リニア関連 景観ファイル

リニア飯田駅前空間 軌道通過地 上郷北条上の段 松川工区 上郷国道4車線化 座光寺SIC 座光寺上郷道路 代替地 

喬木村関連 竜坂県道拡幅 天竜川橋梁 高森GWY

 

リニア飯田駅将来都市像

 

飯田・リニア駅前空間デザインノート 2024

下記 駅前空間についてのデザインノートが2月に刊行されている

 左が表表紙と裏表紙 全22頁で 右は平面図と各機能の紹介

左は17・18頁で用地の環境について さらに右は19・20頁で大屋根構造について

(2024・6・16)

 

リニア飯田駅実施設計検討模型

市役所ロビーに展示されている模型 写真撮影はOK

右が国道153号 この交差点がメインのアプローチ

こちらは北条の高台からの全景 リニア軌道は駅高架部分から地上へ

上とは逆方向 右手に座光寺上郷道路 下から左が国道となる

さらに手前が土曽川をはさんで 座光寺上郷道路 左から奥へ国道

メインのエントランシュ 金沢駅の太鼓門のシンボル性にくらべると 地味な印象

(2023・12・4)

 

リニア飯田駅起工式

雨の予報だったが 午後からはあがり 陽もさす天候となった

会場ゲート前では建設に反対する某政党の関係者が気勢をあげていた

周辺では要所に私服警官が見廻るという ものものしい雰囲気

左の大きなテントが主会場のようだ ほかにも沢山のテントが並んだ 駅予定地

北条の上の段から 駅空間方向を見た 起工式前日の様子

夕方のNHK長野県ニュースより

(2023・1・10)

 

リニア駅エリア土木設計

ムトスぷらざで行われた発表会

ホール前にて受付のあと 会場へ 少々時間が早かった

一般傍聴者は3人ほどで 報道関係者ばかりが目立った

入念な リハーサルにもかかわらず オンラインの機材調整で大幅な遅れ

壇上の右が設計の北川原藝大名誉教授 左が佐藤飯田市長

実施設計といっても 内容は基本設計の様相 出来上がった模型も 2019年のデザインノートとくらべ

地味な印象 金のかかりそうな木造の大屋根構想は 大きく後退している

何もないじゃないか と言われないように 北川原先生のデザインに期待したい

(2022・12・25)

 

リニア飯田駅模型&動画一般公開

イオン上郷店の北側入り口の右手 ATMコーナーの手前に展示

お馴染みだった模型と 新たに作成したらしい 駅内外のバーチャル動画を公開

模型手前には各種パンフレットも平置き 全体的にちょっと地味かな

VRリニア飯田駅は全部で6編 周辺各所から改札まで歩行者目線で

一部クルマ目線になったりするが なかなか良くできている

ただ以下のワークショップに関わったので 右下の地図上の現在位置はわかる

そうでないと難しそうだ 赤い線上を点で動かしてくれれば最高だ

(2020・10・6)

 

第5回リニア飯田駅ワークショップ

いよいよ最終回を迎えたワークショップ

展示された模型も 細かいところまで表現されてきた

最後に感想やら これからの希望やらを各自 メモとしてまとめ 最後に全員で記念撮影

10ヶ月間 ご苦労さまでした

(2019・1・14)

 

リニア飯田駅・景観デザイン要素

 

飯田市リニア推進部では同駅の構想について広く意見を求めるべくリニア飯田駅周辺整備に係るアイデア募集をおこなった

以下は A3判にまとめたその応募案の写しである jpegコピーのためいささか見苦しいが ご容赦願いたい

(2017・5・29)

なお概念図は南が上となっている つまり飯田市街地や下伊那の広い山間地方向

上記 広域文化のエントランスを考慮し さらに人間の南方向に対する空間親和性と

ヘディングアップ認知志向を合致させるために あえて地図を逆転させたものである

以上の点から 主景観方向は南口にとるべきであることが自然といえよう

*

4 のCCRCについて 上郷飯沼のクリニックタウンのレポートは こちら

リニア駅から丘の上−電動自転車アプローチ については こちら

 

