読書日記保存版(印象に残った本) 2008年1月〜2008年12月back
過去読書日記 2000年1月〜2008年6月
12月18日(木) B
「かぐや姫の結婚」 繁田信一 PHP研究所
1400円。90まで生きた という藤原実資の
日記から、55歳で授かった愛娘・千古を主
人公に、その溺愛ぶりを千年の時を越えて
大胆に描く 1968年生まれの若き研究者。
12月3日(水) B
「大人の時間はなぜ短いのか」 一川 誠
集英社新書700円。前半の知覚の構造から
後半は道具としての時間からの解放「生きて
いる時間・生きられる時間」と哲学的・文学的
思考。とくに後者をどう考えるかを重く示唆。
11月1日(土)B
「世界は仕事で満ちている」
10月22日(水) B
「遠山谷南部の民俗」 飯田市美術博物館
柳田國男記念民俗学研究所。同市地域史
研究事業民俗報告書3は 聞き取りが中心
内容と同様に461頁A4判はズシリと重い
こういう時代が確かにあったのだ と感慨。
10月10日(金) B
「日本の街道ハンドブック 新版」 三省堂
1500円。1983年「日本の街道事典」として
出版、1993年に現書名 さらに新版となった
という人気の本。中身の充実ぶりはお見事。
10月5日(日) B
「モダン都市の系譜」 ナカニシヤ出版
2800円。大阪市立大地理学の3名、による
京都・大阪・神戸の都市の記憶を探る試み。
文学や新聞記事などから丹念に当時を再現
本当は、都市計画屋さんにやってほしいナ。
9月3日(水) B
『「課題先進国」日本』 小宮山 宏 1600円
中央公論新社。知の統合化 つまり社会性の
高い知識こそ「教養」というのだろう。しかも全
てをプラスに考える前向き思考は、読むほど
に未来への希望と、勇気が湧いてくるのだ。
9月2日(火) B
「家紋の事典」 高澤 等 東京堂出版
4000円。重量級家紋解説。デザイン的にみ
ると 図案そのものより、構成の仕方に面白さ
さらにその呼び方により ひとつひとつ特定可
能な点などは、和のデザインの極地の趣き。
8月14日(木) B
「北京」 春名 徹 岩波新書780円
中国史に詳しい作家の北京案内 やはり清朝
の遺物が中心。非常に抑制の効いた かつ格
調の高い文章で清々しい気分にて終了した。
7月24日(木) A
「タクシー王子、東京を往く。」 川鍋一朗
文藝春秋1350円。日本交通三代目の新人
ドライバーの1ヶ月間。スピード感充分、しか
も泣かせるツボも心得た、素人の坊ちゃんと
は とても思えない文章、実際 泣かされた。
7月9日(水) B
「うつ病の真実」 野村総一郎 日本評論社
1700円。日本うつ病学会理事長の防衛医
大教授による臨床的うつ病の全て。非常に
わかり易く かつ愉快な文章で その歴史的
な経緯から 診断と治療の今後への展望。
7月4日(金) B
「金融権力」 本山美彦 岩波新書 780円
初心者にもわかり易い記述で、いわゆる金融
工学の歴史から 現在のサブプライム破綻の
状況を考察は 1943年生まれ京大名誉教授
新しい地域経済システムの構築をも、展望。
6月27日(金) B
「食と緑の環境科学」 唐澤 豊・編著
信濃毎日新聞社1600円。執筆20人は全て
信州大農学部の教官。まさに 信大農の叡智
を結集し 「農林業の多面的機能とその活用」
の副題そのままに、環境産業のバイブルだ。
6月25日(水) B
「日本人の脳に主語はいらない」 1600円
月本 洋 講談社選書メチエ。母音主体 の日
本語は左脳に直接作用 認知速度が速いの
で主語省略が起こるという やや強引な電機
大教授。思考構造の根幹に係わる問題だ。
6月14日(土) A
「風の天主堂」 内田洋一 日本経済新聞社
2000円。五島列島に点在する、明治以降
の天主堂を訪ねる日経記者。かくれキリシ
タンの物語を横糸に しかしその過酷さにも
かかわらず 絵画的な美しささえを感じた。
5月29日(木) B
「森を育てる技術」 内田健一 川辺書林
2800円。信大農大学院出の林業職人によ
る、林業実務大全。今後の地方での主役の
環境産業として 素人にも充分理解できる内
容。さらに森林行政の方向 社会構造まで。
5月4日(日) B
『日本の「安心」はなぜ、消えたのか』
山岸俊男1600円集英社インターナショナル
集団主義との日本人の思考が、実は個人主
義であり、早く安心なムラ社会から個人信頼
社会へ変わるべき と展開には説得力充分。
5月2日(金) A
「シェフの哲学」 ギィ・マルタン 白水社
2700円。アルプスの麓から、パリで三つ星
シェフに昇りつめるまでの自伝は 淡々ゆえ
に感動的。知性溢れる料理哲学を、訳も格
調高く、料理人志望でなくとも勇気が出る。
4月9日(水) B
「新版 図説・近代日本住宅史」 鹿島出版会
3200円。内田青蔵・大川三雄・藤谷陽悦の
編著による、建築学生のための教科書。とく
に戦前期の作家達の活動は勉強になった。
4月3日(木) B
「コンフリクト・マネジメント入門」 鈴木有香
自由国民社 1600円。紛争解決の技術。要
は協調路線を いかに築くか、ということは如
何に相手を認めるか、である。さらには第三
者(ミディエーター)介入の実践手法など。
3月27日(木) B
「渡る世間は顔しだい」 岡野 宏 幻冬社
1200円。NHKで長くメーキャップを担当の
1940年生まれ。顔の造作、表情の豊かさ、
肌の美しさの効用、ときとして泣かせる有名
人との交流話 なによりも文章が上手すぎ。
3月21日(金) B
「ビエンナーレの現在」 青弓社 2000円
暮沢剛巳+難波祐子・編著。国際美術展の
現在・未来。越後妻有・横浜・アジア太平洋
・北九州の国際展から新しい美術とコミュニ
ティ の可能性 特に越後の報告には興奮。
2月28日(木) B
「すごい駅!」 メディアファクトリー 900円
横見浩彦×牛山隆信。全駅下車の横さんと
秘境駅の牛さんが 全国から名物駅・感動駅
100駅を、ピックアップしての駅テツ談義だ。
2月13日(水) B
「シルクロードを知る事典」 長澤和俊・編
東京堂出版2900円。全368頁、シルクロー
ドのみならず東と西の文化の交流を網羅 ス
ケールの大きく、かつ細かな世界史事典だ。
2月3日(日) B
「照葉樹林文化とは何か」 佐々木高明
中公新書980円。日本文化のルーツについ
て、かなり明快に説明しており、納得。さらに
後半1/3 の稲作文化の起源について、4人
の学者の討論には ワクワク感をも覚えた。
1月27日(日) B
「牛頭天王と蘇民将来伝説」川村 湊 作品社
2800円。明治初期 完全に抹殺された祇園
祭、津島神社の源流を探る 法大教授の旅。
日本神道とは別の、庶民信仰の成り立ちへ
の想像をも大いに楽しめる、全399ページ。
1月25日(金) B
「戦後腹ぺこ時代のシャッター音」 岩波書店
赤瀬川原平1600円。昭和25年からの岩波
写真文庫全300余からの24冊 高度成長期
以前の昔を 原平先生が懐かしむ。柔らかい
が味わい深く、幅の広さを感じさせる文章。