読書日記保存版(印象に残った本) 2012年1月〜2012年12月back
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過去読書日記 2000年1月〜2010年12月
12月21日(金) C+
「地図で読む 昭和の日本」 今尾恵介
白水社1900円。現存する地形図を読
みビジュアルな地域史を組み立てる試
み。鉄道・地名への造詣の深さを駆使
して それを実現。文句なしに面白い。
12月4日(火) C+
占の文化誌」 棚木恵子 三弥井書店
2000円。前半が陰陽道などその文
化史的考察。後半は暦・易・九星術・
気学の技術的考察。シンプルかつ的
確な記述、大学講師で臨床心理士。
12月1日(土) C+
世界の99%を貧困にする経済」 徳間
書店 J・E・スティグリッツ 1900円 上
流層に増税し それを原資の公共投資
で中間層の雇用を、とノーベル賞教授
ここらが 世界経済の今後の潮流か。
11月23日(金) B
チンパンジーはなぜヒトにならなかっ
たのか」J・コーエン 講談社2800円
99%の遺伝子が一致するのに似て
につかぬ兄弟。それを求めての科学
作家。話が長すぎるも スケール大。
11月14日(水) B
海図の世界史 「海上の道」 が歴史を
変えた』 宮崎正勝 新潮選書1400円
プトレマイオスの世界図 から始まる、
まさに海上交通史の詳細は興奮する
内容。著者は元北海道教育大教授。
10月31日(水) C+
「テレビの日本語」 加藤昌男 800円
岩波新書。1943年生まれのNHKア
ナウンサーの日本語論 テレビの歴史
を振り返りながら、現在と将来を 考え
るのだが、言いたいことは十分理解。
10月29日(月) B
都市は人類最高の発明である」NTT
出版 E・グレイザー3300円 J・ジェ
イコブス と対極のハーバード都市経
済学教授。都市の社会近接性こそ大
切だ、という考えは十分理解できる。
10月15日(月) B
「カブーム!100万人が熱狂したコ
ミュニティ再生プロジェクト」 D・ハモ
ンド 英治出版1900円。昨日の本と
正反対 劣悪環境に生まれるも遊び
場 2000ヵ所建設 NPOリーダー。
9月17日(月) B
雅楽逍遥」 東儀俊美 書肆フローラ
5000円。昨年逝去の雅楽界・重鎮
の随想録大型本は文章が巧みなの
で読んでいて楽しかった。いくらか雅
楽のことが 分かった様な気がした。
9月4日(火) A
「完訳 日本奥地紀行 2」 3200円
平凡社。今回は 新潟から山形を通っ
て秋田 さらに青森へ、イザベラ・バー
ドの旅は続く。明治11年夏の東北の
田舎の様子が眼に浮かぶ 観察眼。
8月25日(土) C+
「遺伝子の不都合な真実−すべての
能力は遺伝である」 安藤寿康 ちくま
新書 780円。双子児研究 から行動
遺伝学が専門の慶大教授。タブー視
も、それへの基本的な態度を論述。
8月15日(水) B
「幕末維新に学ぶ現在 2」 山内昌之
中央公論新社1800円。イスラム史が
専門の東大教授による、幕末人物評。
産経新聞連載時から注目。人間の教
養・胆力・運について考えさせる内容。
7月28日(土) C+
「ニッポン時空写真館 1930-2010」
二村正之 誠文堂新光社 2800円。同
社の 「日本地理風俗大系」 全18巻の
風景写真の80年後を 7年に渡り 全国
撮り歩いた専門学校講師。貴重脱帽。
7月5日(木) B
「 図説 台所道具の歴史」 山口昌伴
日本図書センター 25000円。初刊
1978年の復刻版でクセのある文体
だが図版内容の濃さは まさに圧巻
後世へ伝える資料としての貴重本。
6月30日(土) C+
「香港ストリート物語」 小柳 淳
TOKIMEKIパブリッシング 1600円
香港通の街路歩き。名前の由来・歴
史・景観観察は 非常に面白い。ただ
やはり イラストの地図が欲しくなる。
6月24日(日) A
「完訳 日本奥地紀行 1」 3000円
平凡社。イザベラ・バード研究の泰斗・
金森清則 京大教授の訳による日光を
へて新潟まで 半分が訳注。伝説の名
著の当時の庶民描写は貴重の一言。
5月22日(火) B
「漁業という日本の問題」 勝川俊雄
NTT出版 1900円。枯渇する水産資
源をいかに管理していくか。大胆に水
産庁に反旗を翻す三重大准教授。説
得力大。今後どうなっていくか 注目。
5月2日(水) C+
「日本地図史」 金田章裕・上杉和央
吉川弘文館 3800円。全380頁 古
代から現代のデジタルマップまでの
概要。どうも景観論は地理屋さんの
方が、進んでいるような感じがする。
4月27日(金) B
徳川の歴史再発見 森林の江戸学」
徳川林政史研究所・編 東京堂出版
2800円。同研究所が総力を結集し
ての文化史は、当時の 社会・技術・
生活への想像力をかきたてる内容。
4月4日(水) B
パンドラの種−農耕文明が開け放っ
た災いの箱」 S・ウェルズ 化学同人
2200円。広い視野と深い教養で巡
る人類史。しかも、決して希望を失っ
てはいない。全く 不適切な 副題だ。
3月12日(月) C+
成熟社会の経済学」小野善康 岩波
新書760円。デフレ脱却の処方箋。
増税し新産業により雇用を確保する
内需拡大シナリオしかないと説得力
問題は その時の世界経済の動き。
3月11日(日) C+
「日本の土木遺産」1000円 講談社
ブルーバックス。土木学会・編 が選
んだ全国の40例。さすがシヴィルエ
ンジニアリングというだけあって社会
のために造られた構造物の美しさ。
2月15日(水) C+
「登山案内 一等三角点」ナカニシヤ
出版 一等三角点研究会 2000円。
全国975ヵ所のうち591ヵ所の写真
アプローチなど データ付。こんな趣
味には気がつかなかった。刺激大。
1月18日(水) B
「ふろしき」 パイ インターナショナル
2800円。包み方はもちろん古美術
品から新作まで、その美しさは感動
もの 日本文化の深さを感じる。この
国に生まれてよかった と思うもの。
1月10日(火) B
B級グルメで500億円の町おこし」
渡邉英彦 朝日新聞出版1600円。
副題では 「なぜ富士宮やきそばは
B-1 グランプリの覇者となりしか?
だが 謙虚で愉快な 町づくり極意。
1月4日(水) B
かたち」 F・ボール 2500円 早川書
房。ヒョウやシマウマの柄はどうして
出来るのか、化学的拡散性によると
いい、さらに形態の発生にせまる刺
激的かつ難解な読物だ 訳は上手。