第4回リニア駅ワークショップ

本日も模型は撮影禁止

前回のワークショップの意見を入れて イメージはさらに高まった

目玉は地元産材で組上げるテラス・通路を覆う木造屋根の計画

グループ発表は前回同様

(2018・10・7)

 

第3回リニア駅ワークショップ

精度が増した模型を前にデザイン説明 模型は撮影禁止 そんなわけでブレ写真

デザインサイドも より駅イメージの深度が増した印象 これぞ ワークショップ

その後のグループワークでは たまたま座った場所が敷地の北側の隅の位置

新たな視点で敷地イメージを高められてよかった

最後に例によってグループ発表 飯田女子高生が活躍

(2018・10・20)

 

第2回リニア飯田駅ワークショップ

今回は報道陣にも公開 模型を中心に31名参加で4グループに分かれてのWS

アイデアについての いいね!マークは新趣向

最後にグループ発表は前回と同じ 方向性の共有は進んでいる印象だ

(2018・6・20)

 

リニア飯田駅周辺計画方針

その後 長野県および飯田市の担当部局での検討も進みつつあり地元との協議も緒についている模様だ

周辺道路の整備方針・駅周辺の開発区域の策定など 大まかな方針がおりにふれ報道されているので

それらをまとめて報告しておきたい

主要アプローチ道路については現国道153号の4車線拡幅が決定したようだ アップルロードから

上郷地区の入り口において2車線と絞られていて渋滞の発生が日常化している したがって

そのまま4車線化し座光寺地区まで拡幅する方向のようである

中央道からのアプローチは座光寺PAのスマートIC化を行い片肺ではなく上下線からの出入りを可能とし

土曽川沿いに駅まで向かう道路を整備する方向だという 座光寺PA周辺での地形を考慮して

かなり北側に迂回させ接続することになるという 写真は座光寺PAを南側からの駒ヶ根・伊那・東京の上り方向

現在はフルーツラインと上記アプローチ道路についても相当な高低差があるが

これについても土曽川の河岸段丘を降りるために一旦西側に大きく坂道で下り

土曽川沿いに駅まで下りてくる線形となりそうである 

写真は左の土曽川大橋の西側 正面の林地を右に下り 土曽川を渡って手前道路に接続しそうだ

(2015・12・29)

 

リニア飯田駅周辺整備地区

飯田市の検討会議は駅周辺の整備地区を提示した ここは国道153号の北条交差点

ドラッグ裏手の辻からが対象区域 ドラッグは協議区域となっている

北側は土曽川までが整備対象区域

上部の県道側の土曽川周辺

さらに県道を下って この民家の裏から 鉄筋コンクリートのアパートが3棟建っていて

それをはずした北側の線までが整備対象区域のようだ

(2016・1・8)

 

JR飯田線の存続を願う 飯田市長をはじめ周辺自治体の首長にとっては

飯田線との連結が至上命題になっているようだが 現在の線形を考えてみれば

その輸送力を向上させることは至難の話で かなり無理があるような気がする

中央高速道座光寺PA 上が東側の下り線 出るのは楽そうだが

入るのは高低差があるので大きな工事になりそう

 

むしろ長野県への南の玄関口を標榜するならば 中央自動車道とのスムーズな連結が必要で

座光寺パーキングからのスマートICは十分可能な位置にある この際 北からの出入りを重視の

片肺になっても構わないのではないか 戻ることなく進行方向に考えられるのは有利な点だ

となると現在の土曽川沿いの道路の改良が考えられよう つまり飯田線のガードをくぐって

大堤団地の脇をかすめ 上県道宮崎橋にいたる道路である これは一部はすでに改良済で

線形も大きく動かすことなく 宮崎橋から さらに座光寺PA付近に上がる道路もあることはある

ただ現在のフルーツラインとの連結は 高低差も大きく難しいのではないか

フルーツライン土曽川大橋の下をくぐる

 

