読書日記保存版(印象に残った本) 2011年1月〜2011年12月 back
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過去読書日記 2000年1月〜2010年12月
12月29日(木) A
「日本のデザイン」 原 研哉 800円
岩波新書 誉めすぎかも知れないが
この人のデザイン論はもっとも納得
上を向いた姿勢は、感動的ですらあ
る。副題は 「美意識がつくる未来」。
12月20日(火) B
「日本本草学の世界」 杉本つとむ
八坂書房 4800円。1927年生まれ
早大名誉教授は 言語学が専門のよ
うだが 本草学にのめり込み。お陰で
本草学が何たるかを 多少理解した。
11月21日(月) B
和製英語と日本人」 J・スタンロー新
泉社 2500円。ロラン・バルトに 「記
号帝国」と言わしめた外来語の氾濫
する日本。むしろ肯定的に 「クール」
に通ずるダイナミズムを 評価する。
11月9日(水) C+
「現代にっぽん新宗教百科」柏書房
3000円。408頁にくわえて戦後宗
教事件史86頁は島田裕巳・監修に
よる。有名無名とりまぜて宗教団体
215の沿革・概要などを紹介する。
10月25日(火) C+
「こころの免疫学」 藤田紘一郎 新潮
選書 1000円。腸内細菌によってつ
くられた神経伝達物質の作用で分泌
される脳内物質により 免疫細胞が活
性化する。ウツにも効果あり、という。
10月23日(日) C+
認知考古学からみる古代 古墳とは
なにか」角川選書1700円。教授に
なった岡山大・松木武彦先生 今回
も大胆に推論。巨大な 前方後円墳
がなぜ生まれ、終焉に向かったか。
10月18日(火) C+
「形態の生命誌−なぜ生物にカタチ
があるのか」 長沼 毅 1200円。新
潮社の季刊誌に連載を新潮選書と
したもの。広島大准教授の「命而上
学」はやや難解だが新鮮ではある。
10月5日(水) B+
「コミュニティデザイン 人がつながる
しくみをつくる」 山崎 亮 学芸出版社
1800円。1973年生まれながら京都
造形芸大教授の、まちづくり実践例。
おそらく現在最先端を走っているな。
9月26日(月) B+
もうひとつの坂の上の雲 鉄道ルート
形成史」 高松良晴 日刊工業新聞社
2400円。明治から 平成までの鉄道
史を、旧国鉄建設局の生き字引が詳
述。恵那山を避けたリニアにも納得。
8月18日(木) B
「ユニコード戦記」小林龍生 東京電
気大学出版局 2700円。編集者か
ら文字符号の国際標準化の世界へ
15年間英語にもがきつつの渦中の
記録は貴重かつ上手くて、感動的。
7月22日(金) B
旅するデザイン 鉄道でめぐる九州」
小学館 3000円。JR九州の列車デ
ザインで名高い水戸岡鋭治のイラス
ト集。奔放な色彩による想像力の乱
舞には いつもながら感動を覚える。
7月11日(月) B
激動予測」G・フリードマン早川書房
1800円。前作「100年予測」 よりも
ずっとわかりやすい、地政学教科書
世界の今後10年を地域ごとに読む
昨日とは正反対の、冷徹な想像力。
7月7日(木) A
「春嵐」 ロバート・B・パーカー
早川書房1900円。遺作ゆえ多少の
感傷をもちつつ最後まで愉しんだ シ
リーズは 別の作者が引き継ぐようだ
がもう読まないだろうナ。Thank You
6月20日(月) B
「繁栄 上」 M・リドレー 早川書房
1800円。交易こそが、人類の繁
栄を築いてきた、という 英の超楽
観的思考の博士の文明史。けっ
こう説得力のある、論理の展開。
6月16日(木) C+
「アイヌの世界」瀬川拓郎 講談社
選書メチエ1500円。旭川市博物
館副館長による、アイヌ研究の一
端は 藤原文化とのつながりや明
治の集落風景など、面白さあり。
6月9日(木) B
「ビジュアル編 男のきもの大全」
早坂伊織 草思社2200円 着方は
もちろん 選び方、はては着物での
生活行為全般 にまで言及だ。ここ
まで詳しい内容に、初めて接した。
5月31日(火) B
「人びとの声が響き合うとき 熟議空
間と民主主義」 J・S・フィッシュキン
早川書房2600円。民主主義のさら
なる高みを求めての提案と検証。こ
んな研究が生まれるのが米の凄さ。
4月1日(金) A
「生命の跳躍」 みすず書房
N・レーン 3800円。英の生化学
者 進化の10大発明の最終章は
「死」、難解だが その教養ある想
像力には感動。訳者にも 拍手。
3月31日(木) C+
「図説 狙撃手大全」 2400円
原書房P・ファレイ+M・スパイサー
時として戦争の形態を変えてきた
スナイパーの歴史を中心に その
全貌の詳説は 最後まで緊張感。
3月30日(水) B
日本林業はよみがえる」梶山恵司
日経新聞出版社1800円 外務省
出身内閣審議官。全方位の 現状
把握と将来展望は 今まで読んだ
中で最も説得力。菅政権に期待。
2月21日(月) B
「ソーシャル・ビジネス革命」
M・ユヌス早川書房1900円 ノーベ
ル平和賞のグラミンバンク創始者に
よる グルーバル経済と対極の性善
説に基づいた、マイクロ 経済活動。
1月21日(金) C+
電子メディアは子どもの脳を破壊す
るか」 金澤 治 講談社文庫 552円
埼玉医大准教授。小児てんかんが
専門、発達中の高い可塑性の脳へ
の影響。過去読の中で 最説得力。
1月17日(月) B
「選択の科学」S・アイエンガー文藝
春秋1619円。盲目のインド系女性
のコロンビア大MBA特別講義様々
な局面での「選択」こそ生の証、力・
神秘・美しさ、つまり芸術だ という。
1月11日(火) B
「日本の酒蔵」 山口昭三 6000円
九州大学出版会。全国の酒造場の13
% 368個所の調査は九大を定年退官
した助教授。酒蔵の配置・平面・断面・
構造のライフワークは 2009年の刊。