に通りかかれば幸運

梨や林檎の花は白色ということと密度が今イチの気がする

塩尻善知鳥峠の唐松若葉 右はそれから4日後の芽吹き風景

一瞬の鮮やかな緑 唐松は紅葉の季節には黄金色の世界をつくる

箕輪町上古田の赤ソバ畑 中央アルプス北端山麓の里山にポッカリと開いた島のような空間

十分 One Color World を愉しめる

こちらは下条村上野原の普通のソバ畑

標高600mくらいから 休耕田に一面

やはりこの時期は 「コスモス」 松川堤防 

少し飽きると 「キバナコスモス」だが やっぱり普通のコスモスか 上郷飯沼神社下

いずれにしても 相当な面積がなければ面白くない

松川新飯田橋の際のヒマワリとコスモス 平谷のヒマワリの群生は有名だが写真がないので

これも園芸種 アスターの小輪系らしい 熱心に作っている人がいるようだ 青色系は貴重だが

現在は宅地化していて見られない 鼎中平

松川町生田・嶺岳寺の彼岸花 石仏が雰囲気を盛り上げている

箕輪町上段広域農道沿い・きぬた農園のイチョウ畑

アップルロードの銀杏並木 渋滞中の運転席から 透き通った若葉のころも愉しめる

愛宕神社は中心市街地から10分程度の中世の城跡

春は清秀桜と千代蔵桜 ほかに染井吉野 そして11月下旬から12月にかけてはイロハモミジの紅葉

近場では一番の色の鮮やかさ

 朝日の中の雪風景 箕瀬坂肩口からの鼎方面

右手は久米路橋から伊賀良北方方面

同じく左に振って 一色・名古熊方面

さらに左手は八幡方面のほぼ180度のパノラマ

夕焼け風景も One Color World の範疇に入りそうだ

特殊な例ではイルミネーション そもそも光り物自体が非日常的なもの

なかでも同色での面の大きさの方が訴求力は高いと思うがいかがなものか

2016・6・21

 

Blue Sky −青空・碧空・蒼空

そういえば頭上にひろがる青い空も 究極の One Color World なのかもしれない

季節に応じての 様々な濃さの青い色は 茫洋としていて 宇宙の奥行を感じさせるものでもある

同時にその中に高く浮遊する物体に憧れの念さえ抱いてしまう

 

背景としての空色

ただ風景の背景としての青い色は 不思議にも どんな対象物を際立たせるに役立っているようだ

たんに晴天時の光量の演色性の差とばかりはいえないのではないか

安冨桜で 左はほぼ満開 右は5分咲きくらい 背景の空と比較してみたい

黄梅院の枝垂れも左は最盛期だが 印象は今ひとつ

千代蔵桜についても同様

くよと桜の場合は 午前と午後では陽のあたり具合で印象に差が出るが

さらに空の色が輪をかけている

段丘下から見上げる飯田美術博物館は外装がアルミだけに その差は顕著だ

鼎の段丘上からの風越山 青空をバックにして 印象は強くなる

残雪の中央アルプス 西駒ヶ岳の雪形・嶋田娘も ご覧のとおり

 

平成最後の花見も全国的に盛況だったようだ それ以前の梅の花から 桜とほぼ同時の菜の花

ハナモモや果樹としての山梨の桃畑 芝桜あるいは10連休中の常陸中海浜公園のネモフィラ

人気の有様は各メディアの伝えるところでもある ただ期待ほどでもない光景も目に付いた

それは天候 とくに晴天の光量の演色性と 背景の空色との対比によるのではないだろうか

そんな意味から上記の同色世界の魅力は あくまでも青空の背景が必要条件と考えたい

(2019・6・11)

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