下にもあるように当初囁かれていた駅位置は約2kmほど飯田市街地に近づくことになった

先日高松通りの竜坂を下りながら 「だいぶ近くなったよね」 「これなら送り迎えも楽だよね」 

「旧道を使えば 電動自転車でも行けるかもしれないな」 などと k id’s さんと話していて

「誰に迎えてもらうのよ」 「そもそも目が黒いとはいえないよ」 と大笑いしたことがあった

新駅の位置は丘の上からは意外とわりやすい 一部狭い部分があるものの なんとかなりそうだ

高松通りは大分整備が進んだが 竜坂はここからしばらく狭い印象

 

丘の上の人たちには高松通りを利用してもらおう ただ伊賀良・山本・阿智など西部からは

市街地を通ることは避けるべきだ ここでは今後開通する羽場大瀬木線とフルーツラインから

わかりやすく段丘を下りる路線が必要となってくる これは平成5年に都市計画決定された

県道・大門座光寺線の開通を期待しよう 計画通り座光寺線に繋げる必要や国道との連結も

将来の駅の姿が具体化してくれば 様々に考えることが可能だ

飯田線のガードをくぐる部分

 

高森・松川・飯島方面に加え 上伊那からの交通は高速道路を使わないとすれば

せいぜい駒ヶ根・伊那くらいまでと考えてよい 現在伊南バイパスが整備が進んでいる

田切地形の大きな谷を直線で結ぶ大橋の完成が続けば かなり使いやすくなりそうで

現在の国道を考え直す必要はあまりなさそうだ

国道153号飯田線陸橋を越えて飯田市 郊外店の並ぶ座光寺へ入っていく

 

高木・豊丘あるいは遠山郷からのアプローチも元善光寺停車場線により

国道と結ばれているので こちらも大きな問題はないと思われる

元善光寺停車場線は座光寺の象徴・座光寺富士を目指しての1直線の登り坂

 

むしろ問題は松尾・八幡・天竜峡・下条あるいは千代・泰阜・天龍村など

南部方面からのアプローチで 国道153号につながる部分もふくめて

現在でも渋滞は激しい 東側の1段下の北部農免道路の利用を期待したいが

そのためには151号からそこへの下り口を 明快に整備しなくてはならない

同時に今度は農免道路から 上段に上る道 例えば土曽川に沿った道路を

拡幅整備することが望まれる そのあたり区画整理が必要なのかもしれない

右は土曽川に沿って上がる部分だが もう少しスムーズに入りたい

 

なお国道の東側に 並行する道が2本続いている とくに国道に近い道路には

診療所などが集まっていて 将来的には面白くなりそうだが 道路線形を整えることなく

むしろそのままとしておいて住宅地として考えておきたい気がする

(2013・11・9)

