笠松山麓ネックレス

天竜川とその支流・松川の二つの河岸段丘が 飯田市の景観構造の大きな特徴だが

その全体像をみられるのが 笠松山麓に発達した いくつもの扇状地の扇頂からの眺めである

当初それらを扇頂景観と名付け ランク付しようとしたが あたかも笠松山の首飾りのように

展望地を結ぶ遊歩道が結ばれているので むしろ全体としての景観を楽しむための

ミニトレッキングルートとして紹介することにした

この遊歩道は別項 南信州ロングトレイル (こちら) でも紹介しているが 林間が多く標高差もあまりない

またパノラマ景観の移り変わりを楽しむ意味では 大瀬木方面から飯田方向への逆ルートをとってみたい

したがって出発点は 大瀬木から飯田高原に上る道の途中からとなる

山麓線との交差点を行過ぎて 民家の前の信濃路自然遊歩道の標識を右折して

集落の中を高台に向かうと 展望地点へ

開けた果樹園と畑の中腹を通るが ここもなかなかの展望地 標高720mほど 飯田段丘上の市街地を左方向に見る

沢筋を通過し なだらかに坂道を上ると

梅ヶ久保公園 さらにここから神社境内まで登ってみると

標高755mの展望台がある むしろ伊賀良の南部 大瀬木から中村方面が視野の中心

飯田市街地は やや遠い位置 この写真からは左に外れている

拡大してみると 中央の建物が市立病院 その下にサティ 樹々のために手前は見えない

公園からは 林間を抜けながら

佐倉神社の裏手に出る 廻り込んで神社境内に上ると

標高735m 眼下の染井吉野の芝生からは かなり急坂と石段で登ることになる

真ん中の緑でパノラマは分断されていて 左の飯田市街というよりも 右の鼎上段部が視野の主方向

無理やり市街地方向を拡大してみたが 段丘縁の緑との対比は強調されるようだ

むしろ1段上の境内からは 飯田段丘から伊賀良までのパノラマが 鳥居越しに眼に飛び込んでくる感じ

一旦もとに戻って 林間を抜け 堰堤の下で橋を渡ると 舗装された林道へ それを下ると 三和農園の駐車場

そこから三和農園の施設の間を失礼して上がり 右折して少し下ると やはり四つ辻に出る

花火の残骸が捨てられていて グループが夜景を見ながら遊んでいた模様 ここを左折して進むと眺望点

やはり視野の広さはもっとも大きい ここは頂部というよりも 中腹で標高は690mほど

上よりも傾斜が急なため 高さ感覚が出て 前景の果樹園が気にならない

水平視野は180度以上あるので どこを見ても楽しめるが これは中心やや左の市街地の拡大風景

やはり多くの人が認めるように ここからの景観が一番かもしれない

そのまま真っ直ぐ下りると

山麓線から西へもっとも上った民家の周辺への道路がある 670m

住宅地図では大原地区となっていたが 残念ながら視界が狭い 果樹園に邪魔されて高さ感覚も乏しい

やむなく立ち木の左側の飯田市街地の羽場・丸山地区を拡大してみた

ただ遠くの南アルプスの山々の姿はもっとも印象的 のような気がする

そのまま来た方向から真っ直ぐ サフォーク牧場を過ぎ

草が密生した小道に入っていく 沢を渡り

小尾根を一つ越えると 入野の民家の裏側

案内板に出て左折 林間まで上り ここから右折する

橋を渡り ここで案内板の指示により右折

林間を抜けて明るくなり 案内板方向に登ると頂上の景喜地 スタートからは約3kmの距離

果樹園の最頂部に小山があり展望台となっていて 名前が物語るように その昔からパノラマが見事な場所で親しまれていたのだろう

標高は730mほどか ただ目の前の小屋はサルの捕獲檻だというが もはや用なしとのこと 撤去していただきたい

それを無視すれば 高さ感覚も十分で市街地中心部の遠望が楽しめる

あとはそのまま北へ小山を下り 壮年団整備ルートで伊賀良井に出て さらに妙琴原まで脚を伸ばすか

逆にルートを少し戻り 舗装林道を下っていけば山麓線に出ることができる

*

以上の遊歩道は 子どもの脚でも 2時間くらいの行程

太陽の位置からは午後の方が飯田市街地を見るには良いが 午前からでも十分楽しめる

ただ一部丈の高い草を掻き分ける部分があるので 肌を出さないように注意が必要だ

また以上に物足らない向きには ポニー牧場からの笠松山登山を推奨したい (こちら)

笠松峠展望台からのパノラマ 標高は1200mほど 前山で飯田市街地と伊賀良方面と分かれてはいる

飯田市街地から松川を挟んで鼎の下段

さらに段丘上の飯田市街地を拡大

2014・6・17

 

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