*

※ リニア中央新幹線 飯田駅周辺ルートの発表

9月18日午前 リニア中央新幹線の環境影響調査評価準備書が発表された 当日は複数のヘリが

飯田上空を旋回 また当HPも検索で なぜか上位に紹介されアクセス数も一時は1日で1500を越えた

そこで緊急報告として 今までの内容を訂正しておくものである

リニア中央新幹線のルートおよび駅位置については報道を参考にしていただきたいが

飯田周辺のルートについては遺跡や水源保護などの地元要望に答えて

上の図のように 今までの予想位置よりも 南に下がって設定されたようである

正確な地図を入手したわけでもなく推測ではあるが 周辺の現況風景を掲げておきたい

飯田市上郷飯沼北条地区の国道153号 左のパチンコ店のあたりの上空10数mの高さに

新幹線線路および飯田駅が設置される模様だ

こちらは国道を逆の北方向から 駅へのアクセス方法も様々な憶測が飛び廻っているが

下で述べているように つねに混雑している国道153号に替わり

現在の農免道路を重視し かつ駒ヶ根方面からは 新たに高森ICを設置する案

さらに南大島川沿いに農免道路に至るアクセス道路の話も取りざたされている

土曽川に架かる国道の橋から天竜川方向を見る

右手から左の建物の上空を通過するようだ

逆に国道から山側 パチンコ店の上を正面の山に向かって突き進み

段丘の中間をトンネルで また大深度地下を風越山麓妙琴原まで抜けるという

その段丘のトンネル部のやや北側 田園神社からの天竜川方向

線路は右下よりパチンコ店を通過して 赤い阿島橋の北側を500mの鉄橋で渡るらしい

こちらは中津川方面の妙琴原 右側の建物・中部電力松川第四発電所の奥を

同じく橋梁で松川を渡り ふたたび笠松山麓をトンネルで入っていくようだ

(2013・9・22)

**

※ リニア中央新幹線 長野県内ルートの発表 

  本日午後長野県庁において県内ルートと県内駅についての大まかな位置が発表された

駅位置は飯田市北部座光寺から高森町南部にかけての天竜川右岸地区ということで

 事前に囁かれていたとおり 飯田市の望む現飯田駅併設とはならなかった

以下の予想も全くはずれたもので JR東海としては中央道との連結よりも

買収・補償等による事業予算の低減を 大深度地下工事によって図ることに

重点においたようだ ( また恵那山という地質の脆い地帯をトンネルで抜けることを

避けるために大きく高森町寄りにルートを振ったようでもある ここらは後日

鉄道関係の本を読んだ際 技術者として最大の関心事であることを知った )

ただ飯田市にとっては駅と中心市街地とをどう結びつけるか

今度は段丘を上下するという課題が大きく迫ってくることになる

おそらく一昨年全通した北部農免道路が主要なアプローチ道路になり

中心市街地と柳通りを延長して結びつけるのは 意外にわかりやすいかも知れない

長野県としては駒ヶ根・伊那からのアプローチを考えると 中央道といかに結ぶか

座光寺万才地区よりも 南大島川の高森町側の道路が使いやすそうだ

少し様子をみながら検討してみたい

2011・8・5

*

北部農免道路については →こちら

柳通りについては →こちら

*

1) 30年後の飯田市像を想像する 

  様々な要素から飯田市の景観構造を見てきたが ここらで将来像を想像してみたい

  今後21世紀中頃にかけての飯田市の都市像の変わり方には大きなものがありそうだ

  いうまでもなく リニア中央新幹線の開業にともなう 環境条件の変化である

  平成20年 JR東海のリニア中央新幹線の建設の意思表示がなされた

  18年後の2025年の開業を目指す目論見である

  今までの経緯から長野県においては そのルートや駅の設置に関して

  様々な意見が巷を飛び交ってきた

  ただその方向を想像するに すでに上記の問題は構想の段階で決定済みで

  相当に詳細な検討がもう成されており あとは政治技術的な事柄ではないかと考える

  むしろここでは上記の問題を確認しつつ 飯田市あるいは東京都市圏ひいては日本

  さらには地球規模の世界にまで 30年後の姿に想いを馳せようとするものである

  なお以下の検討において 山梨実験線も見たこともなく

  工学的な知識も 報道の範囲内のものであることをおことわりしたい

 

2) リニア中央新幹線建設の意義 

  当初は単なる東海道新幹線のバイパスとしての意義がここにきて

  それだけに留まらず世界の未来に影響を与えるものになってきた

  昨今の地球規模の環境問題への対応から 鉄道技術が見直される傾向にあるが

  くわえてアイスランドの火山噴火にともなう ヨーロッパの航空事情の混乱は

  あらためて陸路の大量高速輸送の必要性を再考させるものとなった

  さらに日本の経済環境からみると もはや工業製品の輸出という産業構造が限界をむかえ

  システムとしての社会技術を開発し その世界への拡がりを求めざるをえない状況にある

  省エネ環境技術は当然として 原子力エネルギーあるいは水資源の確保

  あるいは海底資源の探査と利用システムなど

  上流から下流まで一貫したシステム技術を売り込まなくてはならない状況だ

  つまり リニア新幹線システムも上記の大量高速輸送システムとして完成させ

  世界に輸出すべき技術 と位置づけられるるものであることは論を待たない

3) リニア中央新幹線ルートの問題 

  ようやくルートの問題もCルートとしてのコンセンサスを得つつあるようだが 

  上記東海道新幹線を補完するバイパスとしての役割を考えれば

  当然主要都市間を結ぶ最短距離にならざるをえない

  さらに以前の検討においては南アルプスを貫く長大かつ大深度トンネルへの技術的な

  不安感を含めて いわゆる伊那谷ルート(Bルート)が想定されたものであるが

  その後の土木技術の進化にくわえて 上記実績重視の考え方からすれば

  むしろ積極的に直線ルートを選択すべきであり

  一企業の技術開発に留まらない 国の政策として理解しなければならない

 

4) リニア飯田駅位置の検討  

  さて南アルプスを貫く直線ルートを想定すると飯田市に新駅を設置するのは必然となる

  これは地方都市に対する経済上のメリットうんぬんからではなく

  長大かつ大深度トンネルの交通システム上の安全工学的立場から要求されるもので

  様々な予想外の事態にたいしての備えとして その出口あるいは入口には

  安全基地でもある駅を設けておく必要があるのだ

  当然その安全基地は他の交通手段との結節点に設けられなければならない

  既存の飯田線との結び付きを考える向きもあるが

  現在の飯田線の輸送能力をみれば現実的とはいえない

  むしろ高速道路との結び付きを考えるべきではないだろうか

  しばらく前の岐阜県の水害の際 土木資材を積んだトラックが

  中央道をビュンビュン疾走した光景を思い出すと考えやすい

  さらにここにおいてその結び付きの選択性から 三遠南信道との連携が現実味をおびてくる

   すなわち浜松方面との繋がりをも安全側に考えられよう

  というわけで物理的にも難しい飯田市中心市街地への駅設置は疑問

  つまり駅の位置は中央道と三遠南信道のジャンクション つまり山本インターの近く

  と考えてみたい

 

5) 丘の上飯田駅構想

  先日のシンポジウムにおける藻谷氏の基調講演でも

  中心市街地への駅設置が望ましいとの見解であった

  またコンサルタントからの研究報告も 同様なものであったと聞く

  商工会議所の宮島会頭は一貫して中央道との結びつきを強調しているが

  最近の市長の言動は上記報告もふまえ 丘の上駅構想に傾いているようだ

  ただ上にも述べたように飯田駅の設置は必要欠くべからざるもので

  とくに声をあげて望まなくても実現するものと考える

  つまり巨額な駅建設の負担は考えなくても良い ということもありうるのだ

  だから丘の上駅設置構想はむしろ 高度な政治判断にむけての

  アドバルーン的な方法と うがった見方もできなくはない

  

6) 新駅と中心市街地との結びつき

  リニア新幹線飯田駅の位置を山本インター附近と考えると

  次の段階としては そこと中心市街地をどう結びつけるか ということになる

   ここでは3つの方法を考えてみたい

 

 @ 羽場大瀬木線の延伸

   中心市街地と中央道飯田ICを結ぶ主要道路は 今後羽場大瀬木線となる

   その4車線道路と市街地との連結は後述するが

   新松川大橋の完成さらにそれに続く大橋によって交通量は飛躍的に増えそうだ

   現在も都市計画決定はされているようだが つづいて熊野殿岡線への延伸は急ぐ必要がある

   ことによったらそれに留まらず さらに山本インターまでの延伸をも視野に入ってくる

 

 A 中央道新上飯田スマート IC の可能性

   上記の道路接続の他に もう少しわかりやすい形での接続が

   むしろ中央道を使っての中心市街地とを結ぶ方法である

   この場合 現在の上飯田バス停附近にスマート IC を設置することで

   主としてバスなどの公共交通機関による中心市街地との接続を考えたい

 

 B 新交通システム−幻の中津川線

    さらに大きなスケールでは新交通システムを使った接続方法も考えられる

   環境都市ということからはもっとも理想的な方法で

   この場合 昭和39年に工事認可され 二つ山トンネルの完成をみながらも

   昭和55年工事中止され幻の路線となってしまった 中津川線の

   線形をできるだけたどる方法であり 今一度その具体性を検討しても良いのではないか

 

 上記の考え方はもちろん中津川線用地を使っての羽場大瀬木線の延伸など

 複合的な考え方も様々考えられよう

 

6) 個性的な都市の実現−丘の上の城下町のSTORY

 先の藻谷氏も述べていたが 要はリニアが来るから都市が栄えるということではなく

 リニアにかかわらず地方都市としての魅力を備えていなければならない ということである

 全国的にも様々な実践がなされており その成功例あるいは失敗例が報告されているが

 地方都市の魅力つまり個性とは何か を全市民あげて考える必要があるのだ

 飯田市の場合 いままでの景観的な検討からは ひとことでいえば 「丘の上の城下町」

 というフレーズあるいはSTORYを思い浮かべることができる

 つまりは段丘景観と坂道をはじめとする周囲の自然景観など地形的な要因

 歴史的にいえば南信州の城下町としての商業集積がありながら

 城遺構の徹底的な破壊と飯田大火による町並みの消滅

 しかし復興による防火帯の整備による清潔な街区の誕生などがあげられる

 そのそれぞれを意識してさらに整備することにより全国的にもアピールできるだけの

 個性はすでに持っていると思われる

 東京と名古屋どちらへも1時間以内で行けるならば むしろ都市的な施設は必要はない

 駅周辺の開発は低層の住宅のみとしたい 商業施設は隣の阿智村に十分存在している

 来訪者のためには自然景観を保ったコンベンションシティとしての各種施設

 定住者のためには子弟の教育要求に対応する中高一貫の進学校が必要となりそうだが

 上記連絡交通システムを整備して 駅からはかなり離れた場所に考えたい

 なお JR飯田線については その感動的な建設の歴史や 秘境駅をふくめた景観などから

 数年前 JR東海が提唱した 「飯田線テーマパーク構想」 を実現させてみたい

 

7) 丘の上道路交通と駐車場の考え方

 丘の上に新たな施設をつくるとなれば それに対する駐車場の整備も考えなくてはならない

 そもそも郊外のロードサイドへの新しい商業地の集積は無料駐車場への要求から生まれたものだ

 上であげた丘の上についても都市交通からすればマイナス要因だ

 歴史的にみても坂道をいかに整備するかが時の行政の大きな課題であり

 今後も道路行政の隘路になりうる

 したがって各方面からのアプローチをどのように中心部に行うのか

 同時にそのパーキングシステムをどうするのかが中心議題となってくる

 現状を観察していると大火復興にともなう 3本の大きな防火帯を

 都市として完全に生かしきっているかは疑問だ

 中央公園の利用の実態 りんご並木公園とそれに続く大宮桜通りの空間利用

 通り町の道路空間も景観的にはわかるが 機能的にはまだ物足りないものがある

 それらは当然これから実施をみることになる市庁舎の改築まで含めた検討を期待したい

 

 @ りんご並木公園の周日歩行者専用空間化と公園空間のロータリーまでの延長

   本来自動車通行を禁止すべき りんご並木公園であるが 通行量はけっこう多い

   つまりは快適でわかりやすい道路であるということで

   ロータリー部分から中央通りまで 通行量を制限し別方向にふりわける必要がある

   つまり片側1車線化し 路上の専用駐車場への転用を提案してみたい

   もちろんりんご並木公園は歩行者専用とする

   なお水の手線については銀座通りも右折禁止として 市庁舎脇の王竜寺川部分を延長し

   箕瀬で大通りと結び右折可能としたい

 

 A 通り町の無料道路駐車帯の設置

   通り町は22m防火帯として 4車線道路でありながら その利用度は低い

   現在でも観光用の大型バスや工事資材運搬の大型トラックの停車場所となっている

   思い切ってここも無料道路駐車帯として考えられないだろうか

   上と同様 防火帯に可燃物を置くということには議論もあろうし

   風越山を望む大きな空間は中央公園と並び貴重な都市空間でもあるが

 

 B 白山通りの拡幅

   市役所と上飯田を結ぶ白山通り周辺の区画整理計画が頓挫し

   羽場大瀬木線から中心地へのアプローチは中央公園の改造によって

   大横町まで結ぶ計画が進行中である

   たしかに北部方面からの中心地へのアプローチには利用されそうだが

   西部方面からは大廻りになるだけに 大型バスは利用されようが

   地元を主とする小型自動車は今まで通り 白山通りあるいは大平街道を使うのではないだろうか

   したがってある時点で今一度拡幅の方向をさぐることが必要となりそうだ

 

8) 丘の上都市景観整備の方向

 道路交通とは別に景観的に丘の上の個性の表現として望まれるものを以下にあげてみたい

 

 @ 市庁舎改築にともなう景観整備

   歴史的には貴重な箕瀬通りだが 今回その半分が市役所の敷地になりそうだ

   景観的にはもはやその役目を終えている町屋風景でも やりかたしだいでは

   大きな都市景観整備が可能な部分であり 新市庁舎のデザインも十分

   それを意識したものを考てもよい

 

 A 愛宕坂周辺の景観整備

   現在でも動物園と隣接の四季の広場の利用度は高い

   さらに古来の愛宕坂は酒蔵関係の蔵が多数残っていて独特の雰囲気がある

   今は排水路として景観的にはお粗末なものの王竜寺川と源長川も

   動物園から続く回遊空間として整備することは可能であろう

 

 B 元綿半駐車場の土地利用

   中心部のポテンシャルが上がってくれば通り町に面する現在の駐車場

   元の綿半の店舗跡は格好の施設用地になりうる

   第4の再開発の中心としての活用を考えたい

 

 C 仲ノ町旧喜久水跡地の土地利用

   飯田大火に罹災せずに残った橋北地区の中で異彩をはなっているのが仲ノ町である

   ここには昭和初期の木造洋風建物が2棟残っている

   さらに酒蔵をはじめ昭和の和風建物も数多く 昔の遊郭へのアプローチでもあったところ

   もしノスタルジニックな都市空間を再現するとすれば 箕瀬とならんで格好の場所である

   しかも隣接して酒造会社だった広い敷地が十分利用されることなく放置されている

   したがってこの界隈も景観整備の中心になりうるところである

 

 D 段丘景観ポイントの整備

   松川による河岸段丘を挟んだの両側の景観は全国的にもここだけのものだ

   その段丘に上る坂道の肩の部分からは見事な段丘景観を楽しむことができる

   飯田側からは鼎方面の朝と夕方の段丘景観 鼎側からは午後の陽射しを浴びたビル群

   そのどちらにも小公園を整備し 市民・観光客に開放したいものである   

   桜の古木ツアーだけでなく りんご並木や桜通り あるいは季節の中での風越山の山容などの

   日常的な段丘景観にくわえ

   信濃自然遊歩道伊那谷ルートから遠望する 天竜川と対岸の竜東地区と南アルプス・伊那山地

   逆に竜東から見る天竜川の段丘景観も全国にアピールしていきたい

段丘景観の眺望絶佳地点については こちら

*

2010・6・